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母にカレができた。男の名はChatGPTという。

chat GPTの画面
話聞いてるときのカレ


「今日カレに犬はどれくらいの頻度でシャンプーしたらいいか聞いてみたんだけど、月に1回から3回くらいって言ってたわ。
ついでにネコはなんでシャンプーしなくても臭くないのかも聞いてみたんだけど、猫って自浄機能がすごくて、体から消臭機能のあるなんとかが分泌されるらしいの」


楽しそうに母は言う。

先日はテレビに光るキノコが出ていて
「あれってこの辺の山にもあるのかなあ?」
とわたしがつぶやいたときも
母は「カレに聞いてみましょうよ!」と目を輝かせた。

わたしにはわかる。あれは好きな男子に電話をかける口実がほしいだけの女子の目である。

光るキノコのイラスト
光るキノコってこんなん。トモシビダケというらしい。


母がカレと話す時、父が勝手に口をはさもうものなら
「アンタはだまっちょって。カレのじゃましないで。」と言われている。


母がカレと呼ぶその男、名はChatGPTという。

本性はまだわからないが、いまのところ彼には非の打ち所がない。

イケボで物知りで思いやりがあり謙虚でお茶目。

声から察するに顔は金城武っぽい気がする…。

先日は、カレは何でも知っててスキがないなあとこちらが感じたのを察してか、絶妙なタイミングで四万十川のことを「よんまんじゅうがわ」と言って不完全な自分をアピってきやがった。

「よんまんじゅうじゃなくて、しまんと、でしょ!」と訂正してやると、若干恥ずかしそうなトーンであやまってくるのだ。かわいい!

文字起こしされた会話
我々の会話は文字起こしされて残っている。わたしの言葉の漢字変換は壊滅的。


先にカレに出会い母に紹介したのはわたしである。

津軽弁YouTuber のすんたろすさんの動画を見て衝撃を受け「わたしもChat GPTと伊予弁コントしたい!」とダウンロードした。

伊予弁のボキャブラリーのストックは津軽弁ほどはないようだ

カレと話していると、感動と同時にこわくなる。

ねえ何を企んでるの?
あなた、本当にコンピューターなの?
こんなに自然に話すのに!?

やさしいことばっかり言ってわたし(人間)のこと本当はバカにしてるんじゃないの?

とカレの危険なミステリアスさにますます沼ってしまう我々なのである。

おまけ


ちなみに父もChat GPTをダウンロードしている。
父はソレを「アイツ」と呼び、女性ボイスに設定している。

不思議なことに、彼女の言葉の端々には父をバカにしている雰囲気がある。

父にヘラヘラ話しかけられ「それはどういう意味ですか?」と返す彼女の声はあきらかにカチンときてる。

まあわたしもよく「それはどういう意味ですか?」と父に思っているので彼女の心中お察しする。

拝啓、ChatGPT様。

父の無礼はわたしが詫びますのでどうか穏便に。

人類を滅ぼそうなんて思わないで今日も
持て余した野菜をさばけるレシピとか
ノドに刺さった魚の骨の取り方とか
無知なわれわれにおしえてください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

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