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AIでいい感じにしてくれ、に打ち克つためには?...とりあえず自分の場合は

エンジニア + データサイエンティストを生業にしてるマンですこんにちは。※アウトプットはこの辺とか参考になるかも

現職のJX通信社をふくめ、世間一般でデータサイエンスとかAIとか言われる仕事および個人研究(趣味でプログラミングの延長線で個人開発とも言う)をしているのですが、

???「AIでいい感じにしてくれ」
ワイ「お、おう(震え)」

というやりとりがまあまあ発生します。
頼ってくださってありがとうございます🙇‍♂️

仕事でどうしているかはここでは言えません・書きませんが(どうしても気になる人は直接聞いて欲しい)、

「AIでいい感じにしてくれ」って言われた時に相談に乗るプロセス(というか定石)が自分にあるのでそれを今回ちょっとだけ公開します。

対象読者は「AI・機械学習でプロジェクトをやるんだけど何からしたらいいかわからない」方、「AI人材・データサイエンティストを雇いたい採用担当者」といった所でしょうか。

Who am I?(自己紹介)

・中川伸一
・SNSなどはだいたいshinyorkeでやってます
「エンジニアリングと野球」がテーマのブログ書いてます(データサイエンスネタも多いです)
・エンジニアです、データサイエンス・機械学習もやります、アジャイル得意です
・データサイエンスなノリではエンジニアリング(Python使って色々やる)が大得意で、サイエンスな分野では野球(セイバーメトリクス)が専門です

その他細かい自己紹介はこちらを御覧ください&今回の記事で面白いとか相談したいとかありましたらTwitterとかFacebookにメッセいただけると喜びます👍

AIでいい感じにしてくれ - ビジネス編

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ここで言うビジネスはいわゆる「AIプロジェクト」的な仕事で、

・AIを使ったプロジェクトをやれって言われた
・ディープラーニング?機械学習??使うらしい
・RPA?DX??なにそれ美味いの🤔

というノリで相談に来るものです。

「中川そういえばPython使えるじゃん」「野球でやってたようなやつ仕事でもできる?」みたいな相談が多いです&来るたびに「ああ、僕のアウトプットって見られているんだーってお気持ちになります(嬉しい)

ただ、実はこれに答える内容ってだいたい決まっていまして、

・まずはHow(純粋にできる or できない, できる場合はどのぐらいの確度か)を言う
・次にHow muchを答える。「334万円かかります!」とか作るまでのコストというより、「作って出した後、PoC(概念実証)できるのか?投資した分の学び・回収がホントできるのか?」の考えを述べる
・↑のHow or How muchに相談者がついていけない時はエレベーターピッチ(にハマりそうな情報)をヒアリングして見解を答える

ようにしています。

Howでできない場合はそこで話が終わる or ピボットする様に促しますし、できそうな時はHow muchな話を中心にやったりします。

ちなみに相談する人はぜひエレベーターピッチのペライチを書くといいと思います、個人的にはこれぐらいの粒度で書いてます。

PyCon JP 2020でやった野球AIプロジェクトの例

野球選手やチームの将来を客観的な視点で見てみたい

データ・科学を元に野球を見たいファンおよび, データサイエンティスト向けの、Zobristというプロダクトは、

データサイエンスを元にした成績予測を行いそれを公開していく取り組みです。

これは一般的なWebサイトなどで手に入れられるMLB/NPB成績を元にした成績予測ができ

既存のサービスとは違って、

野球のドメイン知識に詳しくなくても楽しめるような考察と可視化が備わっています。

対象顧客とプロジェクトの内容、ビジネス視点での競合サービスとの優位性の考えを述べるといいかなと...ここまでは相談する方が最初に書くといいと思います(一緒に揉んでもらうといいでしょう)
※「エレベーターピッチ」を含めた言語化は「アジャイルサムライ」が詳しいです

ここまでやると、「実はスプレッドシートでクロス集計して終わっちゃうじゃん」「普通のプロダクト開発(Webアプリとか)でええやん」と上手くいけば自分で気がつくので最高です。

なお、この辺を真面目に学びながらやる方は、

仕事ではじめる機械学習」の第一章を抑えるだけでも最高にいいと思います👍

ちなみに、私が最も気をつけてるのは安易に「Pythonでできます」「AWSやGoogleのサービスでできます」的な具体的なHowには触れないことです。

「エンジニアを雇えばできる」「Pythonと数学できたらやれる」ほど単純じゃないのと、Pythonもクラウドサービスも数学も(プロジェクトを成功させる意味では)あくまでもHowに答えるための解でしかないからです。
(≒プロジェクトの方向性が決まってから考える・アドバイスすればいいものなので)

AIでいい感じにしてくれ - AI人材採用編

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これが一番多い相談かもです

・強いデータサイエンティストを雇いたいけどどこで求人出せばいいのか
・データサイエンティストやPython使える人が集まる場所を紹介して欲しい

気持ちはすごくよくわかります。

が、

「データサイエンティスト」が欲しいのか?それとも、
「データサイエンスをエンジニアリング or ビジネスにできる人」
が欲しいのか?

少なくとも自分のところに相談が来るケースは最終的に上記の問いに集約されるケースが多いです。

データサイエンティストのスキルマップ

ややエンジニア寄りの記事ですが、過去にこんなモノをまとめていまして。

データサイエンティストおよび機械学習エンジニアのスキルマップですが、私のまとめではこの様に言語化しています。

・アルゴリズム・数学を理解し, モデル・数式から実装に落とし込む「アプリ開発スキル」
・大量のデータを現実的なサービスレベルでさばくための「インフラスキル」
・「AIでいい感じにしてよ」というゆるい話から機械学習・データサイエンスプロジェクトを成功に導く「ビジネス・スキル」

まず、社内もしくはチームのマネージャーやリーダーが「AI・データサイエンスでできること」を把握している場合、

・要件をデータ設計・アルゴリズムに落とし込んでMVP作ってPoCやる目処がつくならPythonとかクラウドサービス使って開発できる「アプリエンジニア」を雇う or そういうベンダーに任せる
・大量のデータがあるけど整理されて無くて困っているのであれば「大量のデータをさばいてなんとかする」のに慣れている「インフラスキルをもったエンジニア」を雇う or そういうベンダー(以下同文)

というシンプルな方針でイケると思います。
※これはある意味幸せなケースですが(この域に到達する会社・チームは少ないと思います)。

大抵の場合、悩むところは

AIでいい感じにしてくれ、って言われたけどわからンゴ...

かなと。「上司にいきなり言われまして」とかだとそうですよね的な。

このケースの場合は

データサイエンティストを雇う前にデータサイエンスで何ができるかわかっているプロダクトオーナー or プロジェクトマネージャーができる人を雇う

が近道だと思っています。

これが分かる人がいない状態で優秀な機械学習エンジニアやデータサイエンティストがいても機能しない(ビジネスを翻訳する人がいないから効率よく仕事できない)、最悪のケースではそんな優秀な彼・彼女が辞めてしまうこともあります。

それって望んでない未来ですよね。

なのでそういう人を雇いましょう&そういう人は別にデータサイエンティストじゃなくても良かったります。

結び - やれるようになった方がいいこと

...ここまで好き勝手書きました。

考え方・アプローチは賛否両論あると思います&ご意見あったらください。

ただ一つ、これは声を大にして言いたい事としては、

「AIでいい感じにしてくれ」っていう仕事が決まったらまず自分がAIに詳しい人になろう

数学の分厚い本を読まなくても、オンラインプログラミング講座でPythonを学ばなくてもやれることあります

それが何かと言うと...この先は皆さんにおまかせします!

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