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毎週月曜日の物語

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毎週月曜日に、サッカーやビジネスのお話ではなく、 感じたこと経験したことを物語としてお伝えすることが出来たらと思います。
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記事一覧

ひとおもいの温度差

ひとおもいの温度差

「誕生日、おめでとう!」

ゆりえは驚いた。まさか自分が今夜の主役として飲み会に呼ばれたとは思わなかったからだ。企画したのはゆりえに好意を抱いている賢吾だった。

賢吾は知らない土地に仕事の関係で引っ越しきて1年。慣れない土地でも人見知りすることなく、積極的に開拓していくのが特技だった。趣味はテニス。SNSを中心に呼びかけると、多くの人が一緒にテニスをやろうと集まってくれた。

そんな中で出会った

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有識者とサッカーと熱狂

自分で運営しているフットサル。初心者や未経験者、女性も参加している。モットーは「楽しく」だ。

今年に入り、アジアカップを一緒に観戦しようと初心者と経験者、女性の4人でバーで観戦した。初心者の年下の男性と試合前に合流し、お酒を飲みながら話した。

「正直、ルールと選手はなんとなく分かるものの、具体的な戦術などはまったく分かりません。」

それが普通であり、多くの人はゴールシーンこそ盛り上がるものの

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フットサルで感じた、女性の聞く姿勢

フットサルで感じた、女性の聞く姿勢

主催しているフットサルに前回は最多の7名の女性参加者が集まった。

フットサルはサッカーの4分の1のコートで行う。室内でもできることから最近は女性でも「蹴ってみたい」という人も少なくない。7名全員が未経験。20代~30代。何回か参加されてる方が4名。あとは本当にボールも蹴ったことが無い初心者が3名。

はじめに簡単なルールと基本的な「止める」「蹴る」の動作を教えておこうと思って集まってもらった。

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記念日なんて、

記念日なんて、

仕事が終わり、いつものように帰宅する拓巳。見上げるとイルミネーションが街を照らしていた。

「もうそんな季節か…。」毎年のように自分には関係の無いイベントが来ることを拓巳は特に気にすることは無い。

25歳の時からクリスマスに忘年会、大晦日など若者が好みそうなイベントには一切興味が無かった。正確に言えば興味が無くなったのかも知れない。

大学卒業と同時に大手企業に入社。無我夢中で業績を上げるためだ

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やさしさにふれる

やさしさにふれる

やさしさにふれたとき、何を感じるだろうか。

やさしさだけにふれたのか。

その人がもつ、やさしさにふれたのか。

自分の身に危険が降りかかってきたとき、その人がもつ、やさしさにふれたのか。

やさしさには、温度がある。

やさしさには、香りがついている。

やさしさには、重さがある。

やさしさには、速度がある。

やさしさには、期限がある。

あの人が亡くなったとき、今まで自分にしてくれた

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切なさのグラス

切なさのグラス

『男は「名前を付けて保存」、女は「上書き保存」』

どこかの雑誌で目に飛び込んできた、恋愛における男女の違いについて達弘は成田空港の搭乗口で、ふと思い出していた。

37歳、バツイチ。

恋愛も結婚もそれなりに経験してきた。名前を付けて保存する女がいたかを振り返ることは今までになかった。

会社の働き方改革によって有休を消化しろと言われ、イタリアのアマルフィ海岸に10日間行くことを決めた。

世界

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ものがたりを知る

ものがたりを知る

ものがたりを知ると、人はおなじ物を違った感情で考えだす。

毎日食べていた、いつものご飯が

「最後のごはん」という、ものがたりになったとき、そのありがたみを知ることになる。

毎日気になっていた、あの子が

「今日で会うことのないあの子」という、ものがたりになったとき、その尊さを知る。

毎日せいかつしていた、いつもの光景が

「いつもと違った光景」という、ものがたりになったとき、いつもが当たり

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1年に一度の家族タイム。

1年に一度の家族タイム。

お盆をずらして、家族のもとに帰省した。

1年ぶりだろうか。

「相変わらずな家族」をイメージしていたが、

父親の身体は少し小さく、

母親の笑顔からは疲れが消えず、

兄は…相変わらず。

家族全員と個別で会話をした。いや、正確に言えば1年分の出来事を聴いた。それぞれの悩みがあるものの、普段から一緒にいると言えないからこそ、自分には言えるのだと。

父親は昔からの人間だ。

夕食を外で食べるの

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幸せのパンケーキ

幸せのパンケーキ

みなさん、甘い物は好きですか?

ダイエット中のみなさん、目に毒なのでスルーしてくださいね。

関西ではお馴染みの幸せのパンケーキ、glamさん。

関西だけと思いきや、全国展開しているんですね。

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あなたと出会ったのは3年前の福島店。

飲み会で知り合った女性がパンケーキブームで美味しいと話題にしていた。

仕事の打ち合わ

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「自然」の前であるべきすがた

「自然」の前であるべきすがた

夕陽を観に行った。

ちょうど沈むところだったが、写真が上手ではないので

これが「映え」ているのかは分からない。

夕日が沈むすがたは美しく、何も考えず見つめていた。

当たり前だが、自然の方が自分より何憶万年前から活動している。

我こそは地球の王だ。と人間が勢力を拡大しようとしているのは、自然からすればつい最近の話題の一つだろう。

自然「人手を加えない、物のありのままの状態・成行き」

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あの日の青春の夏祭り。あの子の手を握る勇気を少しだけ

中学の頃、意識高すぎ出木杉くんより意識が高かったかも自分は、当時付き合っていた女子と、夏祭りの計画を着実に遂行させることだけで夏が埋まっていた。

地元の夏祭りは友達が多すぎるので標的にされやすく、花火や芸能人がくるような祭りも近くであったが、逆に近すぎて計画を遂行するのに短すぎる時間と考え頭から削除した。

夏祭りを楽しむ?

いや、大好きなあの子と手をつなぐことの方が祭りより重要で、それ以上の

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男と女のカフェ事情

男と女のカフェ事情

「裕美は、いつもデザートを注文してから食べ終わるのが遅いけど、お腹が一杯だから?」

野暮な質問だと知りながら、貴之は思わず聞いてしまった。

「だって美味しいから堪能しているの。甘いものは別腹なのよ。このチーズケーキ、限定なんだからね。」

貴之は裕美と交際してまもなく8ヵ月を迎える。彼女の容姿に性格、そして価値観までも今まで付き合ってきた女性とは比べものにならないほど合う。

デザートタイムを

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こどもとおとな

こどもとおとな

週末にフットサルシューズとボールを買いにスポーツショップに行った。

ちょうど日本代表がワールドカップを戦い終えた後の週末とあってか、こども連れの家族が多く、

「乾選手と同じスパイクが良い!」

「半端ないシュートが打てるスパイクが欲しい!」

と影響を受けているなと感じつつ、ある親子の会話が興味深かった。

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地震で分かってたと思ってたこと、感じたこと

地震で分かってたと思ってたこと、感じたこと

大阪で地震が起きました。

これは自分自身へのメモとして、残しておこうと思います。

まず、ワールドカップを早朝まで見ていた為に朝の5時に就寝、8時頃に速報で目覚める。

震源地が住んでいる場所より少し上だったが、震度4はあったかなと。

揺れに対して直ぐに取った行動は、

・窓を開ける

・お風呂に水を貯める

・非常食の準備と服を着替える

・ニュースをチェックする

と、睡眠時間が確保できて

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