特殊伐採 林業従事者の新潮流 アーボリカルチャー
特殊伐採という技術にも興味がある。
特殊伐採とは?
高木を根元から倒さず伐採する技術。
人が樹上に登って梢に近い上の部分から少しずつ伐り、それをロープを使ってゆっくり下ろしたり、クレーンで吊り下げたりして安全に地面に下ろす。幹ではなく枝を伐る場合もある。
街の人の目に触れることが多く、人々の林業に対するイメージを変えることにも貢献中。
活躍するケース
・木の近くに建築物や送電線などがあって普通に倒すと破壊してしまう恐れがある
・急斜面で伐採したら倒木が滑り落ちる
https://arborplus.jp/special-logging/
http://bergjapancompany.com/bjcwinch/
アーボリカルチャー
特殊伐採は、林業界だけでなく造園業界でも広がっている。
海外ではアーボリカルチャーという言葉で広がっている。
アーボリは樹木、カルチャーは耕す・栽培するという意味。
高木の取扱い術の一つとして、伐採だけでなく種苗の育成や剪定も行う。人が木に登り、細かく枝などをチェックして伐る伐らないを決めて作業する。
日本の林業界の樹上作業の技術
日本にも木登りと樹上作業の技術はある。
伝統的な縄を使った木登りと樹上作業の技術、ぶり縄。
スギやヒノキなどの種子を採取するため
枝打ちの実施のため
http://thesedays.hirofoto.com/?eid=1286303
仕事としての魅力
・樹木一本一本と向き合う楽しさ
・木を登る楽しさ
・樹上作業におけるロープワークテクニックなどを磨く喜びがある
・安全管理もマニュアル化されてしっかり指導される
・単に木を伐るだけでなく、剪定して景観をよくすると満足感が湧く
・困っていた依頼者の喜ぶ声を直に聞ける
・作業量に比して収入も悪くない
技術と道具、作業工程
・技術
「特殊伐採」「アーボリカルチャー」の技術は、ロッククライミングやヨットなどで使用される道具やロープワークを応用・発達させたものが多い。
樹上作業は危険度が高く、それゆえに細かな手順を押さえた技術が要求される。
体系化された技術
・ロープを使って木に登る
・樹上でチェーンソーやノコを扱う
・重たい枝や幹を吊り下ろす
・樹木を痛めないように枝を切断する
・いかに安全に行うか
・木から木へ飛び移る
・梢に立つ
動画や書籍だけでは、表面的な技術の真似になりやすい。
臨機応変な道具の使い方や樹上で起きる想定外の樹木の動きなどは、経験者から細かく教わり、同時に指導を受けつつ経験を積むべき。
・道具
身体を固定するハーネスやロープに設置して安全に登り下りする昇降機が使われる。今ではツリークライミング専用の器具も開発されている。
https://cozy-woods.com/equipment/
・作業工程
1.
ロープに重りを付けて投げたり弓やスリングなどで高所の枝に引っかけ、昇降機を使って登る。
2.
木の上で身体の安全を確保してから、小型のチェンソーなどを引き上げ、枝や梢を落とす。
3.
伐った部分をロープで結び、安全に地上に下ろす。
どこで習得ができる?
アーボリカルチャーには国際的な組織もあって、毎年世界大会を開き、各国から猛者が集まり樹上の技を競う。
木登りや樹上作業を教える講座や研修会が各地で開催されている。
林業の新潮流「特殊伐採」と「アーボリカルチャー」についてでした。
最後まで読んでいただき感謝です(ぺこり)。
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更新履歴
20201123 初版投稿
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