世の中、甘い

世の中、甘いですよ。


この言葉を最初に聞いたのは、僕が大学3年生の暮れの就活時、とある会社の説明会で社長さんが仰っていた言葉でした。結果的にこの会社でお世話になることはなかったのですが、この言葉だけは今でも忘れません。


「世の中、そんなに甘くないよ。」


耳にタコができるほど聞いてきました。


・・・「世の中は甘くない」これは本当でしょうか?・・・


勉強とは、こんな常識観を疑うこと、改めて疑問を抱くことから始まります。
みなさんも少し考えてみてください。


僕は、約10年社会人生活を給与所得のサラリーマンとして過ごしてきましたが、給与所得ゆえかも分かりませんが、今のところ「世の中、甘い。」という実感が強いです。

1ヶ月、それなりにきちんと仕事をしていると、どんな成果が出せたのかは実感できなくても銀行口座にお金が振り込まれ続けてきました。これ、すごく甘いですよねぇ。どうして10年間も継続的にお金が一定額以上振り込まれるのか、全く実感を伴いません。

また、僕の場合対面でお客様とお話しする機会がかなり多いのですが、その度に「いつもありがとうございます。」「あの時は本当に助かりました。」「感謝しています、今後もよろしくお願いします。」など、お金を頂いている身でありながらも感謝の言葉まで頂けてしまっています。さらに期の節目では菓子折まで頂戴してしまうことも多々あるのです。お金だけでなく、ありがとうと言われる、お菓子もいただく。こういう機会を経験するたびに「世の中、やっぱり甘いなぁ。」を実感するのです。


ここまでお話しすると、「それは、あなたがそういう価値提供をしてきたからなのよ。」と思った方もいらっしゃるかと思います。しかし、価値提供をすることこそ仕事ですし、その仕事の見返りはすでに会社への支払いという形でお客様がお金を支払っているのです。ですから、それ以上にお客様から何かをいただいているということについては、やはり「世の中は甘い。」と思わざるを得ないのです。


もちろん、僕の場合はただ恵まれているだけに過ぎないのかもしれません。世の中には、本当に甘くない仕事が多いのかもしれません。事業所得での仕事の経験がない僕にはその厳しさがわからないですし、不労所得者にとっての実感も持ち得ないです。


ただ一つ言えることは、「世の中は決して甘くない。」というのは立場により違うはずだということです。

これが一種の洗脳になってはいけないだろうなと思うのです。


自分の息子には、「世の中は決して甘くない。でも、見方によっては相当に甘い。」と一見矛盾するようなことを言い続けようと思っています。それが、世の中を真っ直ぐに見つめた僕なりの実感だからです。

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