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誰のために

あなたが鍼灸師として働くのならだれの為に働くのか。
何のために働くのか。という事を明確にすることはとても大切だと思う。
私は自分自身のサロンの経営について考える時、何かを決断するときに優先している事がある。

1⃣それは患者さんの為になるか?

2⃣一緒に働くスタッフの為になっているか?

3⃣私のやりたい事か?

必ずこの順番で聞く。そしてこのどこかの段階でNOとなった場合はやらないを選ぶ。

私が何よりも大切にしている事はお客様である。
独立をしようと思っている時に起業家の経沢香保子さんの起業するための心得と銘打ったセミナー(すでに名前はよく覚えていないのだけれど・・)で経沢さんが言った言葉で「一人でもいいからその人を120%満足させられれば起業は出来る」という言葉が残っている。
 自分の為に起業すると思っていた私にとってこの言葉はとても意外だった。目の前にいるお客様を満足させ続けるって本当に難しい。1回ならそこまで難しくない。私も含め人はあるときの特別が気が付くと当たり前になり、飽きてしまう。そして、当たり前の物がもらえなくなると去っていく。
飽きさせないようにと思うと、奇をてらいすぎたり・・・。簡単に見える事、シンプルな問ほど難しいものはないと思う。今もこれからも私はずっと目の前の患者さんと新しい気持ちで丁寧に向き合う事を心がけている。同じ治療は出来ないし、同じコンディションはない。私なりの哲学を持って施術をしたい、患者さんと向き合う事。お客様が来た時より幸せになる為に私が出来うる限りの事を提供する。もちろんそれは私の中での現時点の答えであって他の人にとっては違うかもしれない。
 少なくとも私が何かやるときにはまずお客様のためになっているか。なのである。時として、自分の我を通したくて無理やりお客さんの為、といっている場合はこのメッキがはがれる事になる。ここさえ押さえていたら大きく間違える事はないな、と思っている。

 一緒に働く人がいるという事。一人で始めている時、私はずっと孤独だと思っていた。何をするのも決めるのも自分で決めなくてはいけないし、決めた事がうまくいこうが行くまいが、責任を取るのは自分である。
 うまくいってもいかなくても誰も喜んでくれない。自分ひとりの世界。頑張らないと取り残されてしまう。まさにそういう事を考えていた。
 そんな私だけれど、いつも周りには誰かがいてくれた気がする。助けてくれて、道を踏み外さないように見てくれる人がいる。
 相談しても相談相手が私の背中を押してくれる事も、そうでない事もある。いずれにしても、私は自分の選択に責任を持たなくてはいけないし、問題が起こっても誰かのせいにするのではなく、自分が選択した結果だと受け入れられる人でありたいと思っている。
 現在私は一緒に働いてくれるスタッフと一緒に自分のサロンを営業しています。私の思い通りの世界にするではなく、私が癒したいお客様を一緒に癒す世界を作りたい。そういう思いで一緒に働いています。
 お客様が喜ぶのと同じくらいセラピストがここで働いてよかったと思う事をする。それが結果として私の為になっていると思うから。

 セラピストという仕事はゴールはない。でも、遠くに見えるゴールを目指して走り続けないといけない。足元を見る事もそれはそれで大切だけど、私は遠くに小さくでも光っている光に向かって走りたい。その光が見える限り。たまには気づいたら光に背を向けているかもしれない。
そしたら、一旦止まって、向きを変えてもう一度光に向かって走り続ければいい。
 一人で仕事を始めた時、全部自分で決めなくてはいけないし、スリッパはどうするのか、施術着はどうするのか、自分のサロン着はどうするのか果てはトイレットペーパーは?決めなくてはいけない事が多くあり、いつまでたっても仕事は終わらないような気持ちになった。

 私の場合、多くの事はその道のプロにお任せし、自分のセンスの無さを痛感する事となったがそれでよかったと思う。
 治療について、お客様との関係性について、スタッフと作り上げる空間について。そして私が幸せか。物事をシンプルにして考えていけば決める事が多くても何んとかなる。
 今でもやるべきことは多く、そしてなかなか終わらないけれど…。それでもなんとかやっていけてはいる。結局は3つのポイントで考えてみて、考えた時に答えが出なかったらまた何か方法を探すかもしれない。

皆さんは何かを決断するとき、決める基準やルールはありますか?

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