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印刷業界における赤字と朱字 最近赤字の方しか見なくなったなあと思った

 印刷関係のお仕事をされている人なら既にご存知かと思われますが、原稿に入る修正指示のことを「あかじ」と呼びます。朱色もしくは赤字と書きます。
 私の取引先ではほとんど「赤字」の方が使われています。この2つについて書いていきます。


験担ぎのために使われた「朱字」

 明治時代は墨と朱墨を使用しており、訂正を入れることも朱入れと言ったそうです。また、赤字というと利益がマイナスになったというイメージがあるため、縁起が悪いとされていました。
 そのため、修正指示を入れる際には「朱字」を使用したそうです。


ほぼ同義で使われるようになった「赤字」

 縁起が悪いので避けられていた「赤字」表記でしたが、取引先を見る限りでは、ほぼこの表記が主流になってきている気がします。「いやいや、うちはまだ朱字って表記してるよ!」って会社があったらぜひ教えてください。
 現代では修正指示の際に筆や朱墨を使わなくなり、代わりに赤いボールペンやマーカーを使用しています。そのため、「朱色」というより「赤」なので、「赤字」という表記が使われるようになったのかなとあと想像しています。
 あるいは、メールやなんかでと入力する時に、「あかじ」と打って最初に出てくる変換が「赤字」だからなのかな。Macのことえりだと「あかじ」の変換候補に「朱字」は出て来ませんね。


まとめ

 この記事を書いたきっかけは、フリーランスを始めたばかりの時を思い出したからです。
 「会社の中では『赤字』って書いてメール送ってたけど、やっぱりお客さん相手だったら縁起悪いととられるかもだし『朱字』にした方がいいのかな」とか色々悩んでいたのんですよね。でもみんな「赤字」を使用しているので、今では気にせずそちらを使うようになりましたね。やっぱり早く漢字変換できるのが強いですしね。

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