『孟子』104離婁上ー孟子の言葉(23) 人が気にかけるべきこと

孟子は言った。

「ふさわしくない小さな人物が、その地位についていたとしよう。
だが、誰かと一緒になって非難する必要はない。
それに、彼の政治を批判してまわる必要もない。
ただ、偉大な人物のみが、君主の心の誤りを正すことができるのだ。

君主が仁であれば、仁でないものはいなくなる。
君主が義をつらぬけば、義でないものもいなくなる。
君主が正しければ、正しくないものはいなくなるのだ。

つまり、ただ一人、君主を正せば国家は定まるのである。」

孟子は言った。

「さて、ときに、思いがけないような栄誉を被ることがある。
だが一方で、どれほど万全を期しても非難されることがある。」

孟子は言った。

「人は、自分の言葉を気安く口にすることがある。
つまり、自分の言葉に責任を負っていないだけのことである。」

孟子は言った。

「人の悪いクセには、やたらと人の師になりたがる、というものがある。」

*以上、『孟子』104離婁上ー孟子の言葉(23) 人が気にかけるべきこと

【原文】
孟子曰、「人不足與適也、政不足間也。惟大人為能格君心之非。君仁莫不仁、君義莫不義、君正莫不正。一正君而國定矣。」孟子曰、「有不虞之譽、有求全之毀。」孟子曰、「人之易其言也、無責耳矣。」孟子曰、「人之患在好為人師。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?