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結局コツコツやった先にしか道は拓けないってことじゃん

映画館の帰り道、ぼんやり道を歩いていたら、ピアノの音が聞こえてきた。

通り沿いにあるカフェか飲み屋の店先においてあるピアノをお客さんが演奏しているみたいだったんだけど、それがすごく上手で、すごく得した気分で歩きながら「ああ、こんな風にピアノ弾けたらな〜、いいな〜楽器が弾けるの」って思った。
でもよく考えてみたらこの人もいきなりこんなふうにピアノが弾けるようになったわけじゃないんだよな。
すごく当たり前のことだけど、練習して、練習して、嫌になることもあっただろうけど、それでも練習して、そうやってやって積み重ねてきた先に、いまこうして軽やかに、なんでもないように、楽しそうに弾けてるんだよな。

いま上手に弾いている、その結果の部分しか見てないから、簡単そうに見えちゃうけど、それってものすごい努力の上に成り立っているんだよね。
「いいな〜」なんて簡単に思っちゃうけど、そこにいたるまでの道をショートカットするなんてできないんだよな〜、なんて当たり前のことを考えてしまった。

こんなことを考えたのは、その直前に見てきた映画の影響が大きい。

見てきたのは「Away」というアニメ映画。
上映終了になりそうだったので慌てて劇場に見に行った。

すごくきれいなアニメ作品。
ヨーロッパの小国ラトビアというあまり馴染みのない国の映画なんだけど、美しくて、素晴らしい作品だった。

作品としても独創的ですごいクオリティなのだけど、ぶっ飛んだのは、この映画、25歳(当時)の青年がたった一人で全部作ったということだ。
75分の長編アニメを3年半の歳月をかけて全部一人で作ったのだという。
監督も脚本も編集も音楽も、全部一人。
セリフがないから声優も使っていない。ほんとに一人でまるごと作った映画。
スタッフクレジットは、監督のギンツ・ジルバロディスという名前だけが出る。

3年半、たったひとりで…コツコツと
なんというか、偉業としか言いようがない。

パンフレットによると、毎日8〜10時間くらい取りかかって作業をしていたという。
3年半、毎日10時間、コツコツと作り続ける。
考えただけで気が遠くなる。
いったいどんなモチベーションで取り組んだのか。
恐らく毎日作るってことだけ決めて、あとは習慣化してやっていたのだろう。
アニメーションを作るのに疲れたら、音楽を作ったり、作業を切り替えていたようだ。
寝る数時間前には作業を切り上げていたということと、本当に疲れた時は、どこかに旅して、作品について考えないようにしていたという。

毎日決まった時間、黙々と取り組む。
恐らくモチベーション維持の秘訣はこれだけだ。
そうやって毎日一人でコツコツと積み上げていった先にこの素晴らしい作品はある。

これを見て、あるマンガのことを思い出した。

3年くらい前に、仕事の打ち合わせで会ったマンガの編集さんに「最近オススメのマンガって何ですか?」って聞いたら、即答で返ってきたのが「王様ラインキング」というマンガだった。

まだ単行本化はされてなく、ネットでバズりたてほやほやみたいな時期で、調べてみたら、ものすごい勢いで拡散されていた。
さっそく読んでみた。

はー、たしかに面白い!
すごいバズりかたしているし、すぐに出版されて大ヒットするんだろうなって思った。

そして本当に、その何ヶ月か後に単行本化されてヒットして、今年の10月からはノイタミナでアニメ化が決まっている。ノイタミナですよ、ノイタミナ。
もう、サクセスまっしぐらじゃない。

ネットにぱっと出して、ちょっとバズればヒットにつながって、すごい時代になったよね〜なんて軽く思っていた。

ところが、最近、この本を読んで、軽く考えてすみませんって気持ちになった。

作者の十日草輔さん、この人もコツコツと積み上げた人だったんだ。
そんなに簡単に手にいれたものではなかった。

マンガがバズったのは、描き始めて2年ほど経ったとき。
たまたまSNSで話題になったということだ。
それまではほとんど注目もされてなくて、一度単行本化の話もあったけど、それは途中でぽしゃっている。
41歳で会社をやめて、それから2年間、一人で家にこもって、誰とも付き合わず、
貯金を切り崩して、ひたすらマンガを描き続けたそうだ。

仕事になるかもわからない、ヒットするかどうかもわからない、ほとんど注目もされない中で、ただひたすら一人で描き続けることがどれだけ孤独で難しいことか。

2年間、モチベーションを絶やさず描き続けるためにこんな事をしていたようだ。

マンガを描き続けるためにまず習慣化しました。
(1週に1話完成する 15P)
・夜8時に横になり
 深夜3・4時に起きる。
・夕方5時には作業をやめる
・土日は休日とする
<無報酬でモチベーションを維持するのはとてもずかしい>
やる気の維持
これは続けられないです。なので書くのを習慣化しました。
(この時間は作業すると決めた)
毎日、学校や会社に行っている感覚です。
それと無理はしないこと、妥協すること、しっかり休むこと。

やる気というか、不定期アップになると、読んでくれる方が離れてしまう。
その恐怖が背中を押してくれた。
毎週同じ日に1話アップするのはとにかく重要で、読んでくれる人に覚えてもらえる。

つまりこういうことだ。

やる気なんて起きないから習慣化する。
やる時間を決める。
休む時間も決める。
毎週同じ日にアップする。

なーんだ、そんなことか、ってことかもしれないけど、ほんと、言葉にしてしまうと、「そんなことか」なんだよね。
でもこれをやるかやらないか、これを積み重ねられるかどうか、それだけが人生を大きく分けるのだと思う。

結果だけ見たら、ネットでバズったマンガが売れてアニメ化されて、ぽんぽんと簡単に進んだだけに見えてしまう。
しかしそれを支えたのは、ほとんど注目もされないまま、孤独な一人作業を習慣化して、2年間コツコツつづけたことの上にある。

「王様ランキング」の十日草輔さんと「Away」のギンツ・ジルバロディスさん、いずれも一人でコツコツと何年も作品を一人で作り続けた人なわけだけど、
・毎日決まった時間作品を作る
・休むときは休む

このルールは共通している。
ようは、モチベーションとかやる気なんてものは、あてにならないから習慣化するしかないってことだ。

これはぼくが普段からやっていることでも同じことが言える。

習慣化して、コツコツと続けられるかどうか、そこが大きく人生を変える。

そういえば、新海誠監督のデビュー作「ほしのこえ」も一人で作ったアニメだった。

一人でやるのが絶対的に正しいとは思わないけど、仲間が集められなくても、スタッフや資金を集めるのが難しくても、一人でコツコツ積み上げていくっていうことは、時間さえ作れば誰にだってできる。
「Away」のギンツ・ジルバロディス監督が一人で作ることを決めたのは、若くて経験もない自分が長編アニメを作るには一人でやるしか選択肢がなかったからだと言っている。
映画制作に使ったツールは、誰でも普通に買えるMacBook1台だけ。
やる気さえあれば、自宅でたった一人でパソコン一台で長編アニメを作れるのだ。
マンガだって、PC一台、もしくは紙とペンがあれば誰でも描ける。
絵が描けないなら文章を書くのをコツコツ続ければいいし、マインクラフトで大きな城を作るのだって、なんだっていい。

ようはやるからないかだけだ。
そして近道なんてどこにもなくて、コツコツやり続けた先にしか道は拓けないってことだ。
逆に言えば、コツコツやることを習慣化するだけで、何か大きなことが起こせるかもしれないってことでもある。

なんか元気がでる話じゃない?

さ、今日もいつもどおりコツコツやっていこう!っと。

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