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腰椎分離・すべり症

腰痛で整形で診てもらったすべり症だと診断されたといわれる方がいます。今回腰椎分離・すべり症とはどのようなものなのかを書いていきます

腰椎分離・すべり症とはなんぞや

腰椎の後方の関節突起部(椎弓根部)が離開(骨折)した状態をいいます。
腰椎は関節突起の上関節突起と下関節突起により繋がっています。分離症は下関節突起部が分離して上部の椎体と離れてしまいます。上・下関節突起により椎体は前後にずれないようにつながっていますが分離により椎体が前後にずれてしまったものをすべり症といいます。
特に中・高校生の成長期スポーツ選手に多く発症し腰の屈伸・回旋運動により腰椎に過労がたまり疲労骨折を起こしてしまいます。分離症を起こすと腰痛や腰下肢のシビレ・痛みを引き起こしますが症状がでない方もいます。
成長期のスポーツ選手の腰痛の30~40パーセントに起こるとも言われています。一般の方でも腰痛の約7%に起こると言われています。

成長期の子供は筋力が少なく腰部の負担に筋肉が耐えられずに腰椎に過度の負担がかかりやすく、骨がまだ柔らかいために腰椎への過度の負担により骨折を起こしてしまいます。

分離症の病期

分離症には発症してから初期・進行期・終末期に分かれます。それぞれが何週間・何か月間なのかははっきりとわかりませんが、
初期は疲労骨折により分離した時期
進行期は分離した骨折部が骨融合をしようとしている時期
終末期は分離した骨折部の骨癒合が終わってしまった(骨折部は繋がっていない)時期
で判断するそうです

症状

痛みが腰部・臀部・大腿外側部に出ることが多いです。とくに腰を反らす(後屈)と痛みが強くなります。なかには炎症によりヘルニアのような神経症状がでることもあるそうです。成長期の選手で2週間以上腰部の痛みが続くようでしたら分離症を疑う必要があるようです。先ほど書きましたが成長期のスポーツ選手の腰痛の30~40%に分離症があると言われているからです。

治療

まず1番大切なのが早く分離症を発見することです分離症は初期では90%が骨癒合し進行期では60%の骨癒合、終末期は0%の骨癒合になります。そのため早期発見しスポーツの中止や練習量の軽減をする必要があります。
骨癒合するのに初期で約3か月・進行期で約6か月ほどかかると言われています。分離症を起こしてしまったら早期発見し治療すること、予防としては身体の柔軟性とくにハムストリングの柔軟性を確保することが重要だと言われています。身体が硬くなるとその分、腰部の負担が高くなるために柔軟性を確保する必要があります。
成長期の選手は1-2週間ほどの練習の中止や軽減で腰痛がおさまることが多く腰痛がある時は練習を休む・軽減させることや治療院で普段から身体のケアをするのもいいと思います。

腰椎分離・すべり症は選手だけの問題ではないです!
僕が一番問題だと思っているのは指導者にあると思っています。
過度の練習で休みがなく選手が疲労しきっていることを無視していることです。
練習を休む事は悪いことだと思い休みがなく1日の練習時間が長く練習メニューをハードにしたがる指導者が多いです。選手の体調管理は気にせずに故障したら選手が悪いと思ってる方もいます。
僕は選手が故障したときは指導者が悪いと思っています!選手の体調管理しメニューを調整するのも指導者の役割です。
故障しない選手が強くなれるような日本の指導の仕方を変えないといけないと思っています。

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