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秋田の良さを料理で伝える小料理すず乃 鈴木綾子さん

一人一人に対するおもてなしを大切にされながら、秋田の良さを料理で伝える小料理すず乃の鈴木さんにお話を伺いました。

プロフィール
出身地 秋田県秋田市
経歴 秋田市で4店舗ある居酒屋、ACWAVEの統括マネージャーを7年半勤め2015年8月に退社。そして2015年11月独立。小料理すず乃をオープン
座右の銘 死ぬ以外はかすり傷、努力は裏切らない

Q:飲食店を始めようと思われたキッカケを教えていただけますか?

19才で出産し、22歳で離婚してシングルマザーになったので、働かないといけない状況になり、昼も夜も娘を育てるために必死で働きました。
夜はバーで必死に働いていたのですが、働いている割にはお給料が少ないと思いバーのオーナーに相談したところ、「帳簿をつけてみろ」と言われました。早速、帳簿をつけてみました。すると、その月が20万の赤字だったことが分かりました。
このことが契機となり、一か月にどのくらいの経費がかかるのかを意識するようになりましたし、お店を経営することの大変さが身に沁みました。
この意識を持つことを教えてくださったオーナーとの出会いが私にとっては大きなものでした。
それから、私は負けず嫌いの性格もあり、どうしたら売り上げが上がるのかを実践し、次の月には、売り上げをなんとか赤字が出ないところまで持ち込むことができました。
そして、翌月には黒字にすることができ、お陰さまでそれ以降黒字を続けることができました。当初は従業員が私1人・1店舗でしたが、7年後には従業員が25人・4店舗となり、私自身は、統括マネージャーを任せていただけるようになっていました。
そんな時、お客様から、「綾ちゃんは、どこのお店に行ってもいないね。」と言われました。統括マネージャーという立場だったので、毎日4店舗のどこかのお店にいるのに、お客様からは、お店にいないと言われたことに寂しさを感じました。そのお客様の言葉で、「マネージャーの仕事をするよりも、自分自身がお客様と直接会いたいという気持ちが強いこと」「私自身、人と関わっていくことが好きだということ」を改めて自覚しました。そして、自分に会いに来てくれるお店があったら、どんなにいいのかと思いました。また、商工会議所の青年部で出会った経営者から頂いた「何かやりたいことがあるなら、若いうちにするといいよ。」という言葉も後押しになり、20代で独立しました。そして、有り難いことに家族や知人から応援をしていただいたことも大きかったです。

Q:飲食店の形態はいろいろありますが、今の小料理屋の形態にしたのは、どうしてでしょうか?

1人でお見えになるお客様がメインのお店にしたかったので、カウンターだけのお店にしました。美味しい料理を出すことだけでなく、お客様へのおもてなしに力を入れていきたいと考えたからです。また、着物が好きだったことも理由の1つです。
出張などで秋田を初めて訪れて、不安の中で初めて選んだ夜のお店の印象が良いか悪いかで秋田全体の印象が変わると考えています。秋田を訪れたお客様に喜んでいただけるように、秋田を好きになっていただけるようなおもてなしがしたいという想いでやらせていただいています。
カウンターだけのお店なので、お客様の表情を観ながら、お料理を考え、お話をさせていただいています。そのように一人一人に向き合っていると、お客様から私の目をみて「ありがとう」と言っていただくことがあります。そのような時にとてもやりがいを感じますし、幸せを実感できる大切な瞬間です。

Q:小料理屋の経営をされ、もうすぐ3年になるそうですね。その中で、大変だったことや苦労されたことはありましたか?

3年という月日は、あっという間で、毎日いろいろな人と出会う事ができ、つらいことも思い出せないくらい楽しく過ごしています。
人生の先輩のお客様から教えていただける機会も多くとても勉強になりますし、貴重なことだと思っています。また八百屋さん、漁師さん、魚屋さんとも二人三脚以上の関係だと思っていますし、「お店でこうやって出したらいいよ」と料理の出し方を教えて頂いたくこともあります。
周りに力を貸していただきながら経営ができているので、大変なことも感じないのではないかと思います。

Q:お店では、ひと手間加えた秋田の旬の料理を出されているとお聞きしましたが、そうなった経緯があれば教えてください。

当初、秋田のことは意識していませんでした。しかし、秋田に転勤して来られたお客様、出張で来られるお客様も多いことから、次第に秋田のものを食べていただきたいと思うようになりました。有り難いことにお客様の中には、秋田に出張で来られる度に来てくださる方もいます。次回お会いした時には「この料理を召し上がっていただこう」とメニューを考えています。メニューを考えることは大変ですが、楽しいことです。

Q:最後に一言

秋田は四季折々、食材も違いますしお酒も旬があります。色々な楽しみ方ができると思います。
私自身、お客様をおもてなしする時、必ず「また来たい」と思っていただけるように努めています。
ロボットではできないこと、すず乃でしかできないことがあると思っています。
秋田にいらっしゃった時は、ぜひ遊びにいらしてください。

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鈴木さんの活動については、こちらから↓↓ 


【編集後記】

お話を伺って、お店のこだわりはもちろん、鈴木さん自身の生き方やお人柄に魅力を感じました。少しでも興味を持たれた方は、是非鈴木さんに会いに秋田を訪れてみてください。
鈴木さんの今後の益々のご活躍を応援しています!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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