ろくでなしはおもしろい

コロナの飲食店自粛解除後も2か月ほど、飲みにはでかけてなかったのですが、8月にはいってからぽちぽち、行くようになりました。

京都木屋町に「Jazz in ろくでなし」というお店があります。
もう20年ちかく、そこの常連やってて
マスターの横ちゃんこと横田さんには親しくしてもらい、
京都の老舗ライブハウス磔磔でのろくでなしの30周年記念イベントではダンサーとして出演、ほかにも横ちゃんドラム&マネジャー、わたしダンサーでイベントに顔出してた時期もありました。

いつでも自由でわたしの生き方見本にしている御年74歳の横ちゃんは故若松孝二監督の助監督をやってたことがあり、若松監督が存命のころは行き来もあり、ほかの監督や俳優さんたちとも交流があり、横ちゃん自身も映画に顔だしたり、裏で支えたり。

2週間前にろくでなしに行ってみると、翌日京都みなみ会館で
いまおかしんじ監督の「れいこいるか」が上映され、舞台挨拶もあるとのことなので、ひさしぶりに劇場映画を観にでかけました。

昨日は、バイト君がカウンターにはいっていて
横ちゃんは若い女の子と飲んでいました。
「こっちにおいで」
と言ってもらい、横ちゃんが女の子に
「この店はね~、僕とか彼女みたいな、ろくでなしが集まるんだよ」
と説明している。その通り。
自分を「ろくでなし」と認めてしまうと、とたんにいろんなことが自由になる。

女の子はデンマークに留学後、コロナでビザ取得が難しくなり帰国、
その後徳島、京丹後に移住した友人を訪ね歩く旅をして
きょう実家のある東京に帰るところ…という、おもしろい女の子でした。
「水のきれいなところで、これまで川に入るなんてことなかったのに、川にはいって遊んで楽しかったです!野菜もとてもおいしかった!」
いいな~。

そんな話をしながら、女の子の東京行きバス時間を待っていると
しっかりした体躯の堂々としたオーラを放つ、かりゆしに身を包んだ白髪で迫力のある男性がきれいな女性を連れてやってきて、もしかして、と思っていたらやはり足立正生監督でした。

横ちゃんは連絡を受けて待ち受けてたらしく、わたしもちいさな宴会にまぜてもらいました。
監督は覚えてないけれど、数年前にもろくでなしでお会いしたことがあって
パレスチナにいたこと、パレスチナ人との間に女の子がいることもきいてました。
80歳を過ぎてなお、力強いオーラを放っていてかっこいいな~と思いました。

ネットの世界では、IQ高いんだろな、賢いんだろなというひとをよく見かけますが、ろくでなしでみかけるひとびとは実体験を積んで力強いひとが多く、とても惹きつけられます。

「体験してから語るべし」が基本姿勢のわたしで、まあそれなりの経験していると自負しているけれども、40年くらいやくざやっていた元彼や、パレスチナ解放ゲリラに参加していたこの足立監督などに比べるとなんてひよっこだろうと感じ、身を張った経験をしてきた彼らから醸し出される力強い雰囲気にとても憧れます。

その後、ひとりでふらふらと近くの「キャロルキング」へ。
元ろくでなしのバイトくんが始めた小さな飲み屋で、ここは開いて8年になるとか。
ここも、けっこうおもしろいひとが集まるのですが
きのうは友川カズキのドキュメンタリー映画「どこへ出しても恥かしい人」

の監督が来られていて、なんとこの人も元ろくでなしバイトだとか!

友川カズキは朝日新聞の人物紹介みたいな連載でここんとこ取り上げられていて、ちょうどこのドキュメンタリーも紹介されていたので興味を持っていたところに、なんという縁!

ろくでなし周辺は、いつでもおもしろい。

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