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教科書では決して語られていない!!「変形性膝関節症保存の治療方法」

どうも。薬師寺です。

今日は、ゲストライターによるコラムの執筆。


本日10月9日のゲストライターは…

「関節痛を本気で治す」をモットーに活動されている佐藤有さん。


日頃から変形性膝関節症の理学療法を試行錯誤して、徐々に結果が出せるセラピストなってきた過程も実体験を踏まえて紹介してくれています。


では本題へ👇👇


ライタープロフィール動画↓↓


こんばんは、広島県で理学療法士として活動している『佐藤有』です。

図15


今回、Physio365で執筆をさせて頂くことになりました。

私の事を知らない方も多いと思いますので...
最初に私の簡単なプロフィールを紹介させて下さい。

図16

過去に自身の体で様々な関節痛を患った過去があります。

その経験から、
関節痛で悩む人の力になりたいと理学療法士を志ました。


現在は病院勤務の傍、SNSを通して関節痛を本気で治すための臨床知識を発信しています。

図1

プロフィール紹介はこれくらいにしておきまして…。


本日のテーマは、
『教科書では決して語られていない!! 変形性膝関節症保存の治療方法』です。

図2

Physio365は学生からセラピスト、インストラクターと幅広い方々から購読されているみたいですね!


皆さんの中に変形性膝関節症という疾患を知らない、

または出会ったことがないという方はおそらくいないと思います(笑)


それくらい現代は、膝の痛みで悩んでいる方々が多いです。

そして、寿命の延長とともにこれからも増え続ける可能性があります。


私の勤務している病院の6割以上は膝の痛みで来院されている方がほとんどです。



毎日、膝痛の方の治療をしている中で、

教科書には載っていない様々なポイントを発見しました。


ということで!

そのポイントについて、Physio365を購読されている方だけ特別に共有させて頂きます。

このような方々にオススメの記事となっています。

・変形性膝関節症の基礎を知りたい。
・教科書通りに治療しても治らない。
・保存的に膝痛を治せるようになりたい。

この記事を最後まで読んでいただいて、

明日からの臨床や学習に生かして頂ければ幸いです。


では、本題へ↓↓


★Physio365購読者様限定 プレゼント動画★


<本日の内容> 
    
・過去の私の失敗談
・結果を出している治療家のマインドセット
・膝関節治療における考え方
・まとめ


★過去の私の体験談

図3

最初に私の体験談についてのお話をしていきます。

上記でも言いましたが、私の勤務している病院は膝関節疾患がほとんどです。

“毎日のように膝痛の方が病院に駆け込んで来ます”


過去の私は教科書で変形性膝関節症の基礎を学び、教科書的な治療介入を行っていました。


そして、治療後に『痛みはどうですか?』と自信なさげに聞くと・・・。

『痛い』

『何も変わらん』

『やっぱりここもダメか』


という言葉ばかりが返ってきました。


私自身、メンタルには自身があるほうですが…

毎日のようにこの返答を聞いているうちに、いつしか


『痛みはどうですか?』と聞くことに恐怖心を抱くようになってしまいました。

図4

その結果...

『今日はこのくらいで終わりましょう』と治療介入後の再評価から逃げてしまった事もあります。


それくらい、治せないというのは辛い事なのです。


そして、我々セラピストは患者様にとってどのような存在かというと、

“手術前の最後の砦という存在です“


我々が治すことを諦めてしまうと、一番辛いのは誰でしょうか?


患者様です。

誰しも手術はしたくありません!


もちろん構造的な問題である場合、手術は必要です。

しかし、保存的に治す事ができる患者様は沢山います。


その方々にどれだけ希望を持たせてあげる事ができるのか?


ここに我々セラピストの存在価値があると考えています。

図5

もちろん、手術前提でリハビリを進める方が楽です。
(Ex:手術までに膝を伸ばしましょう・曲げましょう・この運動をしましょう)


なぜなら、我々の治療効果がそこまで注目されないからです。

『痛みはどうですか?』と聞くことは確かに怖いです。


しかし、、

本当にこの人を良くしてあげたいと思うのであれば絶対に聞く必要があります。


例えその返答が良い結果でなくでも、次の治療に繋げる事ができます。


とはいえ!

皆さんには私ほど辛い思いをして欲しくないです。


ということで、私自身が失敗を重ねながら見つけた治療を成功させる為のポイントを次の項から説明していきます。

図6

そのポイントを押さえるようになって、治療後の改善率がほぼ0%だった私が今では8割以上の結果を出す事ができるようになりました。


怪しい話だと思う方もいらっしゃると思いますが、決して怪しくないです(笑)


これまで私は毎月のように広島から大阪・東京へと足を運び続けてきました。

その目的は、結果を出している治療家の方のマインドや視点を学ぶ為です。

図7

約2年間継続した甲斐もあり、今では少しずつ自分なりの地盤も固まってきました。
もちろん、時間と予算はかなりかかりました。


しかし、教科書では学べない何よりも大切な視点に気がつく事ができました。


今回は説明するものは、私が2年間を通して様々なセミナ―講師や治療家、
セラピストの方々と実際にお会いして聞いた話の要点をまとめたものです。

ぜひ最後まで読み進めて見てください。


★治療が成功するセラピストのマインドセット


治療が成功しているセラピストはマインドセットが素晴らしいです。

というより、ココがしっかりしているから治せるのだと私自身は考えています。


この項では私が最も大切だと思うマインドセットについて説明していきます。

“我々が対象とするのは人である”


当たり前のことですが、我々が対象としているのは機械ではなく人です!

図8

ここでは何が言いたいのかというと、日々の臨床や治療において…

本当に人をみているのか?ということです。


変形性膝関節症を例に挙げて説明していきます。

こんな治療をしていませんか?

・膝が痛いから大腿四頭筋が弱っている
⇨大腿四頭筋が弱っているからセッティング

・膝が曲がったまま歩いているから痛い
⇨膝を伸ばすストレッチング

・体重が重たいから膝に負担がかかる
⇨有酸素運動を進める

このような治療をしている方は注意してください!


上記の治療は人ではなく疾患として、その方をみています。


つまり…

『変形性膝関節症だからこの治療』


という考えに陥ってしまっているということです。


そうではないですよね!


我々が対象としているのは、人であるため、

・その方が現在に至ったエピソード
・患者背景(生活、仕事、意識) など

について考える必要があります。


図9

同じ変形性膝関節症の診断がついたとしても、現在に至ったエピソードは全員異なります。


例えば、過去に足首や腰の痛みを患ってその後に変形性膝関節症を発症してしまったのであれば、

根本的な原因は膝ではなく、別の部位にあるということになりますよね。


こういったケースに対して、

膝ばかり治療しても改善はみられないということは何となく分かりますよね。


また、患者背景としては、

・その方が普段どんな生活をしているのか?
・どんな仕事をしているのか?
・意識している姿勢や動作はあるのか?

このような情報を聴取する必要があります。


治療してその時に症状が改善しても、次回の来院では痛みが再発してしまっているといったケースではココへの介入が不足している事が多いです。


なぜなら、我々の治療は長くてもおおよそ1時間程度ですよね(もう少し長い方もいると思いますが)。


この1時間って1日のうちで考えると、たった24分の1に過ぎないのです!


どれだけ良い介入をしたとしても、

残りの23時間の生活習慣が改善されない限り問題は改善されません!

図10

限られた時間で、どれだけその方のエピソードや生活背景に寄り添い介入する事ができるのか?


という事が治療を進めていく上での基盤として、もの凄く重要になります!


当たり前のことなのですが、

いつの間にかその当たり前を忘れてしまっているということもあります。


ここでは、我々が対象としているのは人であるという事を再認識して頂ければ幸いです。


その他のマインドについても詳しく知りたい方は、
こちらからチェックしてみてください。


★治療における考え方 


では、お待たせしました!

変形性膝関節症の治療における考え方について解説していこうと思います。


まず、『変形性膝関節症ってなに?』という方の為に定義から説明していきますね。


変形性膝関節症は、膝関節が変形してしまい軟骨が磨り減ってしまった状態を指します。

○変形性膝関節症の特徴

・O脚やX脚といった膝の変形
・軟骨の変性や摩耗
・膝関節の可動域制限
・膝関節周囲筋の筋力低下
・膝関節の痛み など

これらは教科書でよく目にしますよね!


次に考えてもらいたい事は、

なぜこの人はそうなってしまったのか? 


ということです。

図11

普通に生活していて膝が痛くなるのであれば、我々人類は全員膝が痛くなるはずです。

しかし、そうではないです。


何歳になっても痛みなく歩けている方も多いですよね!


来院されたらいきなり、評価や治療に入るのではなく、

事前に情報収集をしましょう。

図12

いきなり歩行・可動域・筋力をみてもその方の生活背景などが分からないため、
得られる情報には限りがあります。


なので、私は外来初回の患者様をすぐベッドに誘導するのではなく

お話ができる机へ誘導します。


そこで以下の内容について詳細に情報収集を行います。

1. 痛みの部位 
2. 痛みの強さ(NRS)
3. 痛みの種類(鈍痛・鋭痛)
4. 痛みの起こる場面(安静時・運動時)
5. 再現性のある動作
6. 普段の姿勢や動作
7. 患者様の最大の訴え
8. 過去の既往歴(骨折・損傷・固定)
9. 活動性(生活・趣味・職業)
10. 自宅環境(生活様式・段差・傾斜)

ここでは10項目を例にあげましたが、

まだまだ聴取すべき点はあると思いますので自分なりに追加してみてください。


これらの情報を得る事で、

・その人がどんな方なのか?
・何に困っているのか?
・どうなりたいのか?
・どういう1日を送っているのか?
・どういう動きをしているのか?
・どういうストーリーを辿ってきたのか?

という情報を得る事ができます!


この情報が治療を成功させる上で、最も重要になります!

図13


まず人を知る事で、

生活の中で負担のかかっている動きについて考える事ができます。


どんなに良い治療をしても、生活が改善されない限り再度受傷します。


その人のストーリーを知る事で、

膝関節以外の根本的な原因を考える事ができます。


冒頭でも説明したように、我々人間は全員が膝を痛める訳ではありません。

膝関節の痛みを経験する事なく、生涯を終える方も沢山います。


膝が痛くなる人とならない人の違いはなんでしょうか?


それはエピソードです。

誰しも人生のうち、数回は怪我をします。


過去に患った怪我が長期にわたって、障害発症の原因に繋がります。


そう考えると、膝だけみても治す事ができないケースも多いという事になります。
なので、その方のエピソードから『この既往歴が関係しているのではないか?』と考察を立てましょう。


この過程こそが人をみるということです!


具体的な方法に関してはコチラを参考にしてみてください。

次は変形性膝関節症の疼痛部位とその考え方について解説していきます。


疼痛部位って様々ありますよね。

その中で、どの組織が原因で痛みが起こっているのか考える上で重要なのは絞り込みを行う事です。


まずは、疼痛を感じやすい部位である以下の組織からチェックしていきます。

・膝蓋下脂肪体
・膝蓋上嚢
・靭帯付着部 など


まずは、疼痛閾値のマッピングをチェックして確率の高い部分からチェックしていきます。

違った場合は、その他の原因について考察を広げていきましょう。


詳しくはこちらで解説しています!

そして、次に大切なのは

根本的な原因について深掘りする事です。


膝蓋下脂肪体を例に挙げます。

脂肪体の硬い部位に対してマッサージを行うと、もちろんその場では痛みが楽になります。


しかし、『脂肪体がなぜ硬くなるのか?』といった根本的な原因に対して治療はできていませんよね。

これだけでは、再び膝が痛くなってしまってもおかしくありません。


膝蓋下脂肪体に関しては、こちらの記事がかなり分かりやすので参考にしてみてください。


根本的な治療を行うためには!?


ここまでで説明した内容を確認しながら、

解剖学・運動学・生理学といった人の体を知る上で必須の知識も補充していく必要があります。


最後まで記事を読んで下さりありがとうございました。


今回説明させて頂いた内容は、変形性膝関節症の治療としてだけでなくその他の疾患にも活用できると思いますのでぜひ活用してみてください。

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★まとめ 


・我々が対象としているのは人である。
・治療効果を出すためにはマインドセットが大切
・事前の情報収集を行いましょう
・その人を知る事で治療の幅が格段に広がります
・もちろん解剖学、運動学、生理学は必須です


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ライタープロフィール

画像16

コラムライター:佐藤 有

関節痛を本気で治すをモットーに、治療家向けに関節痛を治すための知識やスキルを配信している。


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