ロシア人はビール瓶のふたを目であける

きょうは、ロシア人だいすきの、巨大揚げ餃子のような「チェブレーキ」をつくりました。

ほぼ、はじめてくらいの勢いでつくったわりにはうまくできた。
ま、似たようなピロシキ、ベリャシを作り慣れてるしね。

思い出せば、夫とのなれそめにはチェブレーキが深くかかわっておる。

アホな前夫との子どもを抱えて逃げ出して
1年間は地方の実家に子どもを預かってもらって大学に復学
「もう無理」と言われて引き取り
子どもを抱えながら引き続き大学に通ってようやく卒業したものの

時代は「氷河期」、ハンデないひとでさえ苦労するのに
既に25歳、休学留年子連れのハンデありまくりで
ひどい面接やらブラック企業での研修やらくやしい思いを経験したのちに
戦争で夫をなくした母が一人で苦労して育ててくれたという経験から
「母子家庭は、大事にせなあかん」
と言って拾ってくれた会長の会社でであったロシア人二人。

もともとは、もうひとりのニコライのほうがわたしを落とすのにノリノリで
奥さんたちが夏休みに実家にかえってるスキに
二人でわたしの家に遊びにきたり、夜の川に飛び込みにいったり
彼の家で「チェブレーキ」を作ってくれたり。
当時は男性が料理をするなんて新鮮だった。

生地を作って、伸ばして、ひき肉を包んで巨大餃子のようなそれをフライパンで焼く。
「ロシア人は、素手でひっくり返しマース」
とか言って、ニコライはほんとに素手で熱いはずの巨大餃子をひっくり返す。
一瞬だから、大丈夫なのかもしんないけど。

いっぽう、横でセルゲイがビール瓶を目に当てて頑張っている。
ニコライが
「ロシア人は、ビール瓶を目であけマース」
プシュシュシュ~、プシュシュシュ~とふたはもうすこしで開きそうなのだけれど
「きょうは、調子が悪いや」
と最終的にセルゲイは栓抜きでふたを開けていました。
は~、ロシア人は眼窩も深いしそんなのが可能なのねー、と感心しました。

さてなんだかんだでセルゲイと一緒になって6年。

ひとり湯舟にのんびり浸かっていましたら
前夫との連れ子がバタバタと駆け込んできて
「みて!パパに教えてもらった!」
と言って、目でビール瓶のふたをあけようとします。

プシュー、プシュー!

慌てて

「あんたはアジア人なんだし、骨が壊れる!やめときなさい!!」

と言ったら

「目に当ててるだけやで。プシューって、口で言ってんねんで。パパに教えてもらった」

・・・6年間、だまされてた。

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