竹内結子さんはなぜ自殺をしたのか

竹内結子さんはなぜ死を選んだのだろうか。そのことばかり考える。あれほど多くの作品に出演していた女優だけれど、世間はもう話題にしていない。竹内さんがいなくても作品は生まれる。作品は作られていく。竹内さんが出演するはずだった作品も他の誰かで賄っている。賄える。

人の死なんて。

旦那さんも子供もいた。大きな綺麗な家に住んでいた。一般人が一生かけても稼げない経済力もあった。仕事は途切れず入ってきていた。美しい容姿を持っていた。友達もいた。何もかも持っていた。

それでも死を選んだ。何もかも持っていたけど死んだ。

なぜだろうか。

考えた。頭を悩ませた。

彼女は誰よりも生きること、死ぬこと、そのことを考えていたからだ。世間が安い歌詞のように繰り返す「命を大切に！」「親からもらった大切な命！」などというフレーズにちゃんと疑問を抱いていたからだ。彼女なりにじっくり向き合ったからだ。

竹内結子さんは思考停止をするような人じゃなかったんだ。

当たり前と言われていることに絶対に無条件で鵜呑みにするような人じゃなかったんだ。

そしてたどり着いた答えが自殺だったんだ。

簡単に「心の病気」で片付ける話ではない。彼女の心は健康そのものだったんだ。心は健康で、頭は聡明で、そして自分なりに答えを出しただけなんだ。

それが竹内結子さんの死生観だったんだ。