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Clearpath Robotics社の屋内移動型ロボット プラットフォーム「DINGO」

少し前になりますがカナダのスタートアップ ClearPath Robotics社が屋内移動型ロボットプラットフォーム「DINGO」を発表しました。DINGOは主に研究・学習用途を目的にコンパクトで軽量、低価格を提供するプラットフォームで、特に自律ナビゲーションやモバイル マニピュレーション、マッピングといった用途をターゲットにしており、ソフト開発には ROSが利用できます。ベースモデルとして Differential Driveを搭載した DINGO-Dモデルと、Omnidirectional Driveを搭載した DINGO-Oモデルのパッケージが用意されており、それぞれ $8,000と $12,000からで、北陽電気社及び SICK社の LiDARを含む Autonomy Research Kit開発環境 ($10,000弱) が別途必要になります。
 オプションとして Velodine社や SICK社の LiDARをはじめ Kinova社のロボットアームなどをアタッチすることが可能で、DINGOの販売パッケージは 3D LiDARを搭載した Vision & Mapping Package、VSLAMを目的として NVIDIA の Jetson TX2 を同梱した Machine Learning Package、そして自律移動の研究開発用途に前後にそれぞれ LiDAR一つずつ搭載した Autonomy Packageが用意されています。
 ClearPath Robotics社がユニークなのは、自律移動ロボットの用途に合わせてオープンソースと独自技術をうまくブレンドし、ソフトウェアだけでなくハードウェアのカスタマイズも行う点です。スケーラブルな自律移動ロボットシステムの提供実績もあり、今後クラウド ロボティクスへの展開が楽しみなベンチャーです。
 ClearPath Robotics社は 2009年にカナダ トロント市郊外に設立された、業務用自律移動ロボット向けソフトウェアおよびサービスの開発・提供ベンチャーです。現在社員は 200名強。このベンチャーは OTTO Motorsという倉庫などの屋内向け自律移動ロボットのハードウェアを開発・販売する部門も持っているユニークなグループで、屋内・屋外の自律移動技術開発を行っており、陸上のみならず海上向け自律移動技術開発も行っています。自律移動システムにはリモート制御技術も含まれており、遠隔監視・操作も可能。ClearPath Robotics社は ROSの母体である Open Source Robotics Foundation (OSRF) のメンバーでもあり、ROSの活用も積極的に進めています。
 彼らのホームページには「BOLDLY GO WHERE NO ROBOT HAS GONE BEFORE」という、Star Trekファンにはお馴染みのフレーズが!


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