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これからのWebライターに求められるのは「マーケティング視点」だ


浜松町の「いいオフィス浜松町 by wedo」で1月15日に開かれた、書籍「文章で生きる夢をマジメに叶えてみよう。」の出版記念イベント。複数回にわたって、当日いただいた質問にお答えしています。

(前回の記事はこちら)Webライターにとって強い個性はマイナスなのか?

Q:「Webライター」だからこその文章術とはどういったものでしょうか?

A:「Webライター」の主戦場は文字通り「Web上」です。そして、オウンドメディアを運営する企業がクライアントであることも多いでしょう。したがって、Webライターにはライターよりも「マーケティング視点」が求められます

オウンドメディアは、コンテンツマーケティングの重要なプラットフォームの一つです。「メディア」を名乗っていますが、ジャーナリズムの世界とは異なり、何らかの企業利益のために存在します。基本的にはペルソナが設定されており、カスタマージャーニーマップも作成されているはずです(このあたりが極めて曖昧なケースもありますが本来は必須のものです)。

クライアントが原稿を発注する際、原稿(orメディア)のペルソナや目的が明示されているケースも増えています(ない場合はごめんなさい)。これをどこまで理解して、原稿を執筆できるのか。ここはWebライターとしての生命線。ぶっちゃけた話、ギャラにも関わってくる問題です。

ペルソナやカスタマージャーニーマップなど、少々難しい話をしてしまいましたが、端的に言うと「誰に向けて、何のために書くのか」を原稿単位で理解した上で執筆に入るということです。「誰に向けて」を理解すれば、おのずと文体は変わってくるでしょうし、専門用語を使ってよいのか、もしくはかみ砕いて説明する必要があるのかも判断しやすくなりますよね。「何のために」を理解すれば、リード文やまとめの部分も変わってくるはずです。

ちなみに、リード文が固まらないうちに原稿を書くことは避けた方が無難です(Webに限りません)。「よしっ」と手ごたえのあるリード文が完成すれば、驚くほどすらすらと書き進められるものです。リード文は「どんなことが書いてある原稿なのか」を端的に説明した(まとめた)もの。リード文が固まらない状態で原稿を書くと、「何を言いたいのかわからない原稿」となりがちです(事実、新聞記者時代にデスクから「この原稿で何が言いたいんだ」と何度も叱られました。今ならデスクの気持ちをとてもよく理解できます)。

そしてもう一つ、1本の原稿にあれこれ要素を盛り込むことも避けてください(これもWebに限りませんね)。Forbes JAPANのWeb編集長・林亜季さんと以前イベントでご一緒させていただいたことがあるのですが、「1本の原稿で伝えられることは基本的に1つ」とお話しされていました。新聞記事を読んでいただくとわかるかと思いますが、リード文に入れられている要素は、基本的に1つであることが多いはず。要素が2つ以上入った原稿(リード文)は、読者を混乱させます(SEOコンテンツで「〇〇や〇〇について解説します」となるケースも時々ありますが、これはSEOの知見に基づいて構成されたものである“はず”です)。

結局だらだらと何が言いたいのかわからない、要素盛りだくさんの原稿になってしまったので無理やりまとめます。クライアントの戦略や意図を理解した上で原稿執筆にあたること。これが、Webライターに特に求められることです。この一点だけ覚えていただいたら、そっとブラウザを閉じ、原稿執筆に戻りましょう。

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