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1976年新戦略「微生物の帰還」    製薬会社が密室で公衆衛生政策を策定 メルク実験用豚インフル💉はギラン・バレー症候群の全国的流行を招く

前回エイズパンデミックの背景に感染症対策をする政府の衛生機関がお払い箱の危機にあったことを紹介しました。
引き続き、政府衛生機関が脅威の感染症をつくり、パンデミックを引き起こして自らの存在意義を高めようとした背景について、「真実のアンソニー・ファウチ/ビル・ゲイツ、大手製薬会社、そして民主主義と公衆衛生を巡る世界戦争」(ロバート・F・ケネディ・ジュニア著、2021年)から見ていきます。
 
国立アレルギー・感染症研究所NIAIDなど傘下に27もの機関を抱える米国立衛生研究所NIHの予算の大半が、国立癌研究所NCIに集中したことから、お金のない公衆衛生部門に小さな政府、新自由主義が浸透していきます。
なんでも民営化、あるいは民間資本が投入されることによって、効率が最優先されるようになります。つまり費用対効果を最大化することしかない眼中にない企業独裁です。
 
ワクチンにどっぷりの高官を描いた冒頭のイントロダクションから引用すると、
<製薬会社の広告費によるメディアへの財政支配は、ファウチ博士の発言を議論の余地のないものにし、NIAID所長に科学にも公衆衛生にも民主主義にも支えられない個人的な美徳と医学的重みを与えた。>
※ほとんど見ないテレビですが、たまたま見ていると、俳優を使った肺炎球菌ワクチンと帯状疱疹ワクチンのCMが立て続けに流れました。わが国でも製薬企業によるメディアの財政支配が現実のものとなっています。
 

脅威の元祖・微生物の帰還


使命のない代理店よりの引用です。
定期的なパンデミックに対する国民の恐怖を煽ることは、NIAID と 米疾病予防管理センターCDC の官僚にとって、自分たちの機関を適切な立場に保つための自然な方法だった。ファウチ博士の直属の上司であり、NIAID 所長の前任者であるリチャード M.クラウスは、ファウチ博士が同局に勤務して 1 年目の 1976 年にこの新しい戦略の先駆者となった。クラウスは、彼が「微生物の帰還」と呼んだ戦略の擁護者であり、微生物を致命的な病気の恐れられる元祖としての以前の状態に戻そうとした。その年、連邦規制当局は偽の豚インフルエンザの流行をでっち上げ、CDCは人命を救うスーパーヒーローとしての評判が回復するのではないかとの期待を一時的に高めた。>
 

製薬会社が密室で公衆衛生政策を策定


<その理想主義的な時代であっても、規制当局は製薬会社が密室で公衆衛生政策を策定することを許可していた。ファウチ博士が間もなく後任となるクラウス所長は、メルク幹部を社内の計画会議に協力者として参加するよう招待した。メルクと協力して、NIAIDは納税者の資金を使ってワクチンの開発と配布に補助金を出し、テストされていない製品を市場に急いで投入した。>
※おさらいですが、メルクにとって、特許切れのイベルメクチンに魅力はありませんでした。新型コロナウイルスパンデミックを抑え込むという名誉は必要ありません。
 

メルク実験用豚インフルワクチン、ギラン・バレー症候群の全国的流行を引き起こした


<しかし、豚インフルエンザのパンデミックは失敗であり、合衆国保健福祉省HHSの対応は世界的に恥ずべきものだった。この「パンデミック」で亡くなったのはフォート・ディックスの兵士1人だけで、メルクの実験用ワクチンは、規制当局がジャブ(※注射の俗称)をリコールする前に、ポリオに似た壊滅的な麻痺の形態であるギラン・バレー症候群の全国的流行を引き起こした。
ワクチン製造会社メルク社、メレル社、ワイエス社、パークデービス社の4社は、利益と補償金が保証されない限り、ワクチンを政府に販売することを拒否していた。彼らはワクチン接種キャンペーンの数カ月以内に1900万ドルを求めて訴訟を起こされた。司法省が訴訟を担当した。>
※健康被害は免責させる製薬会社に有利な契約を結び、国費購入させ、在庫も引き取らない新型コロナウイルスワクチン・ビジネスモデルの原型があります。
 

ジャーナリズムが生きていた過去


<1997 年以前、FDA はテレビでの医薬品の広告を禁止していたが、製薬会社はまだテレビのレポーターを医薬品担当者に変えていなかった。つまり、ジャーナリストは依然としてジャーナリズムを行うことを許可されていた。『シックスティ・ミニッツ』では、偽豚インフルエンザのパンデミックとNIHの実験的ワクチンによる犠牲者の波を引き起こしたHHSの汚職、無能、隠蔽をマイク・ウォレスが容赦なく暴露する痛烈なコーナーを放送した。NIAID長官リチャード・クラウスは1984年に辞任し、その席を忠実な副官トニー・ファウチに譲った。
ファウチ博士の管理の下で製薬パラダイムの上昇する力を痛烈に象徴するものとして、1976年のパンデミックスキャンダルに関する60分間の報告書は現在インターネットから大部分が削除されている。>
 
HIV/エイズより
<これらの壊滅的な結果にもかかわらず、ファウチ博士が1976年の豚インフルエンザ危機から得た教訓は、パンデミックは政府機関の権限と可視性を拡大し、製薬会社の巨大企業との有利なパートナーシップを強化し、出世するための好都合な機会であるという啓示だったようだ。4 年後、エイズのパンデミックは NIAID にとって救いの岐路であり、ファウチ博士の輝かしい台頭の出発点となった。エイズ危機への規制対応を調整することから彼が学んだ教訓は、その後のパンデミックを管理するためのよく知られたテンプレートとなるだろう。>
 
次回から米大統領候補のコロナ告発本が教えてくれる エイズ編です。
 

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