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【結婚#2】パンダ忘れました

帰り道にて

 妻とよく、「次、どの町に住むか調査」をする。一緒に遊ぶ日の行き先は、次の引越し先の候補の町を選び、その町を散歩したり食事したりして、その雰囲気を感じ取って調査する。先日、逗子で妻の友人たちと食事をした際、逗子も居住地の候補に入っていたので調査をして、ついでに金沢文庫や鶴見なども見て回った。
 自分は今、単身赴任をしているので、駅で別れて1人帰路に着いている時、ふと「忘れ物した気がする」と感じた。携帯とか財布とかそんな小さい類ではなく、鞄とかそのくらいのサイズの、確実に温度を持っているもの。その忘れ物の答えは、1日中自分の左にいて、腕を組んで歩いていた妻の存在だった。あるべきはずのものがない。そんな感覚だった。

長続きする理由

 「男性側が女性側にベタ惚れで、女性が自由に振る舞える関係」。カップルが長続きする理由の一つの答えだと思う。もちろんこれ以外のパターンで長続きするカップルもいるだろうけど、「男がベタ惚れ」パターンでうまくいってない2人を見たことがないし、我が家は完全にこのパターンに当てはまる。
 友人知人で関係が長続きし、早くして結婚してる人たちも漏れなくこのパターンだし、イメージは庄司さん&ミキティーさん夫妻の感じがドンピシャな印象。もはやこれ自体は宇宙の真理で、疑いようもないのだけれど、なんでこんなにもベタ惚れなのかはちゃんと考えておきたいと思う。

顔が好き

 まず完全に顔が好き。出会った時は高校1年生で、一つ横のクラスに妻はいた。私服で通っていい高校なのに制服を着ていて、茶髪のロングヘアー。廊下で初めて見かけた時は、破道の四「白雷」(漫画『BLEACH』より)が炸裂したのかと思うほどに、あの一点だけ逆光になっていた気がする。完全に彼女は井上織姫で、自分はどれだけよく見積もっても浅野(これも『BLEACH』)、そんな関係性だった。当時の自分は、ドラマ『月の恋人』に出ていた林志玲(リンチーリン)がタイプで、浅田真央かキムヨナ(韓国の選手)かで言えば、どちらかといえばキムヨナ派だった。だから妻のお父さんが台湾の方と知った時は運命的だと思った。
 顔がタイプだとなんでも許せてしまう。何か頭に来ることがあっても顔を見ると可愛いので怒れない。結婚式の帰り、自分はお酒を飲んだので、妻が当時の僕の愛車である「86」を運転して帰ったのだが、荷物を出す時に車に少し擦ってしまった。あいにく研磨すれば落ちる程度の浅い傷だったのだが、その日の妻は人生で1番キレイな姿であり、どれだけ車を愛している自分でも怒ることなんてできなかった。結局研磨とコーティングの料金は妻と割り勘することにした。僕の車への愛情を知っている人からすれば、これはめちゃくちゃ許してる方だと理解してくれると思う。知らない人が僕の愛車に傷をつけたのなら、ギリギリ犯罪にならない程度の方法で、計り知れない苦しみを三日三晩与え続けると思う。

性格が好き

 顔だけでなく性格もすごいと思う。すごい、というのは自分と違いすぎてすごい、という意味の「すごい」。高校3年生のとき同じクラスにならなければ、絶対にこの世では交わらなかったと断言できるほどに、考え方も生き方も違う。でもそれだけ違うからこそ、一緒にいた時に心地いい。
 別の記事で妻を太陽、自分をハレー彗星に例えたけれど、本当にそんな感じだと思う。たまに、ほんのごくたまに接近する時があり、それは「F1」。唯一の共通の趣味がF1という恐ろしい夫婦ではあるが、重力で惹かれあってはいるものの、遠くにいるからこそ、お互いにいろんな世界を見聞きして、それを共有することができる。妻を経由して知った人や音楽や映画が自分にもハマった時の喜びは計り知れない。好きな人の好きなことを一緒に語れる幸せに勝るものはそうそうない。

DNAが好き

 妻がたまに自分の赴任先に泊まりに来ることがあるが、基本的に何も持ってこない。何も持ってこないので、寝巻きやシャツを貸すのだけれど、妻が帰った後にそのまま自分が着たりしてる。妻が使った枕とかも余裕で洗いたくなく、自分の枕の横に置いて残り香を楽しんでいる。
 逆のことも言えて、妻はよく「いつもの匂いがしない」と言ってくる。この匂いの正体はよくわからず、1日経って風呂に入る前の、首筋あたりの決して心地いいとは思えない匂いだと思うのだけれど、それが好きらしい。
 一例として匂いを出したけれど、こんなことの積み重ねで、遺伝子レベルで何か合ってるんだろうなと思うに至ったりもする。

申し訳ない

 今回は深いテーマもオチもなく、ただの惚気だけの記事です。コメントで妻の記事書いてくれというリクエストもあり、ちょうど逗子に行った記憶が鮮明だったのでまとめました。本当にすみません。
 ただ綺麗事だけではなく、ケンカ(俺が悪いことした)もするし、一度本当にもうこれはヤバいんじゃないかみたいな状態になった時もあったけれど、お互いに学んで成長して、いい関係を作り育ててきた実感がある。
 最近の妻はレッサーパンダに近い。インスタで「Red Panda」で検索して出てくるレッサーパンダの姿が、妻の寝起きであり、食事中であり、日常の動きであると言ってほぼ間違いない。こんな愛くるしい存在、好きにならないわけがないし、僕が逗子に忘れてきたのもレッサーパンダだったのかもしれない。逗子にお住まいの方、もし野良レッサーパンダを見つけましたら我が家のですので、ご連絡お待ちしております。そのレッサーの好きな食べ物は銀杏です。

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