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気軽な気分で疑問を持ち続けること。若木信吾の「つかずはなれず」写真講座。予告編的な意味で。


 インターネット上のマガジン形式で文章を書いていくのは初めてなんですが、とにかく可能性がありすぎてワクワクしてます。現在思いついたところでの予告編という事でこんなことを書いていこうと思っています。

写真を撮ることの軽さと、そうしてできた写真が含む深さの、表裏一体の関係性が好きです。

 月2、3本を、夏休みに海で遊んでいるような気分で書けたらと思ってます。今考えているメニューは三つ、僕が写真と関わってきて思うこと、写真家達のインタビュー、そしてオススメの写真集について。たまには写真集以外のものもおすすめするかもしれません。

Today’s tip

写真の持つ海のような懐の深さ

その大海でみんな自由に泳いでいても、たまに人のことが気になったりもします。

 世の中の写真家と呼ばれる人は何を考えているんだろう、と気になった時にひとつのサンプルとして読んで頂ければ。そして、ふーんとその時思っても、後々何かしらのヒントになったりするかも。もしそうなったら最高に幸せです。

 僕は静岡県浜松市の出身で、小中の頃からなんとなく運動も苦手で、かといって根を詰めてプラモデルを作ったりラジコンをやったりするような手先の器用さや、集中力もまだありませんでした。学校が終わったら家に帰ってテレビや漫画を読んで過ごす日々でした。たまに父親が書店に連れていってくれるのがとても楽しみで、最初は漫画から始まり、雑誌の世界の面白さに入り込んだのでした。写真の刺激を受けたのは雑誌からです。実際の写真家のオリジナルプリントというのを見たのは随分後になってからでした。海外の写真家の作品はポストカードや写真雑誌。メンズのファッション誌なども最新の写真が見れてとても刺激を受けました。

 高校時代も、休みの日も畳の上にひっくり返ってよく漫画を読んでいました。ふと目を外すと空がパァーッと広がっていて、たまに飛行機雲が飛んでいたり、曇り空でも雲がゆっくりと動いていく様子に釘づけになったりしていました。でもそういうのはなかなか写真に撮れない、今でも気がつくたび撮ってみるけどなかなかうまくいかない。じわーっと雲が動いていく様子を撮れたらなぁと思うけど、あの、時間が無限に続くように見とれてしまうようなものができた試しはない。僕が映像を撮る理由もそこにあるかもかもしれない。流れる川面の映像とかをずっと撮っていたい。でも写真はなんでもないものをそういう空や川面のように見せることができることにも気がついた。ただまっすぐ伸びている道とか、なんでもない近所の家が並んでいる風景とか。それらは写真ではじっと見ていられるけど、実際その場でただ突っ立って、人の家をじっーと見続けてはいられない。急に誰かが出てきて、なんでうちをのぞいてるんだとか、道にぼやーっと突っ立っていたら、車にはねられてしまうかもしれない。そう思うとなんだか居心地が悪くなってしまう。写真になった風景を見て、安心してその世界に入っていけるのが好きだ。雲のように動いてはくれないけど、そこに写されている様々なディテールを舐めるように見ていると、同じような時間がやってくる。

写真家インタビュー

 僕も他の写真家のことが気になります。そこでインタビューを始めました。多くは制作の現場にお邪魔して様子を見させてもらったりしたあと、インタビューして、ポートレートを撮らせていただきます。写真家という人たちは普段どんな生活をしているのかという素朴な質問から、会話が発展すれば写真家達の写真に対する強い思いや深い考えに触れることができます。インタビューというのはその時思っていることを話してもらいますから、なんとなく写真のようですね。時間と場所や相手が変われば違う答えを言っていたかもしれない。インタビューも一期一会だと思います。そしてひとつひとつの対話が生み出す断片を集めてその人の像を自分なりに作り上げていく楽しみがあります。

 以前リラックスという雑誌で「SEE YA」という連載をしていました。毎月その時々で偶然出会った人たちに声をかけ、話をして、写真を撮らせてもらう。その対話の一部を見開き一点の写真の上にレイアウトしてもらいました。以前からインタビュー時のポートレート撮影の仕事をしていて、ライターの方や編集の方達が質問をしている様子を見て、ああ、何か写真を撮っているようだなと思ったのがきっかけです。またあんな感じのものを作れたらいいなと思ってます。

写真集の紹介

 本も写真も好きなので、それが合体した写真集はとにかく自分にとって最高のものでした。図書館には昔からあるもの、本屋には最新のもの、そういうものがひとまとめに見れる本棚は東京でもそうありません。チリも積もればで、今買わなければと思って少しずつ買っていると、いつの間にかお店や図書館以上のボリュームが本棚に入っていることに気がつきます。それでも永遠に増え続けるのを許すほどスペースに余裕を持ってないので、脱落していく本もあるのです。その中で手元に残ってきた本、今のところまだ残っている本など、気に入っているものを紹介していきたいと思います。


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子供の頃から写真を始めて、今ではプロのカメラマンとして雑誌や広告でお仕事させていただいてます。個人的な作品集づくりも。映画を撮ったり、本屋の経営もしてますが、どれも写真が軸にあってのことです。最近はラジオ番組も。毎月第4水曜日朝九時から渋谷のラジオで「レコードの谷」放送中。