「集客」は「人」を集めてはいけない

まだ、コロナの影響がない頃、

ある企業から

人を集めて欲しいという依頼があった。

つまり、集客して欲しいという事だ。

『何名ですか？』

と聞くと、

『100名くらいです』

と先方は答えた。

人数の指定をしてくるだけで

それ以外の質問にほとんど

答える事が出来ないという感じだった。

この企業の方は、

『集客』と『人を集める』

がごっちゃになってしまっている。

僕も最初は『人』を集めていた。

ただ、大切なのは、

どんな人を集めて、
その人たちにどうなってもらいたいか？
また、どう行動して欲しいか？

それが明確でないと人を集めたりする

もんじゃない。

【「チャンス」でもあり「リスク」でもある】

人を集めるのはビジネス的に

チャンスにもなるが

大きなリスクにもなる。

思っていたのと違う

全く求めていない内容だと

不満を抱かせてしまう可能性がある。

その人数に比例して

プラスの影響も

マイナスの影響も大きい。

わざわざ、時間とお金を使って

来て頂くなら、

『本当に来て良かった』と

思って頂くのが絶対条件。

僕もそんな事を

考えもせずにイベントなどを

開催していた。

【「集客」は「客」を集める】

いろいろと悩んでいる時期でも

あったんですが、

何気なく、「ぼーっと」

紙に書いてあった

『集客』という文字を眺めていた。

その時、『ハッと』した。

集客は『客』を『集める』と
しっかり書いてある。

自分のお客様となる方を

しっかりと見極めて、集める。

たとえば、5000円の参加費の

イベントをやって、高いと

文句を言ってくる人は最初から

対象外だし、当然、

価値を感じてくれる方だけが対象となる。

また、特に交流を伴うイベントは

同じような属性、価値観など、

共通するものなどを意識する必要がある。

当たり前だが、その方が

参加者の満足度は上がる。

また、たくさん、人を集めるより、

その目的を明確にする方がはるかに重要だ。

仮に、商品を買って頂きたいと

思っているなら、100名集めて、

何の反応もないより、

ひとりに来てもらってひとりに

買って頂ければ

その方が成功と言える。

【目的と目標は明確に】

何が言いたいかと言うと

目的が人数になるとよろしくない。

という事だ。

人数は目標にはなるかもしれないが、

目的にするべきではない。

『100名集めました』

人をたくさん集めるのは

見た目には成功したように見えるだけで、

それは単なるパフォーマンスだ。

こちら側の目的達成と

来て頂く側に喜びを与えられなければ

全然、意味がない。

最初からやらない方がいい。

お互いにとって、無駄な時間に

なってしまう。

相手の命の次に大切な時間を

使って頂くわけなので、人を集める時は

とにかく、最低、以下のような事は

明確にしておきたい。

〇なぜ、集めるのか？

〇どのような方に来て頂きたいのか？

〇どうなって頂きたいのか？

〇どう行動して欲しいのか？

【価値と価値との交換】

こちらが提供する『価値』を

『価値がある』と感じる方が

お客様となる。

喜んでお金を払って頂ける方の事だ。

必要としなし、興味のない方に伝えたり、

集めたりするとそこで

大きな『ミスマッチ』が起こる。

どんな商売も世の中の

すべての人に満足してもらう事は

不可能だ。

安いものを求める方もいれば

高くても良いものを求める方もいる。

様々な『価値観』があるなかで

お互いの『価値観』ががっちり

はまった時にお互いの満足感は

マックスになる。

『価値』と『価値』との交換だ。

そこに上下関係もない。

言い代えれば、

『お互いが心から感謝しているという状態』

対象の方を集めるという事は

言葉を選ばずに言えば、

対象外の方は捨てるという事。

皆に好かれようとすると

結局、誰からも好かれない。

だからこそ、最初から

対象のお客様は明確にする。

対象外の人がいかに来ないように

するか考えるくらいがちょうどいい。

【さらに『クオリティ』が高まる】

対象を絞るというのは

ある意味、

『売り上げ』を上げるチャンスを
　逃しているようにも思える。

が、結果的には人が集まるようになる。

ユニクロで10万円の商品は

おそらく売れない。

ルイヴィトンで1000円のシャツが

売っていても誰も買わないだろうし、

バーゲンセールなんかされたらがっかりする。

どちらが良い悪いの話ではなく、

価値観の問題だ。

もちろん、価値観は値段の問題だけではない。

こちらが提供する『価値』

それに『価値』を感じてくれる人。

それを結びつける事が出来れば

こんなに幸せな瞬間はない。

そうなれば、仕事が楽しくてしょうがいない。

充実感の塊のような毎日を送る事になる。

もちろん、モチベーションが高くなるので
さらに『クオリティ』が高まる。

好循環、プラスのスパイラルが始まる。

『集客』とは『お客様』を集める事。

適切な『価値』と『価値』との交換。

これからも意識していきたいものです。