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元ラグビー部、ファッション誌編集者になったってよ

お久しぶりです。
光文社新入社員のシカマルです。
新入社員として、前回の就活体験記を書いたことが遥か昔のことのような気がします。

前回の就活体験記はこちら。

OB訪問で僕がやったこと、それによって得た就活での自信の話について書いているので、よかったら読んでみてください。

さて、時は過ぎ現在11月。僕は今、「VERY web編集室」というところで働いています。月刊誌『VERY』は、30代〜のママ向け雑誌で、毎号毎号ハイブランドなファッションやきらびやかなモデルさん方が誌面を飾るこの雑誌。今はその誌面の作成もしながら、web事業なんかに携わっています。

いきなり新海誠監督のCMのような書き出しでさらっと書いてしまいましたが、何かおかしい。

ここで僕の簡単なプロフィールをおさらいしておくと、

・23歳
・男性
・独身
・非・子持ち
・中高男子校
・元ラグビー部

何かの間違いがなければ「VERY」にはなんの関係もなく生きていただろうこの僕。そんな僕が何かの間違いでファッション誌に配属されてしまったのであります。

そもそも「女性ファッション誌に男性がいるの? 」というところから驚きの方も多いでしょう。それだけならまだしも、中高男子校でかつラグビー部という、ファッション的にも衛生的にも劣悪な環境で思春期を送った僕。そんな人間が辿り着く場所として、このVERY編集部という場所はイレギュラーすぎます!

果たしてそんな男がお役に立てているのか、書いている僕自身が最も恐ろしいところですが、この数ヶ月を振り返ってみましょう!


①元ラグビー部でも、
ファッション誌の企画を出せるワケ

企画作りの最初にあるのが、プラン出し。要するに、企画案を考えて、編集長に提出するわけです。

「いや、男の人に女性ファッション誌の企画なんて出せるわけないやろ(笑)」と思っているそこのあなた。そんなことないのです。

光文社の雑誌には「ドクチョウ」と呼ばれる文化?があります。

「ドクチョウ」とは
なんのことはない、「読者調査」の略。ただ、ツイッターでよくみる4択のアンケートなどではなく、1〜2時間実際に読者の方とお会いして、家族構成、ご職業、最近の悩み事、などなどのお話をじっくり聞く。(ちなみに僕は新人だからか、毎回読者の方に「新人からVERYなんて大変でしょ、頑張ってね! 」と、帰り際に優しい言葉をかけていただける)

VERY編集部には、実際にVERYの読者世代の方もたくさんいますが、僕のような結婚していない、子どももいない編集者も、この「ドクチョウ」で出た話題をヒントに、企画を考えています。

ちなみに、そんな「ドクチョウ」から生まれた企画が、発売中の12月号に掲載されています。

そう、編集者歴たかだか2〜3ヶ月の時点で、企画をもたせていただけたのです。企画を通すためにも重要なのは、やはり「ドクチョウ」。いかにして読者の方の悩みや欲しているものを引き出すか、まだまだ勉強中です。

①元ラグビー部でも、
ファッション誌の企画を出せるワケ
▶︎読者のお話が、誌面のアイデアの源になっている!


②元ラグビー部でも、
ファッション誌の絵コンテを描けるワケ

さて、企画が通ったらいよいよページ作り。ページを作る手順は、ざっっっっっくりいうと、

企画が通る→絵コンテを描く→撮影→写真・文章などを発注→それらを揃えて印刷所に持ち込む

となります。

さて、突然ですが僕はこの「絵コンテを描く」というのが非常に苦手でして。この絵コンテ、要するにページの設計図とも言えるものですが、ただなんとなくページに収まるように描いてみれば良いというものではなく。。。

絵コンテ
「どういうモノを載せて」「どういう風に写真を撮って」「テキストはどのくらいの長さにして」「それをどういう風に配置するのか」ということを絵で描いていきます。(この下の写真が僕の描いた実際の絵コンテ。汚いのは決して適当にやっているからではなく、僕の絵が下手だからです。先輩方はもう少し上手な絵を描いています。念のため。)

スクリーンショット 2020-11-17 2.24.55

新人として毎号作っているのが、次号予告とプレゼントページ。特にプレゼントページは、毎回紹介するアイテムが変わるので、この絵コンテが重要です。

当初は、ただなんとなく「雑誌っぽい」コンテを描けば良いのだと思っていた僕。それっぽくオシャレに、それっぽく収まるように絵コンテを描けばいいのだろう、と。とはいえ雑誌(特に女性ファッション誌)もほとんど読んでいなかったので、「雑誌っぽい」も曖昧なまま…。

どうすることもできず悩んでいた時に先輩にかけられたのが、

「編集者は一枚の写真で読者の心を動かさないといけない」

という一言でした。

一枚の写真で読者の心を動かす、ということは、それだけダイレクトにアイテムの魅力が伝わる写真でないといけない、ということ。つまり、アイテムの「何が良いのか」がしっかりわかっていないと、伝わる絵コンテが描けないということです。

(今だから書けますが、雑誌もろくに読んでこなかった僕としては、当然一枚の写真で心を動かされたこともなく、「そ、そうなんだ…」と目から鱗でした。さすがにその通りに口にしたりはしなかったけど。)

でも気になるのは、どうしたら「一枚の写真で読者の心を動かせるのか」というところ。そこで大事なのが、過去の誌面を見て「あ、今回の記事のイメージに近いかも!」という参考写真を探すことです。

今自分の頭の中にサンプルがないなら、過去から探すわけです。毎号毎号四苦八苦しながら、過去のVERYを漁ってプレゼントページのイメージを決めています。雑誌に関してもファッションに関しても知識0ながら、こんな風に過去のページを参考にすることで、ページを作っていくことが(なんとか…)できています。

②元ラグビー部でも、ファッション誌の絵コンテを描けるワケ
▶︎過去のページを参考に、誌面のイメージを作っていきます!


③元ラグビー部でも、
ファッション誌を作れるワケ

さて、絵コンテができたらついに撮影です!

と言いたいところですが、この前に絵コンテのイメージをカメラマンさんと打ち合わせをします。せっかく描いた絵コンテも、自分の意図がよく伝わっていないと写真に反映されづらい。こちらの意図を打ち合わせで伝えて、やっと撮影です。

撮影が終われば、あとは印刷所に任せてお仕事は終わりです!!!

と言いたいところですが、この前にレイアウトを作ってもらわねばなりません。ページのレイアウト作りのプロのデザイナーさんのところに、写真・テキスト・絵コンテなどなどを持ち込んで、レイアウトを作ってもらいます。

さらにここで、カメラマンさんの時と同じくデザイナーさんとも打ち合わせ。自分がどういう意図でこの写真をとり、何を伝えたいのか、どんな雰囲気にしたいのか、などを伝えます(レイアウトで悩んでいるときは、正直にその旨を伝えます。すると、毎回僕が悩んでいたことなど嘘のような、素敵なレイアウトを作っていただけます。)

さらに、VERYのほとんどのページでは文章を主にライターさんに書いてもらっています。もちろん打ち合わせをします。書いていただいた文章を、編集者が直したり、変更点を伝えて直してもらったりします。

そしてできた写真、テキスト、レイアウトを印刷会社の方に送り、やっと誌面の出来上がり、と。(さらにこの後色味などを調整していきます)

ちなみにこれはあくまでプレゼントページについてですが、モデルさんの撮影が入るページとなると、スタイリストさん、ヘア・メークさんとも打ち合わせ。インタビュー記事ならインタビュアーの人とも……。

お分かりでしょうか。この登場人物の多さ!

誌面は決して編集者一人では作れません。多くのプロの方のお力をお借りしてページが作られていきます。僕は写真も撮れないし、レイアウトも組めないし、お洋服のスタイリングもできないし、ましてやモデルでもなんでもないし、インタビューを受けるほどのすごい人もでもありません。ただ、企画を出して、その企画が校了にこぎつくまでをやりくりする人です。

③元ラグビー部でも、ファッション誌を作れるワケ
▶︎たくさんのプロフェッショナルの力をお借りしているから!(答えになっているのか…)


最後に

いかがでしたでしょうか。

新人へっぽこ日記になってしまうのではないかと危惧していましたが、なんとかそれっぽくまとめられたんじゃないかと、自分では満足しております。

子育て世代向け女性ファッション誌に配属された、23歳元ラグビー部の男こと、わたくしシカマル。とはいえ、知識0経験0の僕でもどうにか足掻きようがあるようです。まだまだ半人前ながら、もっと足掻いてみようと思う、今日この頃です。

だから、「僕・私ファッション誌とか全然知識ないし、編集経験とかも0だけど、興味だけはあります…」という方も、是非是非出版社(光文社だったらこんなに嬉しいことはありません)、挑戦してみてください!

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