2020/06/23 テニス:ジョコビッチ杯の毀誉褒貶

【2020/06/23 テニス:ジョコビッチ杯の毀誉褒貶】

Novak Djokovicは男子テニスの第一人者で、高校のテニス部の落ちこぼれで、五十代後半でも「ちんたらテニス」を続けている私との序列は一億くらい空いている。そう、世界のテニス人口は1.1億人くらいらしいです。だいたい日本人の数くらいのプロアマテニスプレイヤーがいる。

さて、アドリア半島(といっても皆どこにあるかも知らないかも?)の小国セルビア(8国と国境接してます。4つわかれば博学!)の国家的英雄であるジョコビッチに関する毀誉褒貶が喧しい。

それは、彼が私的に打って出た興行である「アドリア・カップ」で、COVID-19の感染者が複数出てしまったからです。

大規模なスポーツイベントが感染を広げてしまうのかどうかについては、まだ「定説」はない。すなわち、やる・やらないについて、「絶対どう」ということは言えないだろう。
そして、最近ずっと議論されているように「何もかもやるな」ということについては、「言うは易し行うは難し」であって、超自粛を続けていると、本当に世界経済は死に絶えてしまうかもしれない。本当に難しいことだと思う。

世界経済もスポーツ界も沈滞ムードの中で、こういったイベントを世に問うということについては、僭越ながら、私も一定の評価をします。

しかしそれでも、いかにも「やり方が拙かった」と言わざるを得ないと思います。
まあ、私が言わなくても、すでに批判の嵐が始まってしまっています。

そうなると、ワクチン軽視の過去発言も、殊更に悪いように悪いように使われ始める。

英雄的行為と蛮行というのは常に表裏一体、紙一重です。
うまくやれば「よくやった」になるし、首尾悪ければ「とんでもないことをしてくれて」になる。
そこのところをよく考えるべき、という大いなる警鐘になったのではないかと私は思っています。まさしく、諮らずも、ですけれど。

別の他山の石としては、トランプ大統領候補の演説会強行も、感染者の増加を引き起こしているようでもある。

翻って。

日本はどういう神風か、今のところ海外の趨勢と較べて「2桁落ち」の感染の広がりの薄さを誇っていますが、このKAMIKAZEも、本当の正体はわからない。

BCGにせよ、下足を脱ぐ習慣にせよ、日本人の遺伝子型がどう、とかいうのも、どの風もはっきりと追い風だと判明したのではないのですよね。

先駆けて何かを「積極的にやる」ということはイイ(本当に)と思うのだけど、マズくやると、逆効果であることを改めて教訓として我々は悟ったと思います。

過去を振り返ると医学界でも、1968/08/08にサツイで行われた心臓移植の騒動で、数十年が「失われた」という痛い過去もありました。(和田、心臓移植で検索してください)

膾は吹かず、されど、拙速、愚行は慎みたいというのが私の結論です。こと本件に関しては、拙速は巧緻に勝らず。

よく考えること、肝要だと思います。ありきたりな〆だけど。

2020/06/23 Die革命グループ主宰・医師(クロアチア時間にも間に合わず、アルゼンチン時間でどうだ!) 奥 真也

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