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【量子化学その2】電子の家の管理方法をもっと見ていく

こんにちは。新宿で働くOLです。
量子コンピュータに興味があったので、量子化学の勉強をはじめました。

前回は、量子化学は電子の家を取り扱う不動産屋さんの気持ちになる学問だという話をして、
家を契約する方法、帳簿をつける方法、それから、狐につままれたような反対称性の話をしました。

今回も電子の帳簿の付け方を見ていきます。

前回は契約の方法だけを見ましたが、契約もあれば解約もあります。
契約は a†(k) のように表しましたが、
解約は a(k) のように表します。

解約にもやり方があり、

3番の家を解約したい電子が並んでいるとすると、

a(3) |123>

まず、解約したい家を、反対称性のルールに従って、一番左に持ってきます。

a(3) |123> = -a(3) |132> = a(3) |312>

続いて、一番左の、解約したい家を、帳簿から消します。

a(3) |123> = -a(3) |132> = a(3) |12>

解約完了です!

これで、契約と解約の両方のやり方を覚えることができました。

ちなみに、誰も契約してない家を解約しようとすると、やっぱり0になります。この性質も、本当は数学で説明できるのですが、ここでは省略します。

ところで、帳簿の中身は、マイナスを付けながら入れ替えてもいいのでした。そしたら、同じ帳簿をいくつもの書き方で書けてしまいます。

それ自体は、この帳簿の数学的な性質なので仕方ないのですが、最終的には |123...> の順番で並べ変えることにしましょう。

a†(2) a†(1) a†(3) |> = |213> = -|123>

さらに、これを量子コンピュータで表すことを考えると、0と1で表したくなります。実際、それぞれのスピン軌道は、電子が住んでるか住んでないかのどちらかしかないのだから、次のような操作で0と1で表すことができます。

・1番目の数字は、1番の家(スピン軌道)を、2番目の数字は、2番の家を……という風に、何番目にどのスピン軌道の状態を書くのかをまず決めます
・次に、それぞれのスピン軌道について、電子が住んでいる状態を1, 住んでいない状態を0と書きます

つまり -|23> を0と1で表すと、1番目には電子が住んでなくて、2番目と3番目に電子が住んでいるので、 -|011> となります。

量子ビットっぽい表現になってきました。

さて。このときの a† と a のやり方について考えましょう。

帳簿を書くときに、部屋を番号順に並べ替えたいんでしたね。なので、 a† をした後、順番通りに並び替える必要があります。
また、 a をする前に、順番通りに並んでいるところから、目的のスピン軌道を一番左に並び替える必要があるのでした。

入れ替えるごとにマイナスが付くので、入れ替えが奇数回ならマイナスに、偶数回なら符号はそのままになります。

こう考えると、
a†(k) をするときは、k番目よりも前の1の数を数えて、奇数回ならマイナスに、偶数回なら符号そのままにすればいいことが分かります。

同じように、
a(k) をするときも、k番目よりも前の1の数を数えて、奇数回ならマイナスに、偶数回なら符号そのままにすればいいですね。

そうそう、k番目に電子が住んでいるかどうかのチェックも忘れずにしてください。
k番目が1なら、a†(k)をすると帳簿は無になってしまいます。
k番目が0なら、a(k)をすると帳簿は無になってしまいます。

さて、次回以降は、0, 1で表した帳簿と量子ビットの関係をもっと詳しく見ていきます。
そういえば、言うの忘れてましたが、今まで「帳簿」と言っていたもののことを「状態」という風に呼んだりします。


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