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マムを深掘り

こんにちは、フラワーフォトグラファー/ライターをしているshionです。

先日、拝聴したインスタライブ「重陽の節句を前にマムを知ろう!」
フラワーデザイナー兼フローリストの中三川さんと、マムの生産会社(JFD)を経営する藤目さんによる対談。

私自身、まだまだ知らないことばかりで、聞きながら思わずメモを取っていた。とても勉強になったので、備忘録としてここに綴っておく。

●藤目さんがJFDオンラインショップを開設した理由

多くの生産者がお花屋さんとの接点が少なく、自分が作った花がどう使われているのか、フィードバックが出来ていない。作りやすい/日持ちがするなど、生産性の高い品種をメインに作っている。これでは、情報が一方通行。お客様がどういうものが欲しいのか?ニーズや傾向を汲み取るために、JFDオンラインショップを開設した。
お客様を囲い込む、とか、そんなつもりはなく、消費者がどういう傾向のものが好きなのか、情報収集する手段の1つ。情報を得られたら、逆にそれをお花屋さんに伝えていきたい。機会損失(東京では手に入るが、地方では手に入らない…)をなくすためにも、オンラインショップを開設した。

●マムのベストシーズンは11月。9月ではない。

7年前、マムの需要が高まる重陽の節句やお月見、敬老の日などに併せて、マムの販売促進に努めてください!とお花屋さんに伝えたところ、「いやいや、販売するマム自体がないよね…」と言われた。温暖化により、世に届けたいマムの出荷が間に合わない。節句や行事があるのに、モノがない、では始まらない。そんなジレンマと戦うなか、夏場に供給できるマムを作ろう、と涼しい北海道に圃場をもうける。愛知県の圃場には、冷房も設置し、供給設備を整えた。

本来のベストシーズンである、11/6を「いいマムの日」に記念日登録。
一番魅力的なマムが出荷される時期。語呂合わせももちろんあるが、同月には文化の日がある。菊は日本の国花であり、文化の象徴だから。

●菊ではなく、マムと呼ぶのはなぜか

菊=仏様にお供えする花=輪菊、輪菊、小菊のイメージが強い。なかなか払拭することができない。「マム」と呼び続け、認知度を上げていくことで「マム?なにそれ、どんな花?」という切り口から、洋菊を知ってもらう機会を増やしていきたい。

●ディスバッドマムとは何か

通常は一輪から沢山の花がでてくるのが、周りの花の芽を全て取り除く。これによって、1つの花に栄養が集中し、花が大きく咲く手法。
ディス(dis)=取る、バッド(bud)=芽


ちなみに、先週私がたまたまスーパー(マルエツ)で購入したオレンジ色のマム。バーコードの部分に「ディスバッドマム」と記載されていた。

●良いマムの見極め方

ある程度咲いているものを購入すると良い。
蕾の状態から咲かせるのと、咲いている状態から満開にもっていくのとでは、花形が異なってくるから。蕾の状態だと、開花にパワーが吸い取られ、その後の成長に影響を及ぼすから。

●藤目さんの今後の活動

活動の軸は変わらず、マムを広めていくこと。
輪菊の生産量/消費量が減り、花農家をやめてしまう人も居る。マムの需要が高まれば、そんな時に、マムの生産に切り替える花農家がでてくるかもしれない。生産設備を整える関係で、バラなどの違う品目に移り変えて、生産を続けるのはなかなか厳しい。その点、マムであれば、輪菊とほぼ同じような作り方ができ、花農家を続けるという選択肢がででくるから。

●インスタライブを聴いて私が思うこと

まず驚いたことは、本来のベストシーズンが11月ということ。重陽の節句や敬老の日などで、お花屋さんではマムを見かけることが凄く多くなったから…てっきり9月頃がマムの旬だと思い込んでいた私。この時期、店頭にならぶマムは、いつも以上に手をかけられて出荷されてきたマムなのだ、という意識が芽生えた。
この記事は加筆が必要だな…苦笑

また、たびたび見聞きする花業界の問題。生産者、卸売市場、販売者の双方向のコミュニケーションがとれていないことは、ここでも浮き彫りになった。一方通行を解消すべく、オンラインショップを開設したり、youtubeなどのSNSを駆使し、情報発信し続ける藤目さん。私自身、もっとマムの勉強をしなければと痛感したし…いち消費者として、上記のコミュニケーションの円滑化にどう関われるか、できることは何か。今後も考えていきたい。

企画してくださった中三川さん、
お話してくださった藤目さん、
ありがとうございました!

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