見出し画像

プロの料理人から学んだ3つの哲学-下里夢美のNGO航海記

下里夢美のNGO航海記 第2回目の放送は、下里が起業当時にお世話になった、田中強シェフをお招きしておしゃべりしています。

その際の文字お越し記事をアップしています。

田中 強シェフ Langue Memoire(舌の記憶)代表 https://www.instagram.com/tsuyoshi.momotarou/

■プロの料理人から学んだ3つの哲学■


  • 人間関係が終わるときは0ベースで!

  • ネガティブフィードバックさえも受け入れるコツ

  • 同業他社にノウハウを共有すること

シェフ、お付き合いいただき、本当にありがとうございました。これからの人生でも末永く、よろしくお願いいたします。

収録の中でご紹介した本や組織

  • 『ドラッカースクールで学んだ本当のマネジメント』藤田 勝利 著

  • 『ZEN 禅的マネジメント』小森谷浩志 著

  • 『世界標準の経営理論』入山 章栄 著

  • 株式会社EMA https://socialmap.jp

下里「このチャンネル「下里夢美のNGO航海記」では、NGO・国際協力・アフリカ・シエラレオネ・社会起業などについて、様々なゲストをお呼びして赤裸々に対談・情報交換していくチャンネルになっています。

今日はですね、私が活動を続けていく上で、大切な基礎を教えていただいた、人生の大先輩である、田中強シェフをお呼びしています。シェフ、今日はよろしくお願いします!

シェフ「よろしくお願いします。Langue Memoire代表の田中強です。」

下里「はい。ありがとうございます。私がアラジを立ち上げたのは大学卒業後の2014年だったんですけども、その後Webデザインのスクールに行った後に、お世話になったアルバイト先がフレンチ料理屋のアンディカフェというワンちゃんが一緒にお食事できるカフェでした。アルバイトでキッチンをしていた時にお世話になったのが田中強シェフです。シェフ、自己紹介とか簡単な経歴など教えてください。」

シェフ「はい。了解しました。最初の修行場所は上野精養軒、松屋銀座店で約4年間修行した後に、自由が丘に店舗を構えて約20年オーナーシェフをやっていました。料理のリリースや、お店のスタートアップ、出張料理、芸能人のクルーザーパーティーなどなどいろんなお仕事をいただき、2012年のテレビ番組「お願い!ランキング」では、自分のつくったふわとろオムライスが1位になり、その年の総合ランキングでも1位になりました。

その後、別の世界の経験値を育みたいと思いオーナーシェフを一旦止めて、別の店で働きたいと思いました。そしてアンディカフェの社長に出会いグランドシェフをやることになりました。その後2年ぐらいに夢ちゃんと出会うことになりました。そんな感じです。」

下里「はい。自己紹介ありがとうございました。本題なんですけども、何で本日お呼びしたかって言うと、シェフと団体設立から2年間、一緒にいた時間がすごく長かった間に、たくさんの事を教えてもらったからです。たくさんのことを考えて学んで言語化してその後の活動の発展にとって本当になくてはならないヒントを沢山頂いたなと思っています。それを今聞いてくださってるみなさんにシェアしたいという思いで発信をしております。たくさん本当に喋りましたよね。」

シェフ「そうだね。いっぱいお話したよね。仕事しながらね。」

下里「そうですよね。シェフその時、結構働きずぎというか、すごい働いていたので。家にいて奥さんと話している時間より、バイトの子と喋っている時間が長いっていう。」

シェフ「間違いないね。」

下里「本当にたくさんのことを教えてもらって。本当に懐かしくて。すごく幸せでしたよね。ただのバイトなのに、すごいよくしてもらって。シェフの作る料理とかまかないが本当に美味しくて。本当に美味しくて、友達も何人も連れて行きましたし、そのせいで舌が肥えて、その後シエラレオネ行った時ちょっと大変だったんですけど。」

シェフ「(笑)」

下里「はい。そんなエピソードもありつつ。今日は、6個くらいシェフに質問を用意したので、まず最初に私のことだったりとか、シェフが大切にしていることをシェアしてもらいたいなと思うんですけど、一つ目の質問としては、「最初の下里の印象はどうでしたか」っていうのを、ちょっとお伺いしてもいいですか。」

シェフ「夢ちゃんの印象はふんわりした明るい子だな、と最初の印象そんな感じで。でも色々なことに興味があり、そもそも話してると自分の信念をきちんと持ってて、これからの活動を自分の人生の軸として、頑張っていくという覚悟がその時から見られていて、この歳でそこまで考えているのは面白い子だなって思ったのが、最初の方の印象ですね。」

下里「はい。ありがとうございます。当時私が24歳だったかな。シェフはおいくつでしたっけ。」

シェフ「今僕が50だから、8年前くらい、42ぐらいのときに夢ちゃんに出会ったのかな。」

下里「そうですよね。すごい時間が経ちましたよね。」

シェフ「怖いよね。」

下里「ありがとうございます。その時は、アンディカフェで働かれていて、最近独立したということで、この間ちょっとお話をしてきて一緒にランチを食べた後にカフェで話して…さらにそこで4時間経ったみたいな時間を過ごして今日に至っているんですけども。一つ目の質問ありがとうございました。」

下里「ここからは、シェフが大切にしている人間関係とか生き方っていうところでちょっとお話をさせていただきたいんですけども。いろんな話をしてく中で、私がその時ってNPOまだ作ってなかった時にいろんな人と出会うようになって、その団体の関係人口がすごく増えていっていて、急激に人と会っていた時期、まだコロナとかもなかったし、その時ってイベントも結構やってたので、1年間で本当に500人ぐらいの人と対面で会うっていうようなことをやってた時期でした。

でもその時って出会う人の目的があまり自分の中では見定められなくて、極端な話、「ちょっとカフェ行かない?」みたいなことを誘われて、事業のこととかちょっとお話ししませんかって言って人と会ってついて行った時に、その方がネットワークビジネスをやってたとか、結構あったんですけど(笑)あとは、人間関係でこじれることはあまりなかったんですけど、ちょっと違うなって思った人の対処の仕方とかがわからなくて、すごい悩んでいた時期に、「0ベース」っていうことを教えてもらって。その時のシーンすごくよく覚えているんですよね。シェフが座って喋っていたなと思って。
シェフが大切にする、0ベースついてちょっと教えてください。」

シェフ「必ず人間関係は色々あるし、多分人生の中でこいつ嫌なやつだなとかむかつくやつだなとか必ずいると思うんだけど、でもその人に対して仕返ししてやろうとか思ってしまうのは人間だし、それでしょうがないと思うのだけれども、自分のステージとして、そういう人と同じステージに立つのは意味がないことだと思っていて、その人に対して何か嫌なパワーを使うくらいだったら、これからの自分の人生のポジティブなパワーの方に僕は使った方が良いと思っていて、だけど嫌な人に対してプラスに物事が働くっていうまでは僕も大人じゃないので、だったら存在を消すではないですけど、僕の中では0ベースとして捉えて、何もなかったよって状態にするっていうのが一番のやり方なのかなって思ったのを話した記憶があります。」

下里「マイナスのまま関係を終わらせないようにというのをすごい言われていて、なんかちょっと別れ際とかにすごい嫌な雰囲気のままの関係が終わるとかなんかよくない状態のままマイナスの人間関係のまま終わるんじゃなくて、ぐっと堪えるか、フラットな状態にゼロの状態にして、「また何かありましたらお願いします」くらいでそっと離れてくっていうことをちょっと教わって。マイナスのままだとこの狭い業界なので絶対どこかで、色んな人に会う中で、共通の知り合いとかと多分出てくると思うんですよね。Facebookとか開くと、結構共通の知り合いがいっぱいいる人っていると思うんですけど。その時にこれからどんどん私が成長してく時にずっと足を引っ張る人になるって言われて。本当にその通りだなと思って、全てがうまくいったわけではなかったんですけど、それをすごい思い出す場面はとてもたくさんありました。
やっぱり関係が悪いまま終わっていると、どこかで必ず会うんですよね。すごく狭い業界なので。教わっておいて本当によかったな、突然話してくださって本当によかったなと思いました。」

シェフ「確かその時、人間関係でそういう話をしたよね。「感情的になっちゃって」という話をしていた気がするんだよね」

下里「なるほど…覚えてないですけど。元彼と別れたときだったかな…?笑」

シェフ「覚えてないけど、夢ちゃんの立場で、上の立場にいくなら逆に足引っ張られるから、っていう話をしてたんじゃないかな」

下里「あーなるほど。そういうこともありつつ、元彼と別れたときとかも、シェフと一緒にいて、あの時は今思い出すと修羅場だったんですけど(笑) シェフに落ち着けって言われて、落ち着いた思い出があります」

シェフ「夢ちゃん熱い女だからね、しょうがいない(笑)」

下里「こないだシェフとちょっとカフェで話した話ですけど、私が新しい彼氏を連れてくる度に、続かないって思ってたって、言ってましたよね」

シェフ「そうそう、雰囲気でね。今の流れでこうなのかな。って(笑)」

下里「めちゃめちゃ大人ですね(笑)」

シェフ「まぁ男と女はわかんないからね、今楽しくやれてればいいかなってのもあるしね。」

下里「めちゃめちゃ面白い(笑)はい、ありがとうございます。じゃあ、3つ目の質問に行きたいと思うんですけれども。シェフが大切にしている人間関係の中で、「否定からまず、はいらない」っていうことをカフェで話した時に教えてもらったんですけども、そこをもう少し詳しく教えていただいてもいいでしょうか?」

シェフ「了解しました。まぁ、基本的にですけど、人間関係もそうだと思うけど、良しも悪しも、まぁ聞いてみないとわからなかいけど、肯定からとりあえず入らないと、受け入れられる状態じゃないと、門が少なくなってしまうというか。いずれにしても、聞いたあととかでも、自分が選択すればよいことだから、最初から否定から入ると、例えば相手が話しているときに、脳のメモリーを否定で結構使ってしまっていて、100%で相手の話を聞けてない状態なんじゃないかと僕は思っていて、だからまず100%で話を聞いたりとかっていう受け入れ態勢を自分が持ったほうが、色んな相手の考え方とかを、なんかちょっとおかしいと思っても、それさえも受け入れて、育んで選択することが大切だと思っているので、否定から入らないっていう風に、僕は思っています」

下里「はい、ありがとうございます。私もなんかあの24歳くらいの時って、とにかくシェフに相談してたんですよね。」

シェフ「うんうん、いっぱい話たよね」

下里「すごく相談して、もちろん否定されることが全然なくて。私の色んな意見に対して、色んな角度からアドバイスをしてくださっていたんですけど、今って逆に31歳ですけど。今って誰にも相談をしてなくて。その、相談をする前にある程度、自分で決着をつけられるようになったんです。」

シェフ「はいはい」

下里「で、例えば、私が今、フラストレーションが溜まっていることを、自分で書き出すんですね。それで、最近だと、自分の自由な時間ってすごい限られてるなぁとか、眠くてイライラするとか」

シェフ「お腹すいてイライラするとか、あるよね」

下里「はい(笑)あと、同じ境遇の人はそうそういないとかっていう、フラストレーションが溜まるんですけど、それに対して、(子育てはじめたらそりゃみんな一緒だから)っていう、自分なりの回答を()でつけていく。眠くてイライラするとかは、(グダグダせずに早く寝る、アニメを観ずに早く寝るとか)」

シェフ「まぁアニメをみたりするのはね、趣味だから、難しいよね」

下里「はい(笑)で、自分で完結させている。人に何か教えてもらう時には、相談するんじゃなくて、ネガティブフィードバックをもらうようにしているんですよね。逆に今の話って否定から入らないっていうことなんですけど、この業界、国際協力の業界にいると、すごく優しい人が多くて、なんか、応援してもらえちゃうんです。すごい頑張ってるね、それだけで応援するよっていう世界観なので、自分がやっていることを、否定してくれる人がいないと、成長ができないなって思って、ネガティブフィードバックをもらうと、すごく早く成長できるなって思っていて、それを何で受入れようかって思ったかというと」

シェフ「はいはい」

下里「シェフが人の話を聞いているときに、否定から入らないようにする、その人の価値観をまず受け入れるっていうことを教えてもらって、それができるようになると、自分がまずその人のことを否定しないで、受け入れられる状態になっているから、ネガティブフィードバックをもらっても、受け入れられるようになったんです」

シェフ「うーん、素晴らしい」

下里「ネガティブフィードバックをもらうと、それを否定で返したくなるんですよね」

シェフ「うんうん、本当はね」

下里「だけど、それを受け入れられるようになったので、だからその課題解決がすごく早くなった。組織の成長に欠かせない否定を受け入れられるようになった。否定じゃないですけど、ネガティブフィードバックを受け入れられるようになったな、というのは逆にちょっと思いました。」

シェフ「あとはなんか、本来のいじわるになっていることをディベートしてみたりとかね、相手はほめてくれてるんだけど、一旦置いといておいて、話をしてみるとかね。ディベートしてみると、肯定されてると思ったけど、引き出してみると否定だったとかもあるよね」

下里「そうですね、なので論文とか読んでると、今まで研究されてきたことって、否定しないとはじまらないので、そのトピック自体が成長していかないので、それを受けいれられないと、ずっと進化しないというか、ずっと同じ考えのまま、なので、それを受け入れるっていうこと自体も同時に教わったなって思いました。否定しないに対して一旦否定しないっていう。」

シェフ「一旦否定しないっていことだよね。どっちにしろ否定しているときはあるんだけど、最初は否定しないってことだよね。まず受け入れたほうがいいよね」

下里「はい、ありがとうございます。はい、トントンと。4つ目の質問をしようかなと思います。」

シェフ「はいはい」

下里「ありがとうございます。4つ目の質問に移ろうかなと思います。先日カフェに行った時に、 シェフがオススメの本があるっていうのを教えてくれて。それについて紹介していただいてもいいでしょうか。」

シェフ「つい最近2回目の重版になったのかな、僕の小学校からの幼馴染の藤田勝利君っていう方が書いている、『ドラッカースクールで学んだ本当のマネジメント』っていう本なんですけど、僕は本能的に飲食店20年経営してきた人だったので、こういう本って読んだことがなくて。飲食店ってほぼほぼ3年でかなりの数がなくなってくってのは現状で、まあ 20年やってるっていうのは一応成功として見ていいんじゃないかっていうのは、僕の中で思っていて、だけど、じゃあその成功ってどうやって自分の中で成功したの?って聞かれた時に答えられなかったんですよね。こういう本読んでないから、ちゃんと。

で、今回この勝利君の本を読んだ時に、セルフマネジメントって言葉が出てきて、自分には何の強みがあるのか、自分がこれから何をしたいの、みたいなものをまず自分でちゃんと解いてみて、答えを出していくみたいなのが1つのポイントになっていて。 で、僕と彼は直接話してるんで、面白かったのが【彼と話してる】みたいな感じの読み方ができて。360ページぐらいあるんだけど、結構あっという間に読めちゃって、内容がすごくわかりやすかったんで。ああ、これがこうだったから、こういう正解の方に僕が動いていて、 こういう風に論理的に動けたから、こういう風に理論付けができたんだなみたいなことが結構わかるようになって。なので、今でもその本を読んだことにより、誰かとお話させてもらう時に、少しは分かりやすく話せたんではないかなって思うようになるような本です。」

下里「はい、ありがとうございます。いや、本当にすごいわかるなと思っていて、なんとなくやってたことが、既にパターン化されて、言語化されてるっていうのを、最近私もすごい思うようになっていて。確か、ずっと長年のお知り合いの方が、出版される前にシェフに会いに行ったっていうお話ですよね。」

シェフ「そうですね、それもたまたまなんですけどね。久しぶりに会おうよなんて言って、会って。ほんとは僕自身もこれからのことも含めて、彼に話してみたいななんて思ってたんですけど。ま、結局2時間以上話してたのに、 昔の話で終わるっていうね(笑)。それで、後々聞いたら、実は第7章ぐらいで筆が止まっていて、僕と話したことによって何かリフレッシュされたのか、その2週間後ぐらいに本出したんで。その時まだ本を出すなんて俺に言ってなかったから。じゃあまた会おうねなんて言って、なんであの時言ってくんなかったのって言ったら、その時7章ぐらいしか書いてなくストップしててさ、みたいな。で、強と話したら、一気に筆が進んだんだよって話をしてたんで、それはそれで良かったななんていうエピソードがありました。」

下里「はい、ありがとうございます。私も最近ほんとに同じことを思って、知り合いに本をお勧めされたんですけど、その知り合いというのが、NGO畑の人ではないんですけども、株式会社EMAの楯さんっていう方がいるんですけど、ずっと経営学の博士も持ってらっしゃる方なんですけど、私と同い年で、アニメ仲間なんですけど…」

シェフ「はいはいはいはいはい」

下里「彼からたくさん本をお勧めしていただいて、その1つが、小森谷浩志氏っていう方が書かれている『ZEN 禅的マネジメント』っていう本で、もう1つが、『世界標準の経営理論』っていう832ページ ある経営学の本で、「こんなに分厚くても11万部突破!」って書いてあるので、めちゃめちゃ売れてる本なんですけど。

なんでこれお勧めされたかというと、本当に個人的な考えなんですけど、私の「思考の軸って何なの」っていう風に結構質問をされて、本当に答えられなくて。考えたこともないし、考えてる人の方が少なそうだなって思って。 彼が言ってるのは、ほとんどの経営学の理論って、すごく古くからある。で、それはあんまり変わってなくて、必ずパターン化されてて、理論化・言語化されてるので、私ってNGOやってて、あのビジネスとか経営学って本当に縁がなかったんですけど、それを落とし込むことによって、 やっぱり自分のNGOの運営にもすごく役立てることができるなっていうのをなんか最近思っていて、この分厚い本を半泣きしながら読んでるんですけど、まさにそうだなって思いました。シェフおすすめの本も、これから読もうかなっていう風に思って。」

シェフ「ぜひぜひ1回読んでみてください。」

下里「読みたいんですが、この800ページを読まないと、次に進めないので(泣)頑張ってから読みますね。」

シェフ「夢ちゃん、忙しいんで、また眠くなっちゃってもだめなんでね(笑)」

下里「そうなんですよ。なので、本を読む習慣ってすごい大事だなと思って。寝る前30分 前に読まないと、なんか気持ち悪くて寝れないなっていう。」

シェフ「素晴らしい素晴らしい」

下里「そして、朝からすごい眠いっていう…。はい、ありがとうございます。」

下里「では、5つ目の質問は。そういったご自身の考えを言語化して、 なんで私にいろいろ教えてくれたというか、 教えようと思ったのかなっていうのをお聞きしてもよろしいでしょうか。」

シェフ「でも、これは多分結構シンプルで、夢ちゃんが興味を持って常にポジティブに聞いてくる感じがあったからだと思うんだよね。で、話し方にも結構まっすぐに紳士的に、こうパワーが伝わるっていうか、 そういうのはすごく俺の中に感じていて、だから、むしろ俺の方からもこうなんだよみたいな話をしたいなって思わせてくれる話し方をしてくれてたからじゃないかなって俺は思ってます。」

下里「なるほど、ありがとうございます。
やっぱりあの時って質問止まらなかったなって思います。質問だけじゃなくて、雑談も結構しましたけど。何話してたか、今あんまり覚えてないですよね…」

シェフ「でも、結構喋ってたはずだよね」

下里「ずっと喋ってましたね(笑)」

シェフ「まあ夢ちゃんもね。基本話すの好きなタイプだし、俺も別に話すの大好きなタイプだから、時間あればなんか話してたよね。」

下里「そうですね、なんか、シェフって話しながら動いてるんですよ、ずっと。なんかすごい複雑な作業をやってるのに、話してるんですよ、ずっと。やりながら話してるっていう」

シェフ「そうだね、まあ料理に関してはもう体が動いてるからね。」

下里「いや、そうなんですよね、それすごいなと思って。
で、シェフって、ご自身が料理作るときに動きやすいように、全部動線セッティングしてるじゃないですか。」

シェフ「はいはいはい」

下里「で、そこを話しながら超スムーズに動いてるんですよね。で、最初ってその動線に私がすごい入ったりとかして、ここに入ってくんなって、すごい怒られてたことがあります(笑)」

シェフ「気持ちはね、わかってるけどね。なんか手伝わなきゃって思ってくれてる気持ちわかるんだけど、もう一連動作になってるからね 。怪我しちゃったりするしね。」

下里「そうですね、熱いフライパンやってきたりとか(笑)。すごい懐かしいですね。でも、なんかすらっとやってるから、シェフの動線が見えるまで、すごい時間はかかってた気がします」

シェフ「まあ、よく俺が言う。プロの領域って、零コンマいくつだっていう話をちょくちょくするんだけど、そういう中での動きだから、 やっぱり最初に知らないで入ると、当然なかなか見えないよね、そんなのね。」

下里「そうですね。あの、色々教えてくださる中で、この間のカフェでもちょっと話したんですけど、NGOの話をすると、なんかこの業界って、今新規設立がすごく少なくて、上位の10くらいの大きな団体さんが業界のパーセンテージを占めてるような状態っていうお話をしたんですけど、その中でも、やっぱりそういった図式にすると、競合とかっていう考えになるのかなと思うんですけど、その中でも一緒に課題解決していく、仲間としてノウハウがすごくよくシェアされてるなっていうことを思って。で、私も今このNGOを始めたいなって思う人に対して、 やっぱり自分が経験してきたこととか、すごい辛かったこととか、苦労したことって、同じ経験をする必要がないなと思ってるので。ノウハウはできるだけ教えたい、共有したいなっていう風に思ってるんですけど、それも多分、シェフがそういう考えの人だったからだと思うんですよね。」

シェフ「ほうほうほう。まあ俺はなんでも教えちゃうからね、ほんとに。でも教えてもね。やっぱり経験値って別の話で、知識はその場でぱって入るかもしれないけど、やらないと わからないことっていっぱいあって、だから、やっぱ先に教えてあげたいことを教えてあげて、あとはね、自分次第。経験値をいっぱい積むってことしかないんで、 最初にそれ自体を教えないっていうのは、ちょっと俺の中では意味が分からないって思ってるんですよね。」

下里「たくさんいろんなところにレシピも提供されたりとかしてますよね。」

シェフ「はいはい、もう全然どうぞ作ってみてくださいって感じですよね。」

下里「かっこいい!レシピだけじゃ、できないっていうことですよね。」

シェフ「そうですね、レシピである程度はできるのかもしれないけど、ってやつですよね、結局ね」

下里「なるほどです。でも、やっぱりそれを実現しようとするかどうかっていうところが問われるのかなって思ったりとかもしました。
いや、なんか、シェフと働いてた時がすごい懐かしいですね。よく私、厨房で吹っ飛ばされてました、シェフの動線に入って(笑)」

シェフ「ま、俺が体でかいからね、ちょっと触るだけで吹っ飛んじゃうからな」

下里「ほんとに。横幅だと、多分私2人分ぐらいあったかもしれないですよね。」

シェフ「うん、そうだね、そうだね」

下里「よく吹っ飛ばされてたなって思い出しました(笑)。ありがとうございます。
じゃあ最後の質問なんですけれども、シェフの今後について教えてください。」

シェフ「今はまあ、Langue Memoire(舌の記憶)の代表で、トータルフードマネジメントやってるんですけど。 私も経営者とか料理長とかやってきましたけど、上に立つというと、なかなか孤独になることが多くて。その時になんか一緒にね、同じ目線でお話をできる人がもっといたら、すごく勉強になったし、良かったのかなと思ってたので、これから僕がやれることの1つとして、経営者なり料理長なりに寄り添えるような立ち位置をもって、シナジー効果を最大限に活用できるように、ビジネス環境を作っていけたら良いかなと思っていて。

まあ何より、僕が掲げてる「舌の記憶」っていう、僕の中での中心に置いてる物事なんですけど、 その中でもいろいろな方と知り合って、ポジティブに紳士的に、その舌の記憶っていうのを真ん中に置きながら、いろんなことをやれたらいいかなと思っています。で、その中の仕事の1つとしては、例えばプライベートブランドを製造していったりとか。FC(フランチャイズ)展開とかっていうのも、色々、スタートアップとか、トータルフードマネジメントっていう肩書きを今してるんですけど、そういうのをうまく活用できて、いろんな方とね、楽しい仕事ができたらなって思っています。以上です。」

下里「はい、ありがとうございますでは、今後とも末長くよろしくお願いいたします。」

シェフ「こちらこそ、よろしくお願いします。」

下里「また定期的に近況報告をしましょう。」

シェフ「あ、是非是非♪」

下里「はい、ぜひお願いします。
では、聞いてくださった皆さんありがとうございます。今日はここまでで終わりたいと思います。シェフ、ありがとうございました!」

シェフ「はい、ありがとうございました!」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?