鬱病の果て(3)

休職する前や休職してからは、ひたすら仕事や職場の夢を見た。
勤務規定時間の9時から17時は休養として休んでいるにも関わらず気持ちが休まることはなかった。土日や祝日は休みのはずなのに、自分は働いていないからと休む価値はないと思ってしまい疲れ切っていた。  

頭の中では復帰後の自分を想像して不安になった。きっと2ヶ月くらいで復職するのだろうと考えていた。時間は分厚いグレーの雲のようにゆっくりと重く流れていき、次第に不安が募って何も食べられなくなり欲という欲はすべてなくなっていった。
どうしても職場や仕事のことを考えてしまい、私は何のために働いてきたのだろうと思った。自分自身が壊れてしまっては意味がなく、こうなったからには何を成し遂げられただろうと考えた。
顧客や社員に感謝されることはあったが、実際自分のために何かできたかと言えば少しのスキルを身につけて必死に目の前のことを突破するためにがむしゃらにもがくくらいだった。
人生終わったも同然と思ってしまった私は、気づいたら骨のような身体になりふらふらとマンションの最上階に行き街を見下ろしていた。

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