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【メンタルヘルス】ネガティブな自分を否定しなくていいという話

 カウンセリングに来る方は、色々な悩みを持ってきている。
カウンセリングに来る目的の抽象度を上げると

幸福になりたい

となる。これに例外はない。

では、そもそも幸福とは何なのか?この設定ができていないと、僕らはどこに向かえばいいかが分からない。

幸福とは

①と②どちらが現実的だろうか?


①喜びや嬉しさ、楽しさといった感情が永続的に続いてネガティブに全くならない。人生でネガティブな出来事が起こらない。

②困難やネガティブなことはあるが、その中でも迷い、葛藤がありながらも自分の価値観に沿った意志決定を行い、自分軸で人生を豊かに生きていく選択が出来る状態。

参考に、こんなデータも提示しよう。

  • 9.2%の人が休職します。

  • 15人に1人がうつ病になります。

  • 35%が離婚します。

  • 男性の2人に1人ががんになります。

  • 女性の3人に1人ががんになります。

  • 80%の人が腰痛を経験します。

人生は他にも色々とある。
もう一度尋ねる。

①ネガティブなことを一切感じないようにする、そうでなければならないと思う。ネガティブな出来事が一切起こってはいけないというマインドセット。

②人生にネガティブなことがあることを認め、それに対処できるようになる

どちらが現実的だろうか? あなたはどちらの人生を目指すか?

僕は、心理療法で②をやっている。
理由は、「ネガティブになってはいけない」といった観念そのものが緊張と不安を生み、ネガティブを生むからだ。
一見厳しく見える②の方が実は楽なのだ。

また、①だとネガティブな出来事があると「不幸」と定義される。
そして、②のことを「心理的柔軟性」という。
僕のカウンセリングの目的は、「心理的柔軟性」の獲得にある。
幸せはその結果にあくまで付随的についてくるといったスタンスだ。

このスタンスを取ると、ネガティブな状況にありながらも「前よりもいい人生になってきた」という人が出てくる。

逆に、ネガティブになっても「対処できる」と思えれば、「ネガティブになってはいけない」と緊張する必要もなければ不安になる必要もない。

ネガティブになりながらも「まー、しゃーない、対処するか・・」となる。
僕が心理療法でやることは2つある。
「まーしゃない」と思えるように支援していくことと、「対処するか・・」と行動していけるようになることである。
この考え方(認知)と行動にアプローチする心理療法のことを「認知行動療法」という。

今ネガティブな状態の人に伝えたいことは、ネガティブな状態は変なことでも異常なことでもないということだ。

いつもポジティブな周りのあの人も、実はそんなことはない。

だから、ネガティブな自分を否定する必要はないのだ。
だって、それはノーマルなことだから。

僕は、日々の臨床で第3世代の認知行動療法「アクセプタンス&コミットメントセラピー(Acceptance and Commitment Therapy)」という心理療法で「心理的柔軟性」を目指している。



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