ヨヨギマック引退騒動に関する経緯と結末

掲題の件、全ての話が終わりましたので、簡単にご報告させていただきます。

前回にこのブログで騒動の内容をご報告した後、私の方で地方競馬全国協会(以下NAR)の方に、問い合わせを行いました。その問い合わせ内容は、「こういった事があったのだが、NARとしては、このオペレーションで問題ないという認識になるのか?」といったものです。

この問い合わせを行ったのが先週の木曜日5日の早朝で、同日夕刻にNARより回答がありました。内容を抜粋すると

・内部調査をした結果、私のブログに記載されている内容で齟齬はないと確認した。
・寄贈馬の受入基準が不明瞭な点があったことや、預託管理調教師とのやり取りで
 話を進めてしまったことにNAR側が反省すべき点があった。
・不快な思いをさせてしまった事をお詫びする。
・今後、手続きに関して改善するので、ご理解ください。

こういったものでした。

しかし、この回答というのが、返信ができない送信専用のメールアドレスから送られてきており、「反論は受け付けない」というものだったのですね。署名も、担当者の部署や氏名が書かれているわけではなく、「地方競馬全国協会」のみでした。

不快な思いをさせてしまった事をお詫びするという割には、随分と尊大な対応です。

私としては、誰もダメージを受けず、この問題に関係した全ての人間が面目を保てるような着地点を模索しており、思考した末に出た結論は「NAR側が新たなヨヨギマックの受け入れ先を私達に提案し、私達がそれを拒否する事なく受け入れる」という幕引きの有様でした。

そこで、この回答があった5日の木曜日夕刻に、「事情は分かるが、一番肝心となる問題はヨヨギマックの処遇である。新しい受けいれ先を我々に提案する事が可能ですか?」と再度問い合わせを行いました。

そして、この問い合わせに対する回答はといいますと・・・なんとこれが「黙殺」だったのですね。ええ、この段階で先方から普通に無視されました。

昨今、馬の余生やセカンドキャリアといった話題がメディアで散見されますが、「ヨヨギマックのケース」という内容でこの騒動が記事になった場合、「引退レースで心房細動を発症して研修馬への道が絶たれた」までのストーリーは、悲運であり悲劇なのですが、最後にNARが善意を見せたとなると、それは美談であり、ハッピーエンドとなります。

しかし、この結末では、地方競馬全国協会はただの「まともに大人の仕事がろくに出来ない人達、馬主や馬に迷惑をかけながら、自分達は今日10日に公費からボーナスを貰うだけの存在」という事になってしまいます。

最初にあった回答というのも所謂テンプレートでしてね。といいますか、実際に今後の手続きが改善される事もないでしょう。

この研修馬の受け入れという一連の業務は、そもそも馬主が地方競馬教養センターに問い合わせを行うといった事態を想定していないのです。地方競馬教養センターは全国の地方競馬に属する調教師に寄贈の募集をかけているだけで、馬主と話をつけて申し込みを行うのはあくまでも調教師。

つまり、そういった話があるという事を聞きつけて、直で問い合わせを行った私の方がイレギュラーなのですね。ですから、オペレーションの改善なんてする必要性がありません。単純に「馬主と直接話をする事はないので、調教師を通じて寄贈馬の申し込みを行ってください」と馬主に通達するだけで良い。選定の基準というのも、それこそケースバイケースでしょうし、実務においては需要と供給のバランスを考慮する必要性がありますので、一定にするのは不可能でしょう。

「これまで研修馬になった馬達の中に、心房細胞を発症した事がある馬はいるでしょうか?いないでしょうか?」

このクイズの答えは「いる」ですしね。

また、今回の騒動でいくつかのご意見を方々から頂きましたが、騎手の養成機関というのは国内・海外ともにいくつもあり、その関係者であったり、既に騎手になっているという方々からの意見は「研修生の間に騎乗馬が心房細動を発症して減速したといったような経験をしておいた方が本人にとってはプラス」という事で一致していました。

そりゃそうですよね。実際の競馬で、競走馬が心房細動を発症し、自分がその時に騎乗していたなんてケースは十分に想定できるのですから。

騎手も、「レースの距離を間違えました」までの大失態をおかしても半分は笑い話ですみますが、「もう止めないといけないのに鞭を連打して馬を再起不能にした」とかをやらかしてしまうと、当たり前に馬主からの恨みをかいますので、実は結構シリアスな話だと思いますよ。

つまり、「研修生が怪我をしないように」という大義名分も、「研修生に怪我をされると、組織が管理責任を問われるし、俺が出向元に戻れなくなるだろう」といったお役所事情の方が実際は大きいと考える事も出来るわけです。あとは割り込みなど恣意的な動きがあったとかね。別に研修生のためといった話でもない一面が容易に想像できます。

さて、この一連の経緯から、地方競馬の問題、例えば「問題は解決されたので競馬を再開する。」とやっては薬物が検出されて何度も中止になってる岩手競馬とか、「お前は馬鹿か?」といった話が多い理由を垣間見る事ができるわけですが、競馬は毎日続くというのが現実です。

アホもいればちゃんとした人もいる。それは一般社会も競馬の世界も同じ事。

ヨヨギマックの管理調教師であった園田の田村師も責任を感じて、ヨヨギマックの引き取り先を一生懸命に探してくださっており、また預託料もレース後の分はこちらで見ますと誠意を見せてくれています。

実は私達は肉屋に横流しをしないヨヨギマックの引き受け先に関しては、先週の段階で既に話をつけていたのですが、今回はこの田村師からの申し出を受ける事にしました。ですので、ヨヨギマックは休養にも使っていた蒜山の観光乗馬施設に引き取られます。預託料に関しては、当然我々がお支払いします(笑)。

競馬に限らず仕事においても、たまに不本意なトラブルが起こってしまう事はどうしてもあります。しかし、結局そういった問題を解消・軽減し、先に進むには「人の善意」「人の誠意」をもって対応するしかないのではないでしょうか。

最後に、ヨヨギマックよ。本当にありがとう。ただの素人でしかない俺に、「1億円稼ぐ馬を300万円で見つけた」という箔をつけてくれた。感謝しかない。お前は俺にとって心から尊敬できる友だった。限界まで走りきった現役生活だったな、お疲れ様。

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1971年生まれ 神戸市在住 海外・国内における競走馬1歳市場での馬主サポート歴多数 相馬師、馬主・一村哲也氏の代理人、馬主・吉川潤氏のアドバイザーとして活動中
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