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映画に生き方を教わろう  新見正則

僕の永遠のヒーロー、 トム・クルーズ!

僕のお気に入りは、トップガン。
トップガンは僕が医師になった当時に大ヒットしたので、
当時の初々しかった自分の気持ちと重なり、何回も見ています。
ミッション・インポッシブルも好きですよ。
トム・クルーズが好きな理由のひとつは、台本を読めないと聞いたからです。
僕もある程度の年齢になるまで、発語障害と読語障害があったので、
なんだか共感を勝手に感じているのです。

トム・クルーズは台本が読めないそうです。
僕は「書かれた文字を音読することができない」という読語障害で
いまだにその理由は不明です。

幼い頃からどもり(吃音)があったので、
そんな発語障害とも関係があるのかと思っています。

差別に立ち向かう決心が自分を強くする

僕のクリニックには発達障害の子ども達もたくさん受診します。
「自分の欠点を隠さず生きると結構楽だよ」といつも伝えています。
ひとはいろいろなマイナス点を持っています。
それを隠し通すことも選択肢の1つですが、
隠さず公にして、もしも差別されたとしても、それを耐えるのも悪くない。
そう割り切ってしまうと、案外差別はされないものだと僕は思っています。

価値観が変わる 「グリーンブック」

もう1つ、お薦めの映画は「グリーンブック」。
2018年のアカデミー作品賞を受賞した映画です。
黒人差別全盛期の1962年が舞台。
主人公はジャマイカ系アメリカ人のドクターシャーリーという
教養も人脈もお金もある黒人のピアニストです。

彼の南部への演奏旅行に雇われた運転手、
教養のない、がさつなイタリア系アメリカ人のトニー・ヴェロンガとの
旅行の物語です。

よくある黒人差別の映画は黒人の地位が下で、白人が上という構図です。
この作品では黒人のドクターシャーリーが気品ある教養人として上なのです。
グリーンブックは当時黒人が泊まることができるホテルが掲載された旅行ガイドブックだそうです。

この作品は実話に基づいていますが、実際とは異なると語る評論家もいます。
しかし、僕は実際と同じであろうが、異なろうが、この映画が気に入っています。以前も見たことがあるのですが、今回は腰を据えて見なおしました。
明らかに異なる2人がだんだんと人間として理解し合い、距離感が近くなる感覚が大好きです。

その差別が本当に必要なのか、自分で確かめる

実際に自分が体験して、この差別意識は実は変だ
と体感することが大切に思えます。
自分事として差別意識の違和感を肌でわかるかということです。
人は思い込みで差別をします。
人は皆違うのです。
だからこそ「ひとは平等である」と敢えて声高に語る必要があると思っています。

映画「幸せの隠れ場所」でレジリエンスを学ぶ

あまり有名でない映画ですが、実はこの映画
2010年のアカデミー作品賞にはノミネートされました。
実話をベースにした映画です。
貧しい黒人の高校生が裕福な白人家庭にたまたま泊めてもらい、
その後、その家の養子になり
アメリカンフットボールの才能を開花させ
大学進学までの物語です。

彼はその後アメリカンフットボールのスーパースターになります。
白人の家庭で互いに打ち解けていく黒人の主人公が大好きです。
そして彼を受け入れる家族の感情の機微が微笑ましいのです。

人生は不平等と不公平で当たりまえ

僕は、人生は不平等で不公平だと思っています。
そんな不平等や不公平に耐えながら生きる力が必要と思っています。
そんな力に必要なものはレジリエンスと思っています。
レジリエンスは復活力とか復元力です。


柳のようにしなやかに対応する力です。
レジリエンスを最初から備えている人はまれです。
レジリエンスは鍛えることができると思っています。


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