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〈書く事〉考

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#鈴木智哉

自分だけの文体を見つける方法|「文藝賞」坂上陽子&矢島緑

自分だけの文体を見つける方法|「文藝賞」坂上陽子&矢島緑

「創刊号以来、86年ぶりの3刷」「大増補の上、単行本化決定」――昨年、こんなニュースをネットで目にした読者も多いはずだ。河出書房新社が年4回刊行する「文藝」。1933年創刊の老舗文芸誌が、2019年4月のリニューアルを期に、稀に見る快進撃を続けている。

同誌が主催する新人賞「文藝賞」は、山田詠美『ベッドタイムアイズ』から長野まゆみ『少年アリス』まで、綿矢りさ『インストール』から若竹千佐子『おらお

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書く時間よりも、直す時間をたくさん取ること|「R-18文学賞」 西山奈々子

書く時間よりも、直す時間をたくさん取ること|「R-18文学賞」 西山奈々子

 吉川トリコ、宮木あや子、山内マリコ、窪美澄、彩瀬まる――著作が映像化されたり、直木賞候補に名前を連ねたりと話題を集めるこれらの女性作家たちは、皆この賞からデビューした。新潮社「女による女のためのR-18文学賞」。2000年に創設され、「15歳の熟女でも、80歳の少女でも」女性なら誰でも応募でき、下読みも読者選考も最終選考も女性が行うというユニークな賞だ。
 いまもっとも多くの人気作家を輩出してい

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