2020/5/14 泥縄の9月入学議論よりも

【2020/5/14 泥縄の9月入学議論よりも】

9月入学議論が2種類あるっぽい。

今年の1年生を9月に入学させるもの
来年の1年生を9月に入学させるもの

「9月入学」検討中、と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどちらですか。

最初、当然のように来年の9月入学だと思っていたけれど、どうもそう思うのは少数派らしく、多くは今年の9月入学を議論していたみたい。知事会が政府に検討要請したのも、文科相が発言したのも今年の9月の話。

何でそんなことになるの。

議論かまびすしくなって漸く、日本教育学会などが「今年の9月はいくら何でも拙速」と表明して、ほんのちょっとだけ安心した。

欧米と同じように9月にしよう、という議論はおかしくないと思う。そうなっても「別に構わない」と私も思う。

だけど、その議論をなぜこの火事場で泥縄的にしなくてはいけないのか、そこが全くわからない。
そういうのは落ち着いてからやればいいんじゃないんでしょうかね。

一般に、緊急の事態が起きているときに、一時凌ぎの対策を議論することと、将来的なことを議論することをクソミソにしてはいかんでしょ。あ、この言葉使っちゃいけないんだっけか(差別語?)。汚物と調味料混ぜてはいかんでしょう。

こういうのってディベートの基本だと思うのだけれど、どうしてそういう話になったかというと、そこは想像がつく。「今年の困ったこと」を「もともとの課題と同時解決」することがエレガントだと勘違いする人が多いということなのだと思います。実も蓋もない言い方になるかもしれないけれど、論理的思考力に難があるように思えてしまう…

なお、一応明言しておきますけど、9月入学の是非はここでは論じていません。

一石二鳥や「ついで」というものは、物事を却って複雑にすることが多いと思います。最近はちょっと9月入学の議論は下火になってきた気がするけど、大丈夫なのかな。(私がわかってないだけかも。)

いまコーヒーをこぼしたのを叱られるときに、もともとコーヒーは身体に悪い、とか言われても、って感じ(とか書くと別の反発を受ける?)。

それよりも、教育行政に携わる方は、そんなこと検討する暇があるなら、来年の大学入試の見通しを明らかにしてほしいと思います。OA入試の変更とか、願書提出期限を延ばすとか、そんなレベルの話じゃなくて。こっちのほうがよほど火事場なので。よろしく頼みますよ。


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