Les Plaisirs de Versailles

Les Plaisirs de Versailles ; Théâtre et musique
Philippe Baussant avec la collaboration de Patricia Bouchenot-Déchin
Edition Fayard, Serie “ Les chemin de la musique “
ISBN 2-213-59657-3 ;1996年12月刊

とうとう翻訳を紹介できなかった、20世紀の終わりの名著。タイトルはもちろん、シャルパンティエMarc Antoine Charpentierの名作divertissementから採ったそうだ。以下に1999年にプレゼン用に書いた簡単な紹介:
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ルイ13世によるヴェルサイユの最初の仮小屋から、フランス革命直前まで、ヴェルサイユ宮の歴史と、宮廷での音楽、演劇活動の詳細を、単なる想像ではなく当時の文献と豊富な図版から活き活きと描き出している。
 第一部では、ヴェルサイユの歴史が、宮廷の中心となった人々を中心に述べられている。ルイ13世の当初の発想から、ルイ14世の趣味の分析、マントノン夫人の実像、ポンパドゥール夫人の活動、そしてマリー・アントワネットがいかに宮廷や大衆に愛され、そして憎まれたかまでが、周囲の宮廷人の証言、お気に入りの音楽家や劇団の活動を通して描かれ、音楽の専門家はもとより、一般の人々にも革命前夜の宮廷史についての、いわば「長編小説」として楽しまれている。
 第2部では、音楽家を中心に、宮廷やその周囲で活躍した重要人物一人一人について、宮廷の組織の構造とともに解説される。フランスでも、ここで初めて各人物の関係が明確にされたとして、宮廷活動の実際を知るための必読書とされるところであり、日本においては、音楽家の間でも、日本語で読める資料がないため想像力に頼るしかないとあきらめられている部分でもある。
 第3部は、音楽、演劇活動が行われた場所について、その建築、音響などを、設計図、版画、手紙などの資料から分析する。音楽家にとっては、この時代の音楽が実際にどう演奏され、どう響いたかの資料として、また建築、演出や舞台装置の専門家などからは設計、演出に新しい発想を与えるものとして読まれ、議論のための資料となっている。
 ヨーロッパでは、この本の出版以降、特に18世紀前半までのオペラの上演を中心にいっそうの豊かさが見られるようになり、また聴衆も、上演に際して想像力を働かせることができるようになり、難解であると思われていたモリエールなどの一部作品にも新たな光が与えられたと、単なる書物として以上の評価を得ている。
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故フィリップ・ボーサン氏からは関根敏子氏が一緒に翻訳をする権利の許可をもらってくださり、第1部は、80%ほど粗訳が終わっているんだが、ここまで公開できていない。

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