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47の居酒屋日記 第3夜 高知県「葉牡丹」

誰彼構わず盃を酌み交わす「おきゃく文化」がある高知県。そんな酒呑みにもってこいの土地には、居酒屋も名店ぞろい。そんな中で僕がお薦めするのは、まちがいなく高知人も納得の「葉牡丹」です。高知の商店街を見守るように大通りを挟んで建っていて、小さな店構えなのに、奥に長い鰻の寝床のような店づくり。味のあるイラストが描かれた暖簾をくぐると、威勢のいいお母さんたちの声が店中に響き渡っています。従業員はほぼ女性が占め、まさに女性の県民性を表す「はちきん」を具現化したように、時には言い争いになっているように聞こえなくもないけど、それがこの店の一番の名物。一人なら直ぐにカウンターに座れますが、少々混んでいても、さっと常連客が席を空けてくれるなど、客も店の一部のようなアットホームな雰囲気があります。「どろめ」や「カツオのたたき」など高知ならではの料理も美味しいけど、名物は串揚げ。5本でたったの300円程度なのだから驚き。そして、スタミナ豆腐にオムライスなど、長年愛される定番料理。中でも「親鶏(タレ)」がバツグン。食品用のエレベーターの動作音が響く二階席もどこか哀愁を感じる空間で、この店で昼から呑むことを通称“ヒルハボタン”というほど、地元民からも愛される店。


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