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はじまりのはじまり集

16
降りて来た物語のはじまりのはじまり。 15の物語。
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はじまりのはじまり

はじまりのはじまり

どこから説明しよう、
えっとまず、これは今後広がることを望んでるわけでもなく、続けることを意図してもいません。

去年の秋、急に言葉が、ちょっとした文が降りてくることがあって、何となく楽しくて書き記してた。

誰に見せるでもなく、Instagramでアップしてた。

15個のはじまりが降りて来たのだけど、

まだその頃はnoteを知らなくて、

そしてnoteには、

短歌や

詩や

物語が好き

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はじまりのはじまり『黄泉』

はじまりのはじまり『黄泉』

黄泉だ、と節子は思った。

茜色ではない、

金色の夕暮れ時。

その時だけ、

節子は母の魂に触れることができた。



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読みやすいようにマガジンにしました。
100文字程度の物語のはじまりたち。
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はじまりのはじまり 『キス』

はじまりのはじまり 『キス』

初めてキスした時のこと、覚えてる?

迂闊にも女にそう聞かれた時、

ケンの頭の中では

ずいぶん昔に忘れ去っていた、

亡き妻とのはじめてのキスがフラッシュバックしたのだった。

今更かよ、

まざまざと細胞に蘇る記憶に圧倒されつつも

ケンは自分に呆れた。

何ヶ月も蓋をされていた何かが

間欠泉のように噴き出し

帰り道の雨の中

ケンは膝から崩れ落ちた。

今更かよ。

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はじまりのはじまり 『緑の療養所』

はじまりのはじまり 『緑の療養所』

またお願いします、

若い女性がすまなそうな笑顔で、

鉢を置き言った。

都心部にあるにも関わらず、

知る人ぞ知る場所。

お洒落な街並みで、

景観を乱さぬよう精一杯頑張った鉢植え達は、

ここに来て療養する。

そうやって都会の鉢植えは、

うまくローテーションを組むのだ。

毎朝、カフェやヘアサロンのスタッフが、誰かしら軽トラでやって来る。

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『秋空』

薄がけを一枚羽織り、

空も夜の寒さに備えた。
#はじまりのはじまり

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https://note.com/shimone_ai/n/n07888324d571

マガジンもあります↓

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はじまりのはじまり 『夢の鯨』

はじまりのはじまり 『夢の鯨』

くすぐったいってあるでしょ。

ぼくのお腹に、よくサメ達がいるじゃない。

あそこだけ実はとっても柔らかいんだ。

だからね、

あそこをツンツンされると

くすぐったくて、

その時が、ぼくは動くのが一番早いんだ。

みんなには内緒ね。

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はじまりのはじまり『距離』

はじまりのはじまり『距離』

流れが変わるのを告げるかのような、

久方の朝焼けだった。

今日はさとしに連絡してみよう。

かなはそう思った。

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はじまりのはじまり 『象の本音』

はじまりのはじまり 『象の本音』

ぼくたちが逆立ちする感覚っていうのはさ、

からだが固まったら

うーんって伸びするのと

一緒なのよ。

楽しいことしよう、とか

あそぼう、とかじゃなくて、

もっとふつうで

いつものことなんだよね。

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はじまりのはじまり『朝の秘密の物語』

はじまりのはじまり『朝の秘密の物語』

あなたのために、と

薔薇は精一杯背筋を伸ばし

大切にとっておいた

朝露の最後の一粒を

差し出したのだった。

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はじまりのはじまり 『旅人』

はじまりのはじまり 『旅人』

長いこと一人で旅をしていた。

朝焼けと共に目覚め

星空と語り

風に励まされた。

そうしているうちに、

旅人には分からなくなってしまった。

自分と世界の境目

どこからが私で

どこからが世界なのか。

どこからが自分で

どこからが他人なのか。

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はじまりのはじまり 『ミツバチじいさん』

はじまりのはじまり 『ミツバチじいさん』

背高く空に伸びたバラたちだけは

花弁が空に還って行くんだ、

そりゃおめぇ、

そん時は

ふぁんたすてぃっくってやつだよ!

全ての花が地面に散るって

どこかで決め込んじゃいないかい?

ミツバチじいさんは、

バラ園を一緒に飛びながら

そんな話をしてくれた。

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はじまりのはじまり 『追悼』

はじまりのはじまり 『追悼』

そんな日もあるし、

こんな日もあるのよ。

眠れぬ朝を迎えたケンタに、

母は空を見上げながら言った。

この朝焼けは

一生忘れないんだろうな、

ケンタはそう感じた。

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はじまりのはじまり 『一皿目の思い出』

はじまりのはじまり 『一皿目の思い出』

一目見て、

うちの木だと思った。

皿に再現されていた

紅葉のグラデーションは、

私と弟だけの

特別な思い出だったからだ。

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はじまりのはじまり 『パティシエはいかが』

はじまりのはじまり 『パティシエはいかが』

底のベースをね、
チョコレートクッキーにしてみたんだ

食べてみると奇跡の組み合わせだと思った。

付き合うよ、うん、君と付き合います。

クリスマスの昼下がり、

チョコレートクッキーの下地を作る彼に、

私は見事に落ちたのだった。

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