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英会話は勉強ではなくアソビで習得できる【人狼ゲーム編】

英会話教室"語学堂"の塾長、小倉進太郎です。
先日公開した記事は非常に多くの方に読んでいただき非常に嬉しく思います。

前回は「英会話は勉強ではなくアソビで習得できる」というテーマで、マネジメント型からアソビ型の英語学習に変わった背景をご説明しました。

今回のテーマでは実際にアソビでどのように英語を習得するのか?ということを解説していきたいと思います。

「人狼ゲームをすると短期で英語がペラペラになる」

前回に引き続き、またまた怪しいタイトルです。
そんなことありえない!なんてことを言っているんだ!
と思われるでしょう。
しかし、これは冗談ではなくて、本当にペラペラになると断言できます。

アソビで英会話と聞くと、ただ笑って、飲んで、ゲームをして、そのうちいつか英語が話せるようになる。
そんなイメージがつくかもしれません。
アソビって簡単だ!というイメージもあるかもしれません。
これら2つとも間違っています。
真剣に遊んでもらおうとすると、大きなパワーが必要になります。なぜなら、アソビとは非日常である必要があるためです。

私は、ディズニーのエンターテイメントの追求を尊敬しています。それが故に、私が提供できるエンターテイメントのこだわり、そして、生徒さんの自主性アソビ感覚を非常に大事にしています。この2つの融合こそが科学反応を起こします。
アソビとエンターテイメントは違います。エンターテイメントは誰かが楽しませてくれるもの。アソビは、土壌がありながらも、自分自身でアソビ=楽しみを自主的に作る必要があるからです。
アソビを楽しんでいただくために、気づかれない工夫をいくつも施しています。
英会話人狼であれば、最低限の「スピーキング」「リスニング」という英会話力が必要になります。
これをクリアしていないと、そもそもアソビの土台に立つことができません。
どうしたらその土台に立てる英会話スキルを身につけるのか?また、それさえも、アソビ化して楽しませるのか?をお伝えしたいと思います。

▷人狼が英会話学習に適している理由

私自身、大学時代は留学生たちとキャンプをしたり、カードゲームをしたりして遊んでいましたが、スタッフから語学堂の代名詞である"アソビ"とは何ですか?と問われた時に、すごく悩みました。
当然ながら、アソビといっても多岐に渡り、アソビ教授法も複数パターン存在します。
何が1番良いのか?と言われると難しいものです。
そこで、自分の人生で活用できたアソビを色々と考えてみました。

アソビ=英語学習につなげる上で重要な要素は何だろうか?

このポイントで考えてみた時にいくつかの要素が挙げられます。

●コストパフォーマンスが良いアソビの方が継続できる
●人数が少なくてもできる方が良い
●とにかく楽しいと思えるもの
●会話という質と量を単純に担保できるもの
●アソビ前後でよりアソビをした人と仲良くなれるもの
●どこにいても自分がいればできること
●自分の教授法が自然と組み入れられているもの
●英語で考える力を得ることができるもの
●海外に行った時も英会話を話す環境を作れるもの
●日本でも海外の人と仲良くなれるもの
●ユーモアが必要になるもの
●お酒を飲みながら進められるもの
●今までの生徒さんの反応、自分の思い出を振り返り、やればやるほど楽しくなるもの


このように考えた時、一つのゴールに辿りつきました。
そうだ、「人狼ゲーム」だと。

決め手になったのは3点です。

▷自身の経験:「日中韓学生環境フォーラム(シンポジウム)滞在先での飲みながらのゲーム」

大学院の時に、環境法・スマートシティーの研究の関係で、日本、中国、韓国、アジア、欧米含めたスマートシティーという概念を研究していました。今思うと、全く関係ない仕事をしていますね。
点と点は面になる。繋がってきているのでしょうか…笑
さて、その時にご縁があり、「日中韓学生環境フォーラム(シンポジウム)」に参加させていただきました。
少し余談ですが、日本を除くアジアの方々は、環境というものを「ビジネス」「キャリア」として捉えていて、非常に刺激的だったのを覚えています。(英語も全員ネイティブ並みに堪能)
そんな優秀な皆さんと一緒にホテルに宿泊をしたのですが、ある晩、国際交流と称して「飲みながらゲームをしよう」と誰かが言い始めました。
その時のゲームの名前が「人狼ゲーム」です。
日中韓でこのようなゲームをやったら一触即発になってしまうのではと思いましたが、全然そのようなことにはならず、大盛りあがり・・・
参加者の国がバラバラ、ゲーム言語が英語になるだけで、このゲームはこんなにもエキサイティングになるのかと非常に驚きと楽しさを感じました。
ゲームをする前日は日中韓フォーラム初日ということもあり、かなりピリピリとしていた雰囲気があったのですが、この日はお酒を飲みながら夜通し嘘と騙し合いをしたことで、お互いの距離がぐっと近くなりましたね。
その甲斐あって、次の日からは非常に良い形で建設的な議論ができたのを覚えています。

▷教授の経験:生徒さんが平均して発言できる質と量が担保できて、学習効率も高く、とにかく楽しい!といつも言ってくれる

実際に生徒さんに人狼ゲームをやった時は、皆さん口を揃えてこのように言います。
「もう1時間が過ぎたの?早い!」「体感時間が非常に早い」

これは本当に素で出てくる感想です。
英語学習が嫌いな生徒さん方が声を揃えていう。
これには何かしらのヒントがあるに違いないと思いました。

単純に、ゲームで負けてしまうと待ち時間が増えます。
ゲームに負けた後の待ち時間は誰もが退屈で悔しいものです。勝つためには、人の意見を聞き続けないといけないので、勝ちたいという意思が餌になり、ムキになります。色々なことが自分ごと化されると人は動くものです。
人狼は多くても1時間で4回ほどしかできないゲームです。
1ゲーム15分間という短い時間のため、集中力も維持することができます。
また、4人〜という少人数でもできるので、グループレッスンとしては、この上ない価値を発揮してくれます。

人狼ゲームで取得できる英語学習のスキル概要をゲームルールとセットで説明します。

1)ゲームマスターがゲームについて説明をする ▷ 「個人の説明」「説明力」が必要
2)各々の役割の人が各々自分の意見や質問をする ▷ 「各々の意見」「質問力」「自己紹介力」が必要
3)上記の意見に対して、皆で議論が行われていく ▷ 「ユーモア力」「瞬発力」「表現力」が必要
4)最終的なゲームの判定が出た後に、皆で、なぜそのような議論になっているのかを総括する ▷ 「全ての力」が必要

個人のゲームの説明、各々の意見や質問、議論、総括でゲームの流れの理解を深める、という項目がゲームの中に含まれています。
さらにこの中に含まれていないのが「リスニング力」ですが、これも非常に伸ばすことができます。
リスニングの話があまりせずに、スピーキングが最前線に出ている理由は、またお伝えしたいと思います。スピーキング学習のみが絶対的神だと私は解いているわけではありません。スピーキングが全てのトリガーとなり、他の英会話、英語能力も上がっていくスイッチになることを経験からアプローチしています。

いかがでしょうか?
なぜ、人狼でペラペラになるのか、少しずつ見えてきましたか?
これらを一言で言うと、「会話の量と質が担保されている」ということになります。
さらに、英会話教授役がしっかりいれば、その質と量を割り振りながら一定にすることができるため、非常に良いトレーニングになります。
会話の仕方も同様です。ただ英語ができるだけではいけません。
このゲームの目的は「勝つ」ことです。本能を刺激します!!
人狼ゲームに勝つ!という目的のためには、表情やトーンのバリエーションが必要であり、時にはボディーランゲージも使いながら、自分の英会話を出していく必要があります。
前回お話をさせて頂いたことを覚えていますか?
「話せるようになる」ための英会話の時代は終わっているというお話です。
「話せる」から「遊べる」ようにする英会話の時代が訪れています。
それは、自分の学んだ英会話を各々の目的に合わせて活用して、自分のゴールを達成し、自分の人生の幸せを見つけていくことに他なりません。
サッカーで例えると、「パスを出す」や「ドリブルができる」ことが英語に置き換えると「話せる」ことになります。しかし、パスを出せるだけでは試合に勝つことはできません。磨いた技術をどのように活用してゴールを奪うか?これがサッカーにおいても英語においても必要なことなのです。

▷教育の経験:パリ政治学院の国連的な真面目な議論をアソビに振り切ると人狼ゲームになる

前回の記事で少し触れましが、パリ政治学院(元フランス大統領のジャック・シラク氏をはじめ,歴代の政界・財界の著名人,およびEUを牽引するトップエリート達の母校として名高いフランスのエリート養成機関「グランゼコール」の一つ)は、授業でこのようなことを行います。

1)トピックについてオープンディスカッションとなるプレゼンテーションをする
2)生徒がそのトピックと議題について質問と議論をし合う
3)その議論を通して、今日の議題について教授と一緒にラップアップをする

何かに似ていると思いませんか?
そうです、この形をアソビに振り切ると人狼ゲームに似ているんです。

人狼ゲームでは、

1)ゲームマスターがゲームについて説明をする ▷ 「個人の説明」「説明力」
2)各々の役割の人が各々自分の意見や質問をする ▷ 「各々の意見」「質問力」「自己紹介力」
3)上記の意見に対して、皆で議論が行われていく ▷ 「ユーモア力」「瞬発力」「表現力」
4)最終的なゲームの判定が出た後に、皆で、なぜそのような議論になっているのかを総括する ▷ 「全ての力」

そうです、人狼は会話が基軸のゲームであるということです。

パリ政治学院の時は、流行りトピック以上に、「誰が今、どんなことを考えているか?」ということに対して、どの授業も白熱していました。
これは、何が正しいか間違っているかではなく、議論をしていくこのプロセスが肥やしになっていると言えます。
人狼の場合も、勝ち負けは大事です。しかし、それ以上に自分の話したいことを目的のために、英語を使って成し遂げる。これが非常に重要なことであると考えます。

これら、自然とできる楽しい・情熱的な会話の量と質

これが生徒さんの英会話力をものすごく引き上げます。
ここで改めて、なぜこの人狼が一番のアソビなのかをまとめてみたいと思います。

●英会話が圧倒的に上達する
●会話が基軸のゲームなので、会話の質と量が担保されている
●コストが多くかからない
●とにかくのめり込んで、時間を忘れて楽しいと思える
●アソビ前後でより交流を深めることができる(人生の価値)
●どこでもできる。自分が発案すれば、日本国内外問わず進めることができる
●英会話で考えるというトレーニングができる
●英会話で話すだけでなく、リアルなリスニングも学ぶことができる
●英会話のうまさだけが重要ではなく、人柄、その他のユーモアなどの表現力も重要になる
●お酒の場でも進められる(以外に、環境づくりとしては重要)
●やればやるほど、その質と量が鍛えられていく
●自分の教授法が自然と組み入れられている

このようにまとめてみました。
人狼ゲームが英会話学習にとってもアソビという点にとっても非常に価値のあるゲームになるのがお分かりいただけましたか?
ホイジンガさんの跡を継ぐロジェ カイヨワ 著書「遊びと人間 (講談社学術文庫)」にもあるように、この人狼遊びは、アゴンに位置付けられます。遊びという定義からしても、その理由を導き出せることと考えます。

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※上記図は、ロジェ・カイヨワ著、多田道太郎、塚崎幹夫訳『遊びと人間』講談社学術文庫、1990年、81頁をもとに弊社作成

▷人狼ゲームの各会話のポイントと英会話上達について

「自分の教授法が自然と組み入れられているもの」について、人狼ゲームの各会話のポイントと英会話上達を踏まえて解説します。

Let’s get started!!!

さて、まず一番最初にするのは何でしょうか?

1)人狼ゲームの説明 ▷ 説明力
皆が理解できるように、ゲームマスターは、このゲームの勝ち方、進め方などを伝えていきます。
我々はこれを「説明力」と呼んでいます。楽しい人狼ゲームの説明をするだけでうまく英語を話せることができます。
魅力的に説明ができるほど、皆の興奮は高まっていきます。英会話でエレガントにいきたいですね。

説明の仕方として、
ー総論:人狼ゲームとは何か?
ー結論:どうやったら勝てるのか?
ープロセス:進め方はどうするのか?
ー役割:どのような役割がいて、何ができるのか?
の順番で説明をします。

2)ゲームスタート ▷ 質問タイム 「質問力」「自己紹介力」「瞬発力」
最初に、探り探りにあなたは市民ですか?などといった質問をしていきます。このゲームの肝は、「質問」と「回答」です。質問がしっかりできるかどうか、さらには皆質問があるので、考えたことをパッと話さないと時間制限で、質問できないままアウト!!!ということになってしまいます。
さらに、自分の役割が何か、ダミーの自分について紹介をします。これは自己紹介ですね。私は、市民です。無実です。など、今まで学んだ自己紹介を使って、自分のことを説明をしていきます。

3)議論スタートと終わり ▷ 「ユーモア力」「瞬発力」「表現力」
さて、ゲームでの質問がひと段落すると、誰かが議論を仕掛けてきます。私は、占い師で、彼は人狼だ。皆はどう考える? 議論のスタートですね。早い推理力と瞬発力で、質問を駆使して、ユーモアに嘘をついたり、色々な表現を使って、自分のポジションを確立しながら、勝つための戦略を進めていきます。そして勝者が決まり終了します。

4)総括 ▷ 英会話トレーニングの6要素
最後には議論を終えて、結果が出ます。
総括の時に、なぜそうなっていったのかを議論します。これは非常に面白いプロセスです。色々な角度から、あーそうだったのか!なんて言いながら、話が進みます。色々な話が入り混じるので、全てのスキルが必要になります。学習としては最高です。
※英会話トレーニングの6要素
「自己紹介力」「瞬発力」「質問力」「説明力」「表現力」「ユーモア力」

このような形でゲームは行われます。

▷なぜ超短期でできるのか?

最後にこちらについてお話をしておきます。

「短期で英会話ができる」と銘を打ちましたが、なぜそれが可能になるのか?を説明します。
本当は、本能的な部分など含めて簡易な言葉で表したくなかったのですが、ここでは一旦下記の言葉で簡潔に進めておきます。

1)楽しく時間を忘れて没頭できる:トレーニング量を最大化できる
2)語学学習の重要6要素を満たせる:トレーニングの質を最大化できる
3)アソビなので楽しめる:脳の状態も良く、モチベーションを高く最大効率で進められる

これら3つを英会話人狼の学習時間×個人ごとのレベル感にベストミックスさせるとインプットとアウトプットが非常に円滑になります。

また、学習経験上、2ヶ月や3ヶ月間継続して同じモチベーションを保つことは、管理(マネジメント)を本気で取り組んでも難しいということを感じています。筋トレのように変わっている感覚が目に見えて分かれば話は別かもしれません。語学の場合は、毎日ある特定のスキルの成長度合いを実感しながらも、ふとどこかのタイミングで全てのシナプスが繋がっていく傾向にあるためです。
最終的に色々な試行錯誤を繰り返しましたが、1WEEK(1週間)を軸にしたプログラムで、一気に進めてもらうことが、その後の「リアルな実践」の場を広げることに繋がり、普段の生活を英語漬けにしてもらう手法を取ることができると考えました。

▷人狼英会話は誰でもできるのか?

最後に問いに答えます。
この「人狼英会話」はどなたでもできるものでしょうか?
答えは明確です。このゲームを超初心者が行うことはできません。
理由は、「相手の言っていることが聞き取れない」「説明ができない」「何もわからない」ため、会話に入っていくことができず、ゲームをすることができないのです。
このような現実をゲームというアソビを通して、生徒さんにも理解をしてもらえるのはすごい大事なことです。
重要なことを聞くためにもっと英会話のリスニングをしないといけない!
もっとこう言ったらあの時負けなかったはずだ、表現を学べるようにしないといけない!
英語が下手で、不自然な回答になってしまった、そもそもの英会話の基礎力をあげないといけない!
そんなことを感じてもらいます。

そして、超初心者の方は、レベルが中級以上の人を見て、自分もこんな風に楽しく人狼ゲームがしたい!でも今は全くそのレベルじゃないから楽しみたい!とモチベーションが上がっていきます。
しかし、この「人狼英会話」。誰でも1週間あればそのレベルに到達できます。場数が大切です。リアルな人生の会話のシーンに似ていますね。そんなことを非現実な体験から得ることができます。

そして、上記のことを踏まえるとこのゲームをする上でTOEICのスコアは全くもって関係ないと言っても良いでしょう。
また、TOEFLもどちらかというと学術的な理解をゴールとしているので当てはまりません。するとどうでしょう?
日常的なアソビなだけにこのレベルを測ることが現時点ではなかなか難しいことです。故に、私たちは独自の基準を設けて進めることにしています。

英会話人狼をするために、どのレベルが必要なのか。
答えは、6要素が理解できていること。その6要素が、リスニング力まで波及していることが大事になります。
そのため、この人狼ゲームを楽しめるレベル=初中級レベルに昇格したといっても過言ではありません。

いかがでしたでしょうか?
次回は、実際にどうやって人狼を進めていくのか?どんな英会話(英語構文)がそこで使われているのか?
読むだけで実際に英語で人狼をできるように進めていきたいと思います。

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