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続・坂本龍一への愛を語る。

飲み屋ではいつも音楽とか映画の話になる。自分のことを語るのも好きだが、誰かの好きなものを語ってもらうのも同じくらい好きだ。嬉しそうに話す姿が。みんなそれぞれのアート史があってどれも魅力的なのだ。僕らはまだ見ぬアートを求めて、いつも貪欲に探している。これらの記事は決して押し売りではない。

前回の記事

次に出逢ったのは未来派野郎(1986)というアルバムだった。ヤマハDX7が使われている。もはや僕のピアノブームは過ぎ去った。僕の好きな要素が全て詰まっている、そう言いきれる数少ないアルバムの一つ。サブスクで聞けないのが残念だが特に好きなのは二つ。まずは黄土高原。青空の下で胸いっぱい息を吸いたくなる。シンセとドラムの音色が最高だ。コーラスは吉田美奈子。

そしてもうひとつがBallet Mécanique

機械は踊る。フェルナン・レジェによる同名の実験映画から影響を受けているとみられる。機械が一個一個の部品で組み立てられているのと同じように、いろんな音素材をサンプリングして作られている。作詞は矢野顕子。普段僕は歌詞にそれほど注目しないがこの曲は歌詞が好きで聴くようになった。おそらく坂本龍一で一番好きな曲。最近やくしまるえつこがカバーしている。目の付け所が大変好いと思います。役者が揃ってきた。

前回紹介したRydeenが作られてから2年後の1981年「MIDI」が誕生する。その2年後、FMシンセサイザー「ヤマハDX7」は発売された。いわゆる「80年代らしいサウンド」は洋楽でも邦楽でもだいたいDXの音だと思っていい。シンセサイザーは日本が世界の最先端なのだ。

それまで彼らが使っていたシンセはプロフェットやモーグ、ローランドのAM(アナログ)音源だったが、DX7はFM音源なのでより複雑な音色が出せる。聴き比べると音色が全く違う。ラジオのAM、FMと同じ意味だから明らかに違うのは分かってもらえるだろう。うちにモデリングシンセがあるのでその話もいつかしたい。

koko (2008)

坂本龍一は映画音楽こそ作ってはいたものの、ピアノはもうあまり弾かなくなったと思っていたから、新しいピアノ曲が出たと聞いた中学生の僕はブチアゲだった。そんな思い出の曲。題名もかわいらしい。


out of noise (2009)

全体を通してアンビエント。hibariはスティーヴ・ライヒのピアノフェーズを思い起こすミニマルミュージック。to stanfordはコトリンゴを知るきっかけになった曲。高校生の僕を音楽の淵へと連れて行く。


UTAU (2010)

大貫妙子を知るきっかけになったアルバム。やっぱり人間の声には敵わない。どうして当時LIVEに行かなかったんだろうと後悔した。美貌の青空、a life、四季が特に好き。J-POPとしてもクラシカルな日本歌曲としても楽しめる。

これでもまだ半分くらいだが、愛は十分語ることができたのでこの辺にしておこう。


時間が足りない。


大貫妙子、矢野顕子、吉田美奈子・・・みんな、僕の琴線を揺らしまくりだ。なぜだろう。不思議ではないか?

だが冷静に考えると、ドビュッシーやラヴェルが好きで、彼らから影響を受けた坂本龍一が好きなのだから、彼女ら、そしてそれを取り巻く高橋幸宏、細野晴臣、大瀧詠一、山下達郎・・・それらを聞いて育ったであろう、やくしまるえつこ(相対性理論)、コトリンゴに首ったけになるのは当然なのだった。さらに僕の中で、コトリンゴはキリンジへと繋がる(とても重要)。僕の音楽地図は一気に広がった。ああ、聴く時間が足りない。

ここに挙げた全員について、一つないし二つは記事が書ける(実際に書くとは言っていない)。70年代、80年代の楽曲のクオリティの高さは音楽理論の集約、楽器の発展にも大きく起因する。さらにはレコーディングエンジニアにも大きく依存する。好きなアルバムのスタッフ欄を見ると、結構同じエンジニアだったりする。全くもって恐ろしい。洗脳の領域だ(笑)

最初は生楽器至上主義だったが、人間の声まで変化させてしまうヴォコーダー、オートチューンも受容できるようになり、中学生にして電子音楽を受け入れる耳は完全に整った。そして、このタイミングで都合よく僕の前に現れたのがcapsuleとPerfumeだった・・・・・・



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