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SHEPのメンテナンスをしました

blogからの転記です。

2020年1月も後半になりました。今日は東京もかすかに雪が降っています。

SHEPのメンテ

さてまたご縁があってSHEPのメンテをさせていただきました。

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1073ぽいのですがどこにも1073と書かれていません。

機能も大まかには似ていますが、EQが1バンドLowMIDが追加されています。その代わりHPFがロータリースイッチからプッシュスイッチになってポジションが簡略化されています。
HPFは30Hz、100Hzのスイッチがあり両方押すと300Hzになります。HPFにうるさい私もこれなら大丈夫そうです(笑)

内容

さて、メンテ内容です。ご依頼はトグルスイッチのガリが出る、あとは全体的にということでした。
やった内容は

つまみの清掃、
スイッチなどの接点の洗浄
HPFのチェック、ツマミが逆になっており変更。1ch目(上のch)は配線間違いにより変更
EQアンプ部分のフィルムコンデンサがオリジナルと違う種類がついていたため変更
発熱部分周辺の電解コンデンサの劣化が確認されたため合計8個新品交換
2ch目(下のch)のトグルスイッチ不良のためフェイズ、EQスイッチの新品交換
f特測定

などなど、、

HPF

HPFに関してはツマミは30と100がついていますが、まさかの逆についていました、、、
f特を見ていて気づいたのですが30を押すと100Hz、100を押すと30Hzになります、、
とりあえずツマミを入れ替えて解消しましたが、1ch目はどちらを押しても100Hzになります。
2ch目と見比べると配線が違うようでどうやら間違えている印象。2ch目と同じに直して問題解決!これはいつからなのでしょう。出荷当時かな?

NEVEと言えどもSHEPはまだ新しい方なのかな?電解コンデンサはそんなに死んでる印象はありませんでしたが出力段のパワートランジスタの発熱部分付近のコンデンサは容量が減っていたため交換。

トグルスイッチは2ch目がガリが出ていたので日本製のものに交換。

f特測定

2ch目が80Hzくらいから6dB/octのフィルタが入っていたので部品の劣化かなと思って外しては測定を繰り返しましたがそのうち正常になってしまいました。おそらく半田の不良だったのだと思います。

f特は全ての条件で測りましたが一部をこちらに載せます。

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まずmic preのf特です。たしか600Rの負荷だったと思います(笑)
f特は下から20dB、、、上が55dBです。おおむね600R負荷で60kHzまで伸びているかと思います。

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次は足されたLow MIDのf特
ピーキングEQは基本的にハイの周波数をコイル(インダクタ)で、ローの周波数をコンデンサで決めますが、6ポジションのうちコイルが共通になっている部分があります。つまりコンデンサのみで中心周波数を変えています。

カーブの解説

カーブの山を見ればわかりますが、カーブの左部分の肩はポジションと同じく6本ありますが、右部分の肩は4本です。つまり2本が共通ということですね。
これはどういうことかというと、ポジションによってQが違うということです。それも見ればわかります。これは1073も一部そうです。これがNeve EQの特徴の1つかもしれません。

SSLはコイルを使わずにシミュレーテッドインダクタと言ってオペアンプでコイルの代わりをしています。全帯域でコンデンサの要素とコイルの要素を同時に動かしているので、周波数を動かしてもQが綺麗についていきます(笑)

最後に

半田付け好きな方はこの半田ごてを買いましょう。
こちらは温調なので昔は20W、40W、60Wと持っていましたが、これ一本で基板からケーブルまでなんでもいけます。「こて先」は適宜変えてください。


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