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政治家は無限の財源を得て、銀行家は永遠の利子を得た これが中央銀行パートナーシップ制 9章要約

こんにちは、シン・説です。
★インフレは最も不公平で政治家と銀行家にのみ都合のよい徴税システムであることを告発したG・エドワード・グリフィン著の「ザ・クリーチャー・フロム・ジキルアイランド(ジキル島で生まれた怪物)」の要約(※翻訳本にはありませんので)をじっくり紹介しています。
インフレの本質は、購買力が収奪されることです。インフレ徴税は国民に気付かれず、隠れる場所もありませんから、政治家にとって最高の徴税システムです。
では9章の要約からです。
 
9章 秘密の科学
14世紀に銀行業務は始まった。
その機能は、人々のコインを評価し、交換し、保護することだった。当初、彼らが扱った多種多様な硬貨を考えると、驚くほど効率的に運営されていた、完全に正直な銀行の顕著な例があった。
彼らはまた、信頼できる紙の領収書を発行し、お金として自由に流通していた。そして、その過程で誰も騙さなかった。
しかし、より多くのお金とより多くのローンに対する大きな需要があり、銀行家はすぐに誘惑に駆られてより簡単な道を探した。彼らはレシートと書いてある紙切れを貸し出し始めたが、それは実際には偽物だった。大衆はどちらかを見分けることができず、両方をお金として受け入れた
その時点から、流通しているレシートは、蓄えられている金を上回り、そして、部分準備銀行の時代が幕を開けた。これはすぐに、当時から現在までほとんど破られていない記録につながった。インフレ、好況と不況、支払いの停止、銀行の破綻、通貨の否認、繰り返される経済混乱の記録。
部分準備銀行を制度化するために1694年イングランド銀行ができた。
世界初の中央銀行として、それは、銀行家と政治家の間のパートナーシップの概念を導入した。政治家は、増税することなく、(銀行家によって何もないところからつくられた)使用可能なお金を受け取る。
その見返りに、銀行家は取引の手数料を受け取る-これは一見利子と呼ばれる-これは永久に続く。
それはすべて銀行業の不思議な儀式に包まれているように見えたので、一般人には理解できないと思われていた。計画に対する反対は事実上なかった。この取り決めは参加者にとって非常に有益であることが判明したため、すぐにヨーロッパの他の多くの国に広がり、最終的には米国に広がった

【個人的感想】
高利貸しは、キリスト教、イスラム教に禁止されてきました。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」のシャイロックのように、高利貸しは悪辣で情け容赦ないものだというイメージも印象付けられています。保守主義の父エドマンド・バークはフランス革命の国民会議の中に、法律家、医師、金融業者が多数を占めていることに驚き、「国益を顧みない私利私欲を追い求める」職業として政策を担うにふさわしくないと厳しく批判しました。
こうした金満への羨望と蔑みが入り混じった職業ゆえに中央銀行制度を銀行家のみの陰謀と見がちです。連邦準備制度のような民間銀行に永久に続く国債の利子払い(国民の税金)はわかりやすい攻撃材料です。私も敵は銀行家のみだと信じていました。
銀行カルテル構築のためのジキル島秘密旅行にも銀行員五人に対して政治家はたったひとりしか参加していませんから、本書を読むまで政治家と銀行家が対等(いやむしろ関係解消の権利を持つ政治家の方が上位)なパートナーであるとは夢にも思いませんでした。しかし、銀行家のみの陰謀なら、例え、民間が支配する中央銀行であっても、政治家は法律によって廃止できるわけです。
なぜ政治家はそうしなかったのか、そうしないのか(アメリカではわずかな政治家は強硬に反対しましたが)。
その秘密が、政治家が増税することなく財源確保の方法を得たということです。そして、パートナー関係というよりは、共犯関係ということです。
卑近な例ですが、医師連盟や石油連盟など自民党への寄付の上位団体から順に政策で恩恵を受けられる(国民が政党助成金で最大の寄付をしているのに)ことは政治資金と日々のニュースを突き合わせれば、すぐにわかります。
しかし、この政治家と銀行家の共犯関係を理解するには、政治家のメリットを深く理解することが鍵です。そして深く知れば、いけしゃあしゃあと増税を課そうとする者への怒りが抑えきれなくなります。
 

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