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百年の夏に

長い休みのはじまり
沸騰する夏の時間がリセットされる
仕事も休んで
悩むことから自由になって
手に入れられるミライがある
夏休みが教えてくれたこと
カブトムシよりクワガタムシが好きだった
理由はわからない
だれとだれとが手をつないでいても
そんなこと関係ない
だって
汗くさい男たちが酔っ払う夏の裏路地で
死んだ虫みたいに
匂いをはなつ動かない石ころだよ、夏は
ハイボールを下さい
それでいいんじゃないか
三角関係を書きつないできた
この上等な百年を生きたんだから
漱石を
夏の絵日記のなかでトレースする
あるいは
売れる本を作るための市民講座で
ひとは思わず人類と
口に出してしまう
悔しくて
でも梅酒は美味しい
フランスの梅のリキュールを飲んだ女が
バーのカウンターに沈んでいく
今夜はこのあたりで停泊するのだろう
ぼくには梅が、海とも読めてきて
大学通りが海になって
のら猫たちが錨を探しはじめている
今夜はパンも食べ過ぎた
いろんな話に夢中になって
道草なんだ人生は
長い休みのはじまり
沸騰する夏の時間がリセットされる
でも、好きだよ
好きだよ

」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

◎国立ランブリング「創作ノオト」

うだるような暑さの七月もあっというまに通りすぎていく。大人の夏休みは、まだ始まらないかもしれないけど、詩のなかに夏休みを呼び込んでみました。大学通りに海がやって来て、国立の素敵なバーのカウンターで、夢見るように、夏に沈んで行きたい。

http://ameblo.jp/kunitachihappyspot/entry-12056430863.html

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