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砂漠雑感#050 リヤド訪問

サウジアラビアの首都リヤド。まさにサウジの富を象徴するのがキングダムタワーである。ショッピングモールやフォーシーズンホテルの他、投資ファンド、金融機関等が入居するビジネスビルだ。
通称、栓抜きビル。確かに見ていると、冷えたビールが欲しくなるから不思議だ。尚、サウジでは、現在でも酒は一切飲めない。ドバイに宿泊し、サウジ出張は日帰りで、という日本人ビジネスマンも少なくない。最近のサウジの入国手続きは、1分以内で終了することが多く、ここは大きく変化したが、酒に関しては一切の妥協を許さないのがサウジアラビアである。

サウジの富を象徴するビル 

冒頭画像は、有名なマスマク城塞。
1902年1月、この城をサウジ家のアブドゥルアジズ(初代国王)6人の部下と共に奇襲し、宿敵ラシード家を倒す。
「ラマダン明けの日、夕べの祈りを終えた後、アブドゥルアジズは同志に試練の時期が過ぎたことを告げ、宿営地撤収の命令を下した。(中略)なつめやしの幹をかつぎ、アブドゥルアジズとジル―イと6人の部下は、夜の闇を利用して庭園からしのび出た。(中略)マスマクの砦はラシードの兵士たちに占領されていた。彼らは何ら特別な注意を払ってはいないので、攻撃を恐れているようには思えない。ネジドの首都でラシードを代表する総督は、その名をアジラーンと呼ぶ。彼は砦で夜を過ごすのを常としている。(中略)アブドゥルアジズは銃をとって彼を狙い撃った。弾丸は彼の右腕を貫き、彼の剣は手から落ちた。アブドゥルアジズは再び突進し、アジラーンが門にたどり着いたときにその足をつかんだ。(中略)ジル―イは、剣で何度も彼を突き刺した。アジラーンはしわがれた叫びをあげ、そして息絶えた。(中略)作戦が完了するや、アブドゥルアジズは伝令をモスクと城壁の上へ送り、今やアブドゥルアジズが城塞を奪取し、アジラーンが死んだことを告げさせた。この報道を知らされて、リヤドの全住民は武器を手にしてかけつけ、市内にある残りの城塞を奪い、ラシードの兵士を虐殺し、勝利者に対して歓呼の声をあげた。正午には、アブドゥルアジズはリヤドの町のあるじとなった」
~「砂漠の豹 イブンサウド サウジアラビア建国史」 ブノアメシャン 河野鶴代・牟田口義郎訳 筑摩書房 97P リヤドの奇襲

こうして、サウジアラビアが誕生することになる。

以下、キングダムタワー内の画像。

ショッピングモール
フォーシーズンズホテルが入っている
スカイラウンジ。今回はメンテで入場できず。
入口には高級車が並ぶ

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