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不眠症 中医学会で勉強してきました 2

前回 不眠症について勉強したことを書きましたが今回は中医学的な考え方を紹介したいと思います。
興味のある方はこちらも見てください

中医学的な不眠症の考察

実証 
顔色が赤い・声が大きい・便秘・怒りやすい・興奮しやすい・活発な人など
気などが充満・溜まりすぎている状態や高進してしまっている状態で強いストレスや栄養過多の食生活で心に火邪や湿邪が発生して興奮状態におちいり不眠症になる。疲労感や倦怠感が伴わない

虚証
顔が青白い・呼吸や声が弱い・下痢をしやすい・消極的な性格で静かな人
気などが少なくなり足りなくなってしまった状態で身体の機能が低下している状態で体液や血液が不足して心に対する栄養が不足して興奮状態におちいり不眠となる。疲労感や不安感が強く疲労が強くなると症状も悪化する

実証による不眠

肝気鬱血
肝の疏泄作用の失調により気の流れが滞っている状態で気が詰まってしまい巡らなくなったもので精神的なストレスが溜まってしまっている状態
症状-頭痛・めまい・のどのつっかえ・イライラなど怒りっぽくなる・胸のはり・下痢などの胃腸疾患・月経不順など
施術-気の巡りを調整することを目的として穴は肝兪・期門・行間・陽陵泉・足三里などを使い瀉法を用いる 灸は使わない
漢方-柴胡疏肝湯(さいこそかんとう)気の巡りをよくし肝気の上昇を防ぐ、血行を良くし気を整え気滞を改善する
加味逍遙散(かみしょうようさん)月経不順やめまい・頭痛などの気滞・血虚がある時に用いる

肝火上炎
肝気鬱結の長期化や重症化したもので滞った気が熱に変化し燃え上がった状態で気が強くなりすぎた所にストレスが加わったもの
症状-肝気鬱結の症状に目の充血や顔面紅潮・便秘や褐色尿・舌が紅く舌苔が黄色くなる
施術-強くなりすぎた肝火を下げる。穴は肝兪・太衝・中封・陽輔など瀉法を使い灸は使わない
漢方-竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)褐色尿に用いられる
大柴胡湯(ダイサイコトウ)体力があり便秘や胸肋の苦しい症状に用いる

痰熱
ストレスなどにより体内に流れる水が停滞して胃腸の不調を起こし熱をもち気血を滞らした状態
症状-胸やけ・胃のつかえ・食欲不振
施術-体内の水の流れを改善させる。穴は中カン・豊隆・天枢など
漢方-温胆湯 (うんたんとう)痰熱を除き消化器の症状を改善

虚証による不眠

心脾両虚
ストレスにより気血を生成する脾と血を巡らせる心が弱くなった状態で胃腸がよわく性格がくよくよする人に起こる。
症状-健忘・不安・眠りが浅い・消化不良・倦怠感など
施術-心脾の機能を増進させる。穴は脾兪・心兪・神門・三陰交などを補法を使い灸を併用
漢方-帰脾湯(キヒトウ)気血が不足したときに用いり脾が低下ものを改善させる

心腎不交
疲労・ストレス・老化などの原因により腎が虚し心の火にを抑えられないまたは心の火で腎の水が少なくなってしまった状態
症状-寝汗・口の渇き・腰下肢のだるさ・手足のほてりなど
施術-心の火を調整し腎を補う。穴は心兪・腎兪・神門・太衝など
漢方-六味丸(ろくみがん)体力の低下・手足のほてりを改善させる
天王補心丹(てんのうほしんたん)虚弱体質の人の不眠・不安など

肝心血虚
肝の血が消耗し不足している状態
症状-めまい・動悸・のぼせなど
施術-肝と心の調整 穴は肝兪・心兪・太衝・神門など
漢方-酸棗仁湯(サンソウニントウ)心身の疲労・低下を改善

中医学的な病症の肝気鬱血や心腎不交など難しい言葉が出てきましたが、本当に難しいのは不眠の方に問診をして脈や舌などを診て診断をすることです。

鍼灸施術は血液の流れを回復させる・自律神経のバランスを整える・リラックス効果が期待できます。もし不眠に悩んでいる方がいましたら鍼灸施術を受けてみるのもいいかもしれません。

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