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短編小説 #5 橙の星 I 夢の回廊

Shin_Kuma

僕は橙色に輝く星へ向かった
橙色の星は砂漠の星だった
一面を砂で覆われている。所々土地が隆起し山を形成していた

空から大地を眺めていると、二等辺三角形の山を見つけた。その山の麓には建造物があり、大きな町を形成していた。また、町が形成されている裏方の山は砂で埋もれていた

僕が降り立った場所は町の中心部だ
目の前には広場が広がり、右手側には図書館、左手には集会場があった。そして正面は登り階段が続き、二等辺三角形の山に沿う様にして高い位置に城の様なものが見える

この町はとても綺麗だった。しかも整備されていて立派な都市に感じた
人は誰一人いなく、とても静かだった
僕は階段を登り城へ向かった

城は扉はなく、とても大きな門構えがあった
ずっと遠くに天井がありとても広い空間となっていた
僕は誰一人居ない城の中を散策し始めた

しばらくして玉座の間についた
そこは壁一面、天井にまでわたって、人の背丈と同じ位の大きな古代文字が彫られていた
古代文字は壁画調になっていて、何かを伝えようとしている物だった
それは赤・緑・青・黒の4色で色飾られていた。
「この配色は、どこかで見たような。。」
壁画を見ていると、供物が書かれてあったり、城に仕えるものが書かれていたり、当時の豊かな生活を思わせた

部屋の中央には大きな玉座が二つそれぞれに何かをはめ込む窪みがあった
二つの玉座を挟んで中央にも石をはめ込むような窪みがある

石といえば
僕は緑の星から持ち出した緑の石に目をやった
微弱に光る石は、徐々に輝きが落ち着いて、よく見ると美しいエメラルドになっていた
僕は拳大の大きさのエメラルドを中央の窪みに当ててみた
それはピッタシとはまり、エメラルドは窪みに吸い付くようにはまった
すると、何やら星が動き出したように感じた

左の玉座に目を送る。この玉座の窪みは。。
僕は胸ポケットから人形を取り出す
人形はよく見ると、この星の古代文字と同じ様な文字が刻まれている
髪の短い少女の絵も、何処となく壁画の人物にそっくりだ。ただ壁画の人物の方が少し大人びている様だった
人形を玉座の窪みに嵌めてみると、こちらもぴったりと嵌め込む事が出来た
エメラルドも人形も、元はこの場所にあったものだと確信した
しかしまだ一つ何かが足りない様だ

改めて壁画見る。この壁画に何か手がかりがあるのではと思ったからだ
天井を見渡し、四方の壁一面を眺めた

壁画の中の彼女を見る
彼女の隣の空間に違和感を覚えた。その隣には人の様な影が描かれているが、黒く塗りつぶされていた
それは誰かが後から塗り潰したものではなく、壁から黒いシミの様な物が滲み出している様だった
そのシミの部分をよく見ると、大きな石の様な物が描かれ、微かに緑色を感じ取れた
これは恐らくエメラルドの事だろう

僕は他に何か手掛かりが無いか調べてみた
黒く塗り潰された人物は、頭に角の様な物が伺える
その隣に小さな太陽の様な絵が描かれていた
その絵は真っ黒に塗られていてはっきりとは分からなかった

抽象的な手がかりではあったが、僕はそれを見つけようと決心した
「一度この星を抜けよう」

城の門を抜けようとすると、なんと町に緑が生え始めていた
通路や階段の脇など等間隔にシダの葉が成長し、赤を基調にした色取りの花が咲き始めていた
豊かな都市が、さらに豊かになっていく様を見ながら、僕は次の目的地を目指し宇宙へと戻って行った

宇宙に戻ると、そこも景色が変わっていた
幾つもの星が生まれ、一筋の天の川を形成していた
星数は既に数え切れない程になっていた
しかし、元々あった4つの星は僕には明確に判別がついた

景色に圧倒されながらも、僕は向かうべき所があった
それは青い星だ。僕は青い星に向かった

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Shin_Kuma
写真とカメラをこよなく愛するスピリチュアル系のエンジニアです。馴染みのある横浜から長野へ移住して早7年。地元会社に勤めながら、田舎&農村ライフを送っています。唐突に思いついた小説作りのためにnoteを始めました。小説を書き終えたらまた別の事をnoteで始めるかも知れません。