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100年つづくブランドを目指す「ミナ ペルホネン」の世界観を体感する

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

2月だというのに、東京はなんだか春めいた天気がちらほら。今日はそんな陽気にも誘われて、バタバタして行けてなかった展示会に滑り込みました。東京都現代美術館(MOT+)で開催中の「つづく展」です。

かわいらしいテキスタイルが広く知られている、皆川 明率いるミナ ペルホネン。ファッションのみならず、インテリアや雑貨などにも広がる独自の世界観をもつブランドは、来年で25周年を迎えます。

「つづく」をキーワードに、「実」「森」「風」「芽」「種」などブランドの哲学や創作の源となっている言葉を元にセクションごとに展開されていきます。最初に登場する「実」のセクションでは、原点ともいえる「tambourine」に注目した展示です。

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(セクションごとに写真撮影可・不可が明示されており、本記事では撮影可のところを掲載しています)

「tambourine」は25個の小さなドットで構成された円の刺繍。ただし、この円は正円ではなく、皆川によって書かれたフリーハンドの円であり、ドットの間隔やふくらみも不均一。人の体が左右対称ではないように、不均一であることが実は自然なのではないでしょうか。心地よくすごせる「特別な日常服」をつくりつづけるミナ ペルホネンをよく表している柄だと思います。

かすかに呼吸してそこに佇んでいる様なレリーフの柄を描いてみたかった。
一粒、一粒描きながらなんだかずっと付き合いそうな気配を感じて高揚する感覚を今でも覚えている。
それは的中した。私自身もこのタンバリンという柄に出会ったのだと思う。

皆川明 『minä perhonen ?』より引用

このクリエーションを支えているのが、刺繍工場「神奈川レース」。展示では、工場で実際に刺繍している風景が動画で紹介されています。

次のセクションは「森」。ブランド設立当初から今にいたるまで、25年分の服が一同に会します。その様相はまさに森であり、圧巻です。

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並べられた服をみてみると、どれもいま売っていてもおかしくないものばかりです。流行に左右されない、時代を超えて長く使えるというブランドの特徴をよく表しています。「生まれ変わったらミナの服を着こなせる人になりたい」と夢見るわたしにとっては、森というより宝の山に見えました(笑)。

1995年にファッションからはじまったミナは、1999年にはオリジナルデザインの家具、2008年には食器のコレクションへと領域を広げ、国内外のブランドとのコラボレーションも増加しています。「種」のセクションでは、過去・現在・未来にわたる創作のアイデアや試みがまとめて紹介されています。

その中でも最もわたしの目を引いたのは、これ。ピンバッジの金型です。

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実はわたしとミナとの出会いは、17年ほど前にこのピンバッジを雑貨屋で見つけ、一目惚れしたところからはじまりました。残念ながら着られる服がないので、エッグクッションなどの小物類を買い集めながら今にいたります。今日もこれを身につけ、コンバースとコラボしたスニーカーを履いて、展示会に足を運んだのでした。

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このセクションには「shell house」という、フィナボッチ数列から着想を得た「簡素で心地の良い宿」のプロトタイプも展示されています。

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自然の中に溶け込むように、こんな宿があったら素敵だろうなぁと夢みながら会場をあとにしました。

ついに明日が最終日。お見逃しなく!

「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」
会期:2019年11月16日〜2020年2月16日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F


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※ 画像はすべて筆者撮影

#COMEMO #NIKKEI

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