コルコヴァド Getz/Gilberto
彼女と出会ったのは僕がまだ20代前半、世間で大人と認められて間もない頃。当時働いていたバーの客だった彼女はいつも女友達と二人で飲みにきていた。
僕と同年代に見える彼女達はしかし僕より遥かに精神的に自立をしているのが二人の会話から読んで取れた。同じ大学を出て、同じ化粧品販売の仕事に従事している自他ともに認める親友だった。
はじめから何かしら互いを意識するムードはあったものの、バーなんて商売そんなの日常茶飯事、とりたてて気にも留めなかった。
客とスタッフが頻繁に会話をする類いの