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最悪だと思った今日が、1年後にはあの時は良かったと嘆く。 今出来る事に感謝。

介護をする上で何よりも今先にお伝えしておきたいことを優先的に書いておこうと思います。
なぜならこうしてる間にも時間は過ぎていくからです。

今日も一日、介護お疲れ様でした。
疲れましたよね。わかります。
心休まる時間、少なくてやんなっちゃいますよね。
一度でも笑いましたか?顔こわばってませんか?

鏡に向かってでもいいので、自分に笑いかけてあげましょう。
嘘でもいいので、今日も楽しかったと言いましょう。
なぜなら今日という日が絶対に恋しくなるからです。

今日、何言ってるかわけわかんなかった。
今日、全然いうことを聞いてくれなかった。
今日、幻聴と幻覚がひどかった。
今日、徘徊されて探し回った。
今日、ご飯を食べてくれなかった。
今日、何度もご飯くれって言われた。
今日、物を取ったと犯人扱いされた。
今日、奇声を発せられた。
今日、お漏らしされた。
今日、暴力を振るわれた。

イライラした?
悲しくなった?
今日、最悪って思いました?

でも最悪だと思っていた今日という日が、来年には恋しくなる。

あの時はよかったな、って絶対言っている。
あの時は楽だったな、って思ってる。
あの時はまだあれ出来たな、これ話せてたな、って思い返している。


極端な話を言えば、今日出来ていた事がいきなり明日から出来なくなったりする。
昨日出来てたのに今日いきなり出来なくなってたり。
認知症の辛いところは、また出来るようになると期待出来ない事。

わけわかんないけど、声を出せているという事。
話せなくなった日に、声を聞きたいと心から願うんです。
前みたいに昔の自慢話してよ、って思うんです。

名前を呼んでくれてるのがどんなに幸せか。
名前を忘れられた日に、名前呼んでよ、ってこっちが泣く日が来る。
敬語やめてよ、私だよ、俺だよ、って寂しくなる。

「お母さん」って呼んだらこっち向いてくれる、自分自身を認識出来ているという事。

目の焦点が合わなくなった日に、目が合う幸せに気づく。
『目』って大切で。
“あ、今日お母さんだ。““あ、今日はお母さんじゃない“ って目でわかるんですよね。

徘徊してしまってるかもしれないけど、歩けているという事。
一度歩く事も立ち上がる事も出来なくなってしまったら、一緒に歩けていた頃を思い出して心がぎゅっとなる。

今、まだ歩けている、足に力が入るのであれば、
ゆっくり、ゆっくり一緒に歩きましょう。
2〜3センチずつしか足は出せません。
びっくりするほど小幅です。
でもそれはバランスが取りにくくなって転びそうになるから怖いんです。
手をとってあげましょう。支えてあげましょう。
急かさず、引っ張らずにゆっくり歩幅を合わせましょう。
こまめに休憩しながら動きましょう。

動かなくなると、すぐ動けなくなります。
動けなくなると、急速に悪化します。

今日出来ている事は突然出来なくなる日が来ます。
そして一度出来なくなると、二度と出来なくなるかもしれない事を忘れずに。

今、声は出せていますか?
今、食事は例えどんなに遅くても出来ていますか?
今、あなたの事がわかりますか?

あなたが介護しているその方は、今日が1番調子良いです。

今出来ている事が明日出来ると思わないでください。
出来ない事を責めないで下さい。
出来ている事に焦点を合わせて褒めてあげてください。
今日という日に感謝してください。

その積み重ねが、介護がいつか終わる日の介護者・自分自身の気持ちを変えます。
終わる日=別れ、ですからね。

もっとああすればよかったと嘆くか、大変だったけど色々やってあげられたな、と思うか。
そして『病気になってからも色々一緒に出来た』と思えるか。
キーになるのは『一緒に』出来たがどう
かです。

そのあとの日々にものすんごく関わってきます。
永遠の別れと対面した時の辛さと重さ、その先の生活が本当に違ってくると思います。
後悔を引きずるのか、前向きに生きていこうとなれるのか。

だから忘れないでほしいんです。

どんなに最悪と思った今日も、あの時は良かったと思う日が来るという事を。
今日という日が二度と来てくれないという事を。

今日も読んでくださりありがとうございました。
笑って介護していきましょう。

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