【新城マガジン】振り返ってまた行きたいと思ってもらえる特別な場所 -イタリアンLiberta'
高校の同級生からビジネスパートナーへ
ー2人の自己紹介をお願いします
小田切〉初めまして、東京都大田区にある糀谷が地元の小田切と申します。
19歳の時「リストランテダトシユキ」というイタリアンレストランで働き始め、その後、リゾートホテルで約3年間の勤務を経験し、次に武蔵小杉にある「OSTERIA Osio Sotto」というイタリアンでの勤務を経て、ギンザシックスにあるイタリアンレストランで経験を積み現在はイタリアンのお店「Liberta’」をシェフをしながら経営しています。
料理人を目指したのは、子どもの頃にチャーハンを作り、両親に褒められた喜びからです。人に美味しいものを作って喜んでもらうことに大きな喜びを感じていました。その感覚が、料理人としての道を目指すきっかけとなりました。
調理科のある高校に進み、3年間本格的に料理を学び、その後専門学校で1年間さらなる学びを深め、卒業してからは料理人として様々な場所で経験を積み、スキルを磨いてきました。
古見〉現在は「Liberta’」のマネージャーを勤める古見です。
同じ料理科のある高校に通い、卒業後はダンスの専門学校へ進学し、卒業して20歳からはずっとダンスの仕事をしています。現在は「Liberta’」のマネージャーをしています。
ーどうして2人でお店を始めることになったのですか?
小田切〉当時は新型コロナウイルスにより飲食店の営業もダンスのレッスンも密が理由でできない時でした。その時に先輩の紹介でキッチンカーを2人で手伝っていたのがきっかけです。
コロナ禍で普段のように営業できない中、何か新しいことへの挑戦という共通の思いから始まりました。先輩の紹介でキッチンカーのチームに参加し、川崎の工事現場で働く人たちに唐揚げやお弁当を提供することからスタートしました。
二人で約3年間キッチンカーを手伝い、その間に得た経験は今につながっていると思います。夏の暑さ、冬の寒さと戦いながらの販売は想像以上に大変で、普通の飲食店に比べて労働が過酷で利益が少ないという現実にも直面しました。現実と理想のギャップに直面しつつ、それを改善しようと試行錯誤を重ねてきたのはいい経験でした。
その大変な時期を2人で一緒に乗り越えてやっていく中で元々30歳までに自分のお店を開きたいという想い持っていたので「一緒にやれたらいいね」と誘ったのがきっかけで今お店をオープンしてやっています。
「Liberta’」の名前に込めた想いと愛着
ー「Liberta’」のお店について教えてください
小田切〉Liberta’がオープンしたのは2023年7月12日。その名前には、イタリア語で"自由"という意味があるんです。僕たちは、形式にとらわれず、自由な発想でお店を作りたいという思いでこの名前を選びました。でも、実際にお店を運営してみると、自由って言葉が持つ重さを実感しました。自由を手に入れるためには、たくさんの努力と段階を踏む必要がある。それを理解した上で、Liberta’という名前を選んだんです。
お店を作る過程も、すごくユニークでした。一部は2人でDIYでつくったんです。古見さんが大道具の仕事をしていたこともあったので、手際の良さを教えてもらいました。僕にとっては初めての経験だったので、全然うまくいかなくて苦労しましたけどね。でも、自分で塗装したり、棚を作ったりするのは本当に楽しかった。自分たちの手で作り上げた店内には、特別な愛着がわきます。
場所選びも重要でした。中原区は、僕の家から自転車で通える範囲にあって、武蔵小杉で働いていた時の馴染みもあるんです。そして今のお店がある通りを歩いていて、この場所がLiberta’にぴったりだと感じました。この通りに入ると空気が変わったように感じるのです。
商店街から曲がって、新城テラスがある静かな通りで、おしゃれな空間がここにはあると感じました。なので、ここはこじゃれた通りになりそうだなっていうのがこの場所を選んだ決め手です。
メニューへの情熱とこだわり
ー料理はどのようにメニューを考えているのですか?
小田切〉Liberta’では、僕がこれまでにシェフとして学んできたことを生かし、それぞれのメニューに心を込めて作っています。使用する食材にもこだわっていて、主に茨城の無農薬野菜や横須賀で仕入れる新鮮な食材を使っています。
また、魚介は豊洲市場から、肉は岩手の短角牛ヒレ肉や熊本の阿蘇の赤牛のサーロインを使い分け、それぞれの好みに合わせたメインディッシュを提供しています。
特に自家製ハムは、私が最初のお店で学んだレシピをベースにして、霧島の黒豚で自分なりにアレンジを加えています。火入れの方法や提供するときの厚さにもこだわり、異なる食感や味わいを楽しんでいただけます。
キッチンスペースは限られていますが、全ての料理を自分一人で手がけています。パンからパスタまで、すべて手作りです。特にパスタは、手打ちで丁寧に作り上げ、その厚さにも細心の注意を払っています。お客様が食べたときに、そのこだわりを感じていただけると嬉しいですね。
肉料理にも力を入れていて、特にお肉の焼き方には自信があります。じっくりと時間をかけて寝かせた肉は、その待った分だけ美味しさが増します。新城でなかなか味わえないような、特別な肉料理を提供できればと思っています。全ての料理に私の思い出が込められているので、ぜひ一度足を運んで味わってみてください。
接客と空間のこだわり
ー接客で大事にしてることはありますか?
古見〉接客で大切にしていることは、お客さんと楽しく話することですね。
店内の設計には特にこだわり、1階のカウンター席では、料理の調理過程を近くで見ることができるし、シェフとも近いのでより会話を楽しんでいただけると思います。
一方、2階の席はよりプライベートな空間として、ゆっくりとした時間を過ごしていただけるようになっています。リビングのようなくつろぎの空間で、食事やお祝いの時間をお過ごしいただけます。
以前利用してくださったお客様からも、「ゆっくりできてリラックスできた」との声をいただいています。また、プロジェクターも使えるようになっており、お子様連れのお客様にも快適にお過ごしいただけるよう配慮しています。
店内のデザインにおいては、賑やかながらも落ち着いた雰囲気の中で楽しい時間が流れるようなことを意識して、明るすぎない色合いを選んでいます。料理を味わい、お酒を嗜みながら気づいたら何か楽しくなっちゃうような感じがあると思います。
新城の活気ある街とはまたちょっと別の賑やかな感じになったらいいなと思います。
そして、料理と会話、お酒の楽しみをバランスよく提供することで、お客様にとって特別な体験を創出していきたいと思っています。
来ているお客さんについて
小田切〉地元の新城住民や僕たちの友人、さらにはダンス教室の生徒など、様々な人々に足を運んでいただいています。最初は知り合いの支援が大きな助けとなっています。
古見〉新城はもともとカジュアルな飲食店が多いエリアですが、意外にもワインや料理に詳しいお客様が多く、新城のグルメ家な方も来て下さっています。
「これまでは新城で食べれなかったから都内のイタリアンに行っていたよ」と言ってくださる方もいて、これまでにない料理体験を求めている人々にも徐々に知ってきてもらえています。
お客様から教えていただくことも多く、ワインやウイスキーについての会話で盛り上がることもしばしばあります。
イタリアンの食材って横文字が多く滅多に聞かないものもありますが、お客様の中には、食材に詳しい方がいらっしゃり、私たちも日々学びのある毎日を送っています。
これからのLiberta’の挑戦
小田切〉キッチンカーやECサイトで簡単なパスタソースや煮込み料理の販売を考えています。
僕たちの料理をより手軽に楽しんでいただけるような方法を模索しています。以前のコロナ禍にキッチンカーで得た経験を活かして営業したり、新たな挑戦としてECサイトでの販売も検討していますね。
古見〉新城には個人経営の店が多いし、お祭りなど地域の行事もあるので地元の人々との繋がりを大切にしていきたいです。お店は路地にありますが、地域の方々との良い関係を築いていきたいと思っています。
そしてこれから来てくれるお客様を笑顔で楽しく帰ってもらえればいいなと思っています。
自分はよかったお店を出て歩いていると最後に気になって振り返りたくなる。振り返ると店員さんが手を振って見送ってくれることがある。
Liberta’でもまた来たいと思ってもらえるような、振り返ってもう一度訪れたくなるような、そんな特別な場所をこれからも作っていけたらいいなと思っています。
最後に
ぜひLiberta’に来てほしいです!東京の銀座とかで食べたら、もう少し値が上がると思うけど、美味しくてこだわりのある料理やお酒が楽しめる。そしてシェフやスタッフとも繋がることができる。
一度食べてもらえれば気に入っていただけると思います。
まだ足を運んでない方は今日でも、明日にでもぜひ来ていただければと思います。
【店舗情報】Liberta’について
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