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〈書く事〉考

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ひろい集めて筏をつくる。
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#本

書くということの根っこにあるもの

書くということの根っこにあるもの

編集者を長く続けている方とお話をしたことがある。
そのときあるベテラン作家さんの話になった。日本を代表する著名な作家で、本もたくさん書かれている。

「自分が書くエネルギーの源は、“怒り”なんだ」と、その方が言っていたそうだ。
その怒りこそが、書くという行為を長年続けさせてきたのだ、と。

「そういうもの、あなたにもありますか」
とその編集者さんは私に聞いた。自分がものを作りだす、書くという行為を

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小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」 第2回・篠田節子さん

小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」 第2回・篠田節子さん

 『小説すばる』1月号よりスタートした、小説すばる新人賞受賞者によるリレーインタビュー企画。
 小説すばる新人賞出身の作家の方々に、創作活動の裏側から新人賞を目指す人へのアドバイスまで、幅広く語ってもらうコーナーです。

 第1回の佐藤賢一さんに引き続き、第2回は篠田節子さんにご登場いただきました!

 重厚なテーマと壮大なスケールの物語を支えていたのは、デビュー前後に書いた膨大な枚数の原稿。
 

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小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」 第3回・荻原浩さん

小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」 第3回・荻原浩さん

 『小説すばる』本誌上でスタートした、歴代の新人賞受賞者によるリレーインタビュー企画。
 小説すばる新人賞出身の作家の方々に、創作活動の裏側から新人賞を目指す人へのアドバイスまで、幅広く語ってもらうコーナーです。

 佐藤賢一さん、篠田節子さんに引き続き、第3回では荻原浩さんにご登場いただきました!

 老若男女にわたる登場人物と、多彩なテーマが魅力的な荻原文学。
その根幹には、プロの小説家として

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「書きたい」「書かなきゃ」でも「自分の中には書く価値のあることがない」と心が折れそうなときには。

「書きたい」「書かなきゃ」でも「自分の中には書く価値のあることがない」と心が折れそうなときには。

そんなに気負わなくてもいいんだよ別に。

読んだ端からすぐに役立つ、経験と実績に裏打ちされた情報や知識をわかりやすく伝達するような文章とかじゃなくてもさ、

自分の好きなものやことについて、全力でなりふり構わず書けばいいんだよ。いまどきはみんなそういうのが読みたいんだよ。

っていうアドバイスもまぁ効果的といえば効果的かなぁとも思うのですが、

でも、

たとえば「自分の趣味や好きなもの」ってのを

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小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」
第1回・佐藤賢一さん

小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」 第1回・佐藤賢一さん

 『小説すばる』1月号より、小説すばる新人賞受賞者によるリレーインタビュー企画がスタートしました。
 小説すばる新人賞出身の作家の方々に、創作活動の裏側から新人賞を目指す人へのアドバイスまで、幅広く語ってもらうコーナーです。

 記念すべき第一回目は、西洋を舞台にした歴史小説で知られる佐藤賢一さん。
 デビューに至るまでの道のり、執筆上の工夫、作家としての今後の展望などなど、盛りだくさんの内容にな

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小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」 第4回・村山由佳さん

小説すばる新人賞歴代受賞者インタビュー「こうして私は作家になった」 第4回・村山由佳さん

 『小説すばる』本誌上でスタートした、歴代の新人賞受賞者によるリレーインタビュー企画。
 小説すばる新人賞出身の作家の方々に、創作活動の裏側から新人賞を目指す人へのアドバイスまで、幅広く語ってもらうコーナーです。

 佐藤賢一さん、篠田節子さん、荻原浩さんに引き続き、第4回では村山由佳さんにご登場いただきました!

 胸締め付けられる恋愛小説はもちろん、海外取材をした作品や半自伝的な私小説まで、幅

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「12年間、小説家になることを諦め切れなかった期間は辛かったです。何が辛かったって、夢の諦め方がわからないことです」作家・芦沢央さんインタビュー

「12年間、小説家になることを諦め切れなかった期間は辛かったです。何が辛かったって、夢の諦め方がわからないことです」作家・芦沢央さんインタビュー

2012年に「罪の余白」で野性時代フロンティア文学賞を受賞してデビューし、いま、驚きと感動に満ちたミステリ作品で注目を集めている芦沢央さん。このたび、『今だけのあの子』刊行当時(2014年)に収録したインタビューを再掲します。

女性の友情をテーマに書かれたミステリー
 もし親友から結婚式の招待状が届かなかったら――。そんな「if」を思い浮かべたところから『今だけのあの子』の執筆はスタートした。収

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