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馬に会える本。(6)

    馬というと、サラブレッドのような背が高くてシュッとした馬を思い浮かべがちだが、中肉中背でどっしりとした印象の在来馬も、日本各地で人に守られ、自然のなかで暮らしているという。
    今でこそ、人と共に暮らす動物といえば、犬や猫が上位だが、戦国時代も江戸時代も、馬は人と共に暮らし、我々を助けてくれてきた。重いものを運んでくれたり、山道を背中に乗せて連れて行ってくれたり。なんでも機械化されてしまうごく最近まで、馬はたくさんの仕事を黙々とこなしてきた。
     この本には、青森県で暮らす寒立馬と宮崎県で暮らす御崎馬が、ひたすらに力強く生きている姿がある。それは、働くのではなく、自然の中でただ生活を送る馬の姿。
     小学校中学年くらいの子どもたちでもしっかりと内容をつかめるわかりやすさと、文章量。そして、生き生きとした馬たちの写真が、馬の暮らしを身近に感じさせてくれる。
    ちなみに、初めてnoteに「馬に会える本」について書いたとき、『エピタフ』という本を紹介させていただいた。北海道で暮らす在来馬について詳しく知りたい方には、こちらの本もお勧めしたい。が『エピタフ』は、かなりの文章量なので、大人向けの本だ。

『北の馬と南の馬』
      写真・文: 前川貴行
      発行: あかね書房



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