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家族と一緒にネパール旅行-01

以前、私は天然石屋を経営していました。
ブレスレットやビーズなどの加工された商品に限らずクラスターなどの原石他、多岐にわたって地球からの贈り物を取り扱っていたんです。

その中でも私のお店を世に広めてくれたのはヒマラヤ水晶でした。
20年近くも前に実店舗があるオンラインショップでヒマラヤ産天然石を提供していたことは珍しく、ネットを通じて当店に辿り着いた方たちのお陰でお店は絶頂期を迎えたといっても過言ではありませんでした。

ヒマラヤ産の鉱物に大変お世話になっていたにも関わらず、この頃の私はネパールの地を訪れたことがありませんでした。


2010年、古代アメリカ文明に強い関心を寄せていた私はメキシコ行きを検討していました。だけど事が進むにつれ、あれよあれよとネパール行きが決まり・・・・・・。

「今、この時に、ネパールなんだ」

私を見守るエネルギーたちが促してくれたんだと思います。

不思議なことってそのご縁を受け入れるように、または受け入れざる負えない形でやってきますよね。

ネパールには多くのチベット人が住んでいます。
以前からチベット仏教や彼らの暮らしに興味を持っていたので、折角、行くのであれば何かしら接触ができるようにとちょっぴり調べてみたりして。


「今年はネパールに行くことにしたの」

「えぇ、わかったわ。いつ?」

そう返事をしてきたのはたぁのママです。

一緒に行くの?

私たちが旅の予定を組むとなぜだか彼女が乗り気になって、一緒についてきたのは一度ではありません。だけどそれは彼らの母国ニュージーランドや隣国の話でした。

「11月」

「いい時期ね」

あぁ、もう文句は言えまい。

いやっ、夫の母に対して反論する言葉を見つけられなかったのが事実です。

このことをたぁに話すとあきれたような、“そうだよな”と理解するような複雑な表情を私に返してきました。

来るのはママだけじゃなく、パパも一緒なので、もう仕事兼家族旅行として割り切るほかないでしょう。


「もしここに研磨機が揃っていてたらニュージーランドに住んじゃうかも」

オーストラリアの仕入れについてきた彼らとともに業者の工場を訪れた時、(冗談もかねて)軽くそんなことを言ったら翌年ニュージーランドの彼らの家に行くと様々な研磨機が並んでいました。
一台一台、意気揚々と説明してくれるお父さん、お母さん。

・・・・・・・・・・・・ありがとう(汗)。

だけど国の規模を考えると私にはニュージーランドで仕事をうまくやっていく自信はなく、そのことはたぁも理解していたので、実現には至りませんでした。

「嘘つき」

その後、そのレッテルが私にしっかりと貼られてしまったことは悲しいことだけど、一緒にフェアに行くようになってから、彼らはロックグラブに入会し、手先が器用でなんでも作れるパパは原石・宝石研磨にはまり、ネックレスや指輪などの作品を作って販売するようになっていました。

だから今回の旅行で一緒に石探しを楽しめるかもしれないね。


ネパールの首都カトマンズには長くお付き合いをしている卸業者のお兄さん、アニルさんがいて、ネパールを旅する際に彼らも同行することになりました。

ニュージーランドと日本からネパールに向かうので、当たり前だけど同じ飛行機で同時刻つくことは出来ず、パパとママは私たちよりも二日ほど早く到着することに。
この頃はまだ現地のホテルについて海外から調べるには旅行本やちょっとしたネットからの情報がなかったのでアニルさんに頼んで、大丈夫そうな宿を手配してもらいました。


出発当日、たぁ両親との再会を願って飛行機に乗り込みます。
カトマンズまでの直行便はなく、タイ、バンコクで乗り換えです。乗継便は翌日出発なので空港近くの送迎付きの宿で一泊することに。

タイは若い頃にはまって何度も訪れた国。
初めて訪れた頃は、星が付くホテルの周りはフェンスが張られ、トゥクトゥクドライバーや物売りの人たちがフェンスにしがみつきながら声をかけて呼び込みをしていて、今とは考えれない状態でした。
時が経つにつれて高速が走り、電車が走り、久々に訪れてみると高速道路から見える夜のバンコクの景色は日本とそう大きく変わるものではなくなっていました。

部屋は二階、スタッフが荷物を運んでくれたので、いつかのためにと残していたバーツから一枚のお札を渡します。

「いくら渡したの?」

「20バーツ」

「それっていくらくらい」

「うーん、2000円。えっ、2000円!?」

一分も荷物を運んでいない人になんて価格を支払ってしまったんだ。


こぉーかぁーいっ!!


心がティースプーンほどの私は自分の過ちを受け入れられず、寝ている時もそのことが頭から離れずに悔やみ続けます。


朝、起きて、すっきりしているようでしていない頭は改めて通貨換算してみたら

「あっ、60円だった」

「えっ、それだけ?なら、いいじゃん」

確かに。

夜も眠れずにいた自分の取り越し苦労が、情けない。
ネパールに来るにあたりUSドルやらネパールルピーから、NZドルやらいろいろと考えないといけなかったので突然のバーツに反応しなかったようで。

それにしてもこの心の小ささ、どうにかしたいわ。



〈真実のつぶやき〉
前週にインドネシアの旅について旅行記を始めましたが旅を思い返してみると仕事にまつわる内容が多かったので、以前に行ったネパール旅行記に変更しました。
前に綴ったブログを頼りにしよう思ったのですが、情報量が少ない淡泊な内容。
どうにか少ない脳細胞をフル活動させて、記憶を引っ張り出しながら、新たな旅をお届けしますので、よろしくお願いします。



無空真実の電子書籍です。よろしくお願いします。


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